2004オキナワノート
はじめに
研究室の研修旅行で沖縄に行くことになった。僕にとって二度目、なんと20年?ぶりの沖縄である。前回は小学生で、海で泳いで戦跡を巡った。それがきっかけで琉球方言やら島唄やらに興味を覚え、好き勝手に知識を増やしたのだが、沖縄の印象そのものについてはほとんど覚えていないといっても差し支えがない。旅行好きの僕にとっても、さすがに20年の歳月は長いものである。第一、前回が正確に何年前かだって覚えていないのだ。あれは小学校4年生?5年生?それとも6年生?……下手の考え休むに似たり。とりあえず20年?ぶりとしておくが、僕はそれを逆手に取ろうとしている。前回の印象がないなら、まったく真っ新な気持ちで旅に臨めるというものだ。そして今の僕が感じたことをこの「ノート」に記せればよい。こうして僕は再訪というにはあまりにも長い日々を挟み、沖縄に出発した。
なお、今回の旅は“研修旅行”なので、基本的にバスをチャーターして予定されたコースを巡る。こうした旅行も久しぶりである。いつものように一人で好き勝手に行動するわけではないので、なかなか趣味に走るばかりとはいかない。それでもいろんな人と同じ体験をして、それぞれが違った印象を抱くわけだから、どこかで比べられれば面白いと思う。
もう一点。研修だから当然といえば当然なのだが、学部生には今回の旅についてのレポートが課せられている。「琉球舞踊」か「グスク」か「沖縄戦」のどれかについて調べてまとめよ、というものだ。僕は学部生ではないから関係ない話ではあるけれど、せっかくなので、本文の中で3テーマすべてについて好き勝手に記してみることにしよう。