SIEM REAP
6日目カンボジアの日本人

 5:30出発。何でこんな早い時間に?と思えども外からはもう人々の生活音が聴こえている。こんな早く起きたのも、アンコールワットの朝日を、サンライズを見に行くためだ。ワットについて遺跡にはいると、人もまばら。アサイチは人がいなくて気持ちがよい。と思っていたら団体客が着始めた。
 それぞれカメラポイントを探している旅行客の姿を見ると、お金持ちそうな日本人のおじさんおばさんから、クローマを身につけた白人バックパッカーまで実に様々だ。白人(という言い方は良くないかな?)のお姉ちゃんにはスカートを履いている人が多い。虫刺されと動き易さからいくとパンツが一番なのに・・・と思うけれども現地の女性はほぼスカートだ。ナルホド、確かに涼しいし。なんて思いながらサンライズ。でも天気がイマイチで見ごとまでは行かない。

 後にベトナムであった女の子に聞いたのだが、ガンジャをやってから見るサンセットとサンライズは全く別の景色に見えるらしい。それほど感動的?というよりトリップしてるからなのだろうか「今までに見たことのないすごい景色」を体験できるそうだ。といえども、その時は知る由もなく。あの壮大な建築物の後ろから登る朝日はそんなものがなくてもすごい景色だろう。

 アンコールワット2日目。今日はのんびり好き勝手に見るのだ。まず裏アンコールを見るためにひたすら道を突っ切る。アンコールワットのいわゆる正面玄関の真裏、裏アンコールは人気がなくて、鬱蒼としていてかなり神秘的だ。眺めも正面よりも荘厳だと思う。でもちょっとコワイけど。壮大なものを前にすると一人はコワイ。ポリスもコワイ。
 裏口を出たところはどうなっているのかなと、ワットの周壁の外を覗いてみると・・・そこにはカンボジア庶民の暮らしが、多分その中でもかなり貧しい庶民の暮らしが営まれていた。柱の影からそうっと覗いていたのだが、なんというか、かなり原始的な住まいに正直衝撃を受けた。見てはイケナイものを見たような気がした。ここには観光客はあまり来ないようだ。

 建物の中に戻り、今度は頂上を目指す。アンコールで一番上の景色が眺められるポイントを確保して、足をブラブラさせながら、しばらくぼうっとジャングルを眺めた後、ガイドブックのアンコールワットの部分を読み始める。するとワラワラと集まってきた、物売りの子達が。初めは腕輪や指輪、ポストカードを買ってもらおうとプッシュプッシュするけれど、私が買わないと悟ったのか、今度はいろんな質問を投げかけてくる。彼らは英語がうまい。持っていたペンでドラえもんを書いてみると反応をみせた。そうか、カンボジアでもドラえもんは人気なのか、と思って「アッタマテッカテーカ、サッエテピッカピーカ」とドラえもんの唄を歌ってみたら拍手喝采で喜んでくれる(実はこれ前回ベトナムで子供達に受けたのでやってみた)。さらに、ノートを破って折り鶴を折ってみたらこれまた好評。その中でも一番小さい子が、自分の指から指輪を外して私に突き出してきた。いらないよ買わないよ、というと「フレンド」とニッと笑って指輪をくれた。おお、なんて可愛いヤツ!疑って悪かったな。
 そして恒例のクメール語講座。「hello is チョンムリアップスア」「トアニアックチュムアヴェイー(あなたの名前は何ですか?)」などなど、こんなのかなり難しく覚えられない。子供達はこぞって私に言葉を教えようとする。見た所小学2〜3年てとこか、実際にはもっと年上かも知れないけれど。

 そうこうしていると今度は団体のクメール青年たちがどやどややってきた。英語で「日本から来たんですか?」「カンボジアはどうですか?」等々質問攻撃。彼らはバッタンバン(カンボジア第二の都市)からホリデーで(カンボジアのニューイヤー)アンコール遺跡を観光に来たそうだ。意欲満々爛々のまなざしに圧倒され、女一人だし、なにか恐くなってきたのでみんなで写真を撮ってその場を離れようとすると「何故行く?もっと話がしたい」と畳み掛けられ、強引にその場を離れてしまった。ちょっと悪いことしたかな?でも正直多勢にひとりで恐くなったし煩わしくもなったし。みんな好奇心旺盛だなあ。

 9:00時、T原さんと合流し朝食をとることに。まごうことなく暑い。ひたすら熱い。アンコールトムの食堂でフライドライスを食べるがやっぱりうまい!そして暑いのでもちろんビールを飲む。朝からビール、旅って素晴らしい。みるとドライバーのヴィチェットもビールを飲んでいる!「おいっ、いいのか、大丈夫なのか!」というと「OK, OK」。なにがオーケーなもんか!と思うけれどもまあビールを飲んで寛容になったのだろうか、許してしまった。それにこの暑さではすぐ汗で出てしまう。
 ヴィチェットたちは相変わらず店の女の子にちょっかいを出して楽しんでいる。T原さんに「なっ、あの子可愛いだろ?」などと耳打ちをしている。全く青春真っ盛りのヴィチェット。
 食後にアンコールトム周辺の遺跡を見て廻るがとにかく暑くてうだってしまう。一旦ゲストハウスへもどってシャワーを浴びる。お昼休みだ。

 昨夜、でかいアブが侵入してきたので、虫が入ってこないか気をつけがらシャワーを浴びる。風呂上がり、サッパリごきげんで隣のタケオゲストハウスにひとりアンコールビールを飲みに行く。旅って素晴らしい。
 外に設置しているテーブルには先客の日本人の男の人がいる。暇そうだ。座って飲んでいると今度はキャピッとした日本人の女の子2名がやってきた。どうやらプノンペンからボートで移動してさっき着いたばかりらしい。そこにいたみんなで話を始めるが、先客の日本人男性S木さんは友達のHにそっくりで気になってしまう。そこにW辺くんも合流。ここタケオゲストハウスと隣のチェンラは日本人だらけである。みんな面白い旅人たちである。

 S木さんはタイからトラックで着いたばかりで、遺跡には全く興味がないから一日でツボを押さえた遺跡巡りをするために「どこまわったらいいんですかね?」と聞いている。今日は一日カフェでぼっとするそうだ。その後ろに神経質そうな30代後半の日本人男性がペンとメモを持って「水はいくらですか」「両替のレートは?」などと几帳面まるだし。旅人の差ってまったく面白い。

 午後の行動開始。タ・ケオ、タ・プロームを見に行く途中の小さい遺跡に立ち寄ると、何やらカンボジアの警官らしき男が笑顔でとこちらに近づいてきた。「あっ、これか」。実は先ほどW辺くんが「これ手に入れたんですよ」と自慢げに見せてくれた警察手帳とワッペン。警官もサラリーが少なく生活に困って警察グッズを観光客に売っているという話をしてくれた。T原さんと顔を見合わせ「ディスカウントしなくちゃ」。警察手帳10ドル。高い。W辺くんが教えてくれた「ユーフレンド?マイフレンド、ディスカウントOK?」7ドルにしてくれと頼んだけれども、ワッペン2種さらに付けるという事で交渉成立。8ドルで目出たく手に入れた。T原さんは警官のベレー帽をゲット。

 戦利品?を身につけポリスと記念撮影。女房がやっているという売店でジュースを買っていかないか?と声をかけてくれるが丁重に辞退してそこを離れた。にこやかに手を振っているポリス。そして隣の遺跡に移動すると、ポイペットからピックアップで一緒だった日本人の男の子2人とバッタリ。彼らはガイドと一緒に車で移動していたらしい。片方の父上が遺跡の修復に携わっているらしい。息子はそのお手伝いをしに、しかも初めての海外でここに来たらしい。もう一人の子は一人旅を何度かしているということだけれど、それにしても飛行機に乗り遅れてピックアップトラックでここまで来なくてはならなくなった彼らの運命の悪戯は面白い。ガイドは元ポルポトの人で今は地雷撤去のリーダーとして活動しているアキ・ラさんだ。彼はここシェムリアップに「アキラの地雷ミュージアム」を作ったそうだ。オマケに8カ国語も話せる超エリートだ、もちろん日本語もペラペラ。戦いにも各国語が必要だったのだろう・・・ポルポトか、むむ。密かに一緒に案内してくれないかな、と期待をしたけれど、行き先が別だったために空しくもそこで別れる。もちろん彼ら2人はVIP待遇なのである。いいな、日本語ガイド・・・

 夜、昼間タ・ケオの頂上であったH本くんとT原さんと一緒に屋台へご飯を食べに行くハズなのだが、待ち合わせの時間になっても彼が来ない。しばらく待ってみるとH本くんらしい人が「おくれちゃってすいません」といいながら近づいてくるけれど顔が見えない。ここはホントに日没後真っ暗になるので、タダでさえ日焼けしている旅人、色黒の人なぞ全く顔が見えないと言う難点がある。無事合流して屋台へ。もちろん冷たいビールを仕入れてから。H本くん、京大院生の面白い子だがこれまた友達のMにそっくりだ!!そういえば、昼間会ったガイドのアキ・ラさんは知り合いのTにクリソツ。お兄ちゃん、H、M、T・・・似てる人づくし。これっていったい・・・。

 明日はシェムリアップ最後の日。明後日は朝4:30のスピードボートでプノンペンへ向かうのだ。旅ももう1週間を迎えようとしている、明日は忘れずにEXCHANGEとE-mailをしなければ!

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