やっぱり読まない
1999北海道ノート
1・序
今年も北海道である。北海道に行くことは、去年の旅行から帰ってきた瞬間から、約束されていたといっても過言ではない。なんせ、僕と相棒Tが乗り残している区間は、
イ・室蘭本線 東室蘭→室蘭間 7.0km
ロ・宗谷本線 名寄→稚内間 183.2km
この、200kmにも満たない区間だけなのだ。第3セクターや地下鉄まで含めると、もう少し残っているのだが、まずはJRの完乗が第1目標である。目標はハッキリしている。これに乗ってしまうのは、とても簡単である・・・ように思えた。
2・日程を組む、はずなのに
実際に、この2つの路線には、やろうと思えば1日で乗ることができる。東京からの往復を考慮して、それでも2日間だ。しかし、味気ない日程にはしたくないし、できれば宗谷本線は稚内から乗りたい。片道は稚内空港まで飛行機で飛んで、それから列車に乗ろうか?それとも・・・?わずか200kmとはいえ、いくらでも乗り方が考えられる。これではキリがない。ただし、去年のように往復からすべて青春18切符を使い、鈍行で回るというのは日程的にムリがある。なんせ、今年は1週間も家を空けられない。とにかく、時期は去年と同じくお盆明け、そして札幌在住のTsともゆっくり会いたいから、週末を日程に組み込んだ。すると、8月20日(金)〜22日(日)は確定である。あとは、全部で5日程度の旅行にするにはどうしたらいいか?そんなことを梅雨入り頃から考えていた。考えがまとまる前に、とりあえず相棒Tに電話をする。北海道の件なんだけど、と言うと、ヤツは「そろそろ電話があると思ってたよ」と言うではないか!まあ、お互い考えることは同じだ。
しかし、旅行日程を考えはじめると、お互いに困ってしまった。先に書いたように、行動の選択肢がやたらとあるからである。僕は5日間という制限を設けたため、往復は飛行機・それも格安のエア・ドゥで行く、と宣言した。相棒Tも、去年のように青春18切符で北海道を目指すのはイヤのようだ。飛行機もやむを得ない、とのようだが、まだ決断には早いようだ。とりあえず僕は8月20日〜24日にしようと思うとだけ話して、その場はそれで終わった。ところが、予想外の方向から話は展開した。
高校時代の先輩・Oさんのホームページの掲示板を見ていたら、渡道希望者が増えていた。別に僕が募集をかけたわけでなく、まさにいつの間にか、といった感じである。誰かには北海道旅行を計画中、と言ったかもしれないが、よく覚えていない。とにかく、今年の北海道旅行は、僕とOさんがそれぞれ企画することで、都合2回行われることになった・・・と僕は思っていたのだが、そうはいかなかった。乳飲料メーカー勤務のOさん、夏は忙しいので休みがとれるか分からない、と言い出した。こうして、僕は北海道旅行の幹事になってしまった。
3・今度こそ日程を組む
渡道希望者を確認したところ、高校時代の先輩である、Hさん・Nさん、Sさんが名乗りをあげた。Oさんは連絡してもまるでラチが開かないので、とりあえず除外する。日程の問題は簡単、みなさんは社会人なので、8月20日〜22日の週末、とアッサリ決まった。そんなみなさんを引率しなければならない以上、僕の出発日も8月20日で確定である。そこから5日間、つまり最初の予定通りの日程になったのだ。僕はいいとして、問題は相棒Tだった。彼は、週明けには東京に戻りたいとのことだったので、僕より先に出発する方向で日程を考えることとなった。まあ、しかたない。これで、今年の北海道旅行は20日〜22日にかけて全員集合、あとは各自という、とても微妙な日程となったのである。
7月中旬。そんな僕が引率する「飛行機組」の、細かい時間調整を始めた。往復エア・ドゥ利用ということは決定したので、さっそく航空券の予約をするべく、電話をする。その直前に新聞で「お盆期間中のエア・ドゥ予約率は69%」という情報を仕入れていた。気楽に電話をしてみると、なんと20日の羽田発11便(7:30発)は満席だという。同様に、22日の千歳発16便(19:45発)も満席。ウソだろ?あの新聞記事はなんだよ?動揺は隠せない。2日後、キャンセルは出たかと、何も知らないフリをして再度電話するが、今度は日にちを言った瞬間、便名も聞く前に「全便満席です」との答え!これには慌てた。
急いで飛行機組の意見を調整し、「早朝でもいいからなるべく安い便」を狙うことになった。特定便割引設定のある便なら、エア・ドゥと比べてもそんなに割高ではない。ここで満席だったら・・・とイヤな予感はしたが、航空大手3社はインターネットで空席照会ができる。それを見て安心、行きは羽田発6:50のJAS103便を首尾よく予約。もっとも、慣れないせいか「お席の御希望はございますか?」と聞かれ、「え?全席禁煙じゃないんですか?」とマヌケなことを口走った。そうではなく、窓際か否か、前方か後方か、ということを指定できるらしい。Nさんは飛行機が初めてだというのは知っていたので、せっかくだから窓際、さらに乗降の手間を考えて、前方の席を希望する。早朝のフライトということで、集合時間にみんな集まれるかが心配だったが、Hさんから「大丈夫だよ。前の晩に寝なきゃいいんだから」という豪快な意見が出て、それに乗ってしまった。
問題は帰りだ。僕は1人で24日に帰るので、自分の都合で予約をすればよい(千歳発最終の21:50発JAS124便を予約)。だが、本隊は22日のそんなに遅くない時間が希望と言う。そうすると、特定便割引設定のある便がない。ここも長い検討の結果、函館に行きたいと言う意見が多かったので、そこから帰っていただくべく函館発18:35のANA864便を予約した。なお、往復どちらの航空会社もチケット・レスというサービスがあるらしいが、やっぱり手に手に航空券を持っていた方がなんかおもしろそうなので、それはJTBで発券してもらった。
<超簡単日程>
8月17日 相棒T東京発。東北新幹線と特急を乗り継ぎ、陸路渡道。
8月19日 Oさん(行けることになった)空路渡道。
8月20日 僕と飛行機組、千歳へ渡道。
8月22日 相棒Tは陸路で、その他飛行機組は函館から空路帰京。僕は居残る。
8月24日 僕が千歳から帰京、全日程終了。
さて、続いては僕の陸路の切符である。5日間という日程を単純に考えると、5枚1セットの「青春18きっぷ」が使い勝手としてはいい。しかし、今回は思いきって「北海道フリーきっぷ」を利用することにした。これは、特急や急行の指定席にもタダで乗れる、ものすごい切符である。値段は23750円というモノだが、モトを取るようには乗るつもりだ。出発前に5枚もの指定券を発券(タダである)してもらったのだが、何の列車か先に述べるとおもしろくないので、これは追々明らかにしていこう。
こうして、やっと準備が終わった。さあ、これで出発できる!
第1日目につづく
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