第1日(1999年8月20日・金曜日)
鴬谷(506)―浜松町(521) 山手線外回り
結局、1時間しか眠れなかった。興奮のためか?早起きのプレッシャーか?はたまた前日の昼寝が効いたのか・・・ともかく、5時に家を出た。早朝の山手線の座席は半分くらいしか埋まっていないが、座ると寝てしまいそうだ。しっかし、早朝からみなさんどこに行くんだ?と思っていたら、ほとんどが浜松町で降りた。なるほど。僕と同じく羽田に行くのか。
浜松町(534)―羽田空港(556) 東京モノレール
まだ朝早いのに、だいぶ人が多い。座りたいので、5:27発は見送った。改札の前に、飛行機の自動チェック・イン機がある。おもしろそうだからやってみようと思ったら、JASの機械だけ5:30にならないと取り扱わないという表示。へんなの。振り返ると、そこにはNさんがいた。よし!これであと2人が遅れなければ完璧だ(すっかり添乗員気分)!
モノレールは軽快に走る。上空はちょっと雲が多いのが気にかかるが、雨雲ではないからいいや。朝日がまぶしい。Nさんは、会社に休みを取るための口実を考えている。
羽田空港
6:20時間厳守!という脅しが効いたのか、Hさん、Sさんも早々と集合した。みんな眠れなかったらしい(笑)。さて、今日の渡道後の簡単な予定は、僕が函館と室蘭を往復、その他はOさんのレンタでウトナイ湖観光と旭川でラーメン。先発している相棒Tと、今日は出勤の札幌在住Tsも含め、夕方にみんなで札幌駅集合という予定だ。最初のネックは、Oさんが千歳にキチンと迎えに来てくれるかだ。確認のために電話すると、なんとTsの家にいるではないか!友人の家に泊めてもらえなかったかららしいが、それよりも朝の5時までビールをつまみに日本酒を飲んでいたという!大丈夫なのかなあ?Tsは出勤だと言ってたけど・・・
不安を抱えてチェック・イン。スポーツ・バッグなんかは預けちゃおうかとも思ったが、多くの人がそのままボディ・チェックを受けている。預けなくてすむなら楽だ。じゃあみなさん預けないで行きましょう、と、僕を先頭にボディ・チェック。難無く抜けて振り返ると、Nさんは金属探知機でアウト、Hさんはカメラの三脚は持ち込めないと言われて荷物を預けに、Sさんは「フィルム・セーフ」が信用できないのか、係官を質問攻め!やたらと動揺しているHさんが笑えるが、長蛇の原因を作っているのは、この一行だけだった。
羽田空港(706)―新千歳空港(819) JAS103 B777
上空はまずまずの天気。僕はクラシックと落語を楽しんだ。隣席のSさんはポップスを聞いて、NさんとHさんはなぜか無言。それにしても機内は快適だ。全席に液晶モニタがあり、現在地が一目で分かるのがよい。朝のコーヒーもうまい。でも、日本の国内線はサンドイッチさえ出さないのか?朝の便なのに(国内線は4年ぶりなので、勝手が分からない)。
津軽海峡を超えて高度が下がってくると、雲が厚くなってきた。雲に突っ込むと、雨!窓の下から上に水滴が流れていくのがおもしろいが、ずいぶん低いところ(高度200m)まで雲はあった。雨雲を抜けると、もう空港の直前だ。路面が濡れている。
新千歳空港
飛行機が止まってから窓の外を見ると、雨は上がっているようだが、どんより曇っている。僕はほとんどを車内で過ごす人間だけど、やっぱり雨は印象が悪くなってしまうため、苦手である。なんとか降らないでほしいものだ。
さて、僕が次に乗る列車は8:47、まだ20分強の時間がある。Hさんの荷物を受け取るまではつきあいますよ、Oさんの車は9時でしょ?とか喋りながら、新千歳空港駅改札はどちらか、案内板を探す。すると、次の列車は何分、というLED表示板があった。おっ、これはわかりやすい。最初の列車は8:33分。予定の1本前の列車だ。乗ってもいいけど、乗り換えで時間が余るからいいや。次は僕が乗る予定の・・・ん?9:02!?僕が乗る予定の列車は、毎日運転されている臨時列車ではない8:47発だ。なんで表示されていない?頭の中が真っ白になったが、8:47がないとなると8:33発に乗らなければ、南千歳で「スーパー北斗6号」に間に合わない。時計を見ると、8:31!すいません!事情が変わったみたいです!行きます!!とだけ言い残し、ホームに走った。
新千歳空港(833)―南千歳(836) 3853M 快速エアポート85 新千歳空港→札幌
改札を抜けるころには、8:33になっていた。間に合え!階段を降りようとすると、大量の乗客が階段を上ってくる。今、列車が着いた?よくわからないが、列車に飛び乗った。間に合った!ところが、列車が動かない。車掌のアナウンスによると、朝方に星置―ほしみ間で人身事故があり、ダイヤが大幅に乱れている、とのこと。結局、この列車は2分遅れで発車した。
南千歳
わずか3分の乗車で乗り換えだ。一旦改札を出て、ダイヤの乱れがどんなことになっているのか確認する。すると、僕が乗る予定だった8:47発は運休になってしまった、とのこと。そして他にも運休が多く、「スーパー北斗6号」の10分前に南千歳を出発する苫小牧行き鈍行が運休となっている。そのため、「スーパー北斗6号」が本来なら通過する美々・植苗・沼ノ端の各駅にも臨時停車するという。もし急いでいる人ならイヤな情報だが、僕は気楽なものだから、予想外のダイヤの乱れが楽しくてしょうがない。
そんなときに、Hさんから電話がかかってきた。「Oが来ない!」。やっぱり飲み過ぎたんだろうなぁ・・・でも、最初の予定・ウトナイ湖観光は車でないとムリだし・・・そこで、交通の便を考えて小樽観光を勧める。出発前にNさんは小樽観光を希望していたのだ。Nさんがみんなに合わせてくれたので変更しちゃったけど、せっかくの初北海道だから希望を叶えてあげたかった。小樽ならメシもうまいし、観光スポットは充実しているし、なによりも列車がポコスカ走っててよい。それでどうスかと聞くと、そうする、とのこと。これで一安心と電話を切ると、留守電が入っているのに気づく。「Tsです。Oさん、轟沈しました。よって、俺が半休とるように努力します」とのこと。やれやれ。
南千歳(857)―函館(1150) 5006D 特急スーパー北斗6 札幌→函館
さて、僕はこれから函館往復である。明らかな時間つぶしなのだが、こっちには「北海道フリーきっぷ」があるのだ。モトもとれるし、なによりも長万部―南千歳間は深夜に通過しただけなので、どんな区間なのかわからない。どんなところを通るのか、楽しみだ。
人身事故の影響で、列車は3分遅れで入線してきた。7連のキハ281系だ。乗り込むと、なかなか動かない。1分たっても出発しない。あれ?と思っていると、新千歳空港からの快速の接続をとって発車、と車内放送が流れた。な〜んだ、空港9:02発の快速でも間にあったんだ。結局、列車は11分遅れて9:08に動き出した。
列車はちっぽけな美々・植苗をうしろ1両はみだしながら臨時停車してゆく。でも、降りる客はいない。こんなもんだろう、と思った通りだ。森の中を走ると、遠くに高圧電線が密集しているところが見えてきた。あれが苫小牧だろうと想像がつく。そんな苫小牧到着は臨時停車の影響か、遅れが15分に広がっていた。
僕はずーっとのんきに外を見ていた。北舟岡付近は、すぐそばが海である。曇天だが、波は穏やかだ。伊達紋別では旧胆振線跡を探すべくきょろきょろしたが、一応目ぼしはついた。どうせまた後で通るのだから、詳しい目視は後にしよう。洞爺では、トレン太くんのノボリの隣に、レンタカーが並んでいる。札幌ナンバー、旭川ナンバー?釧路ナンバー!?乗り捨て料金だけでも大変だ。
列車は、あいかわらず15分遅れ。これは回復できないかもしれない。それよりも、天気が回復してほしいものだ。このままでは、駒ヶ岳が見えないではないか。祈りが通じたか、森で天気は回復したのだが、駒ヶ岳のてっぺんには雲がかかっていた。
函館到着直前にTsから電話があった。半休を取ったという。みんなは小樽にいるから、できるなら迎えに行ってくれと言った。お前はどこにいると聞かれたので函館と答えると、明らかに呆れている。札幌集合なのに、一目散に函館を目指している僕・・・とにかく、函館にも15分遅れの12:05に到着した。
さて、函館の滞在制限時間は47分。もともと昼食を取るためだけの予定だったからいいものの、あまり余裕はない。そこで、函館朝市の適当な食堂に飛び込み、いか刺し定食を注文する。去年はいかのうまさに感動したのに、今回はいまいちだった。まあ、サービス定食700円(税別)だから、しかたないか。
函館(1252)―東室蘭(1445) 5009D 特急スーパー北斗9 函館→札幌
同じ列車の、同じ車両の、1列違いの反対側の席で折り返す。夏休みだからか、なんと函館駅の発車ベルが「ドラえもん」だった。ドラえもん海底列車つながりか?とにかく、伊達紋別まではすることがない。途中でTsから「小樽組と合流しました。安心されたし」という電話があった。安心して、ウトウトしながら過ごす。肝心の伊達紋別では、旧胆振線跡を確認。駅手前には踏み切りの警報機も残っていたが、あれは保存しているのだろうか?走行中の車内からだったのでよくわからないが、道ぞいに踏み切りがあるように思えた。伊達紋別駅では、旧0番線を埋めたような一角もあった。
さて間もなく東室蘭だが、イヤな雰囲気である。なんと、列車がやや遅れているのだ。東室蘭での乗り換え時間は5分しかない。定刻通りならまったく問題はないのだが、遅れが出ると余裕がない。列車は4分遅れて14:49に到着した。しかも、僕の乗った車両は階段から遠い。間に合え!必死に走った。
東室蘭(1450)―室蘭(1503) 456D 苫小牧→室蘭
特急から悠々乗り換えてきた紳士を待って、列車は1分遅れで発車した。車両はキハ150が2連+キハ40の計3連。ただし、最後尾キハ40は客扱いしていない。もっとも、前2両もボックスに1人くらいしかいないのだから、先頭1両だけでもよさそうなものだ。そんな列車から外を眺めていると、御崎駅に「室蘭線発祥の地」という木碑を発見。ふ〜ん、微妙な場所で発祥したのねェ。
室蘭駅はわずかに1面2線の小さな、きれいな駅だった。でも、周りは空き地だらけ。よく見てみれば、それは構内の跡である。昔は線路が敷き詰められた、広大な構内だったのだろう。その隅にホームがあったのでは?と想像できるが、どうもホームが空き地のど真ん中にありすぎる。駅の外をぶらぶらしてみると、駅前ロータリーは妙にきれいに整備されているし、細長い空き地は駅舎の向こう側にも続いている。どうやら、昔はもうちょっと先に駅があったものの、整備して駅の位置を東室蘭寄りに変えたのではないか?昔のにぎわいを想像しながらきれいな駅舎を眺めると、物悲しく思えてきた。まあ、とにかくこれで残る区間は名寄―稚内間だけとなった(第5日目参照)。
ここで、相棒Tに電話。18時に札幌集合できるかと確認すると、列車の都合で17時には着いちゃうよ、とのこと。今どこ?と聞くと、狩勝峠を超えている、という。よく電話がつながったなあという思いと、どこから札幌に向かっているのかが気になる。
室蘭(1613)―札幌(1803) 1437M(東室蘭から1037M)
特急すずらん7 室蘭→札幌
前にも述べたが、僕の持っている「北海道フリーきっぷ」はタダで指定券を発券してもらえる、スグレモノだ。当然、この特急の指定券も入手しておいた。入手してからビックリ、この特急は4両編成で、そのうち1両の半分だけ(座席ナンバー1〜12)が指定席なのである。なんと、僕のいる4号車には室蘭からの乗客は2人、東室蘭からでも12人である。わざわざ指定をとるほどでもなかった。もっともこの特急は停車駅が多く、東室蘭から札幌まではこの列車だと1時間半かかるのに、「スーパー北斗」なら1時間11分である。こんな遅い列車には客も乗りたがらない?その後、乗客はなんとか5割まで増えたものの、南千歳でかなり降りてしまった。18:03、定刻に札幌到着。ただし、この日時間通りに走ったのは、この列車だけだった。
札幌
ここで、今回の旅行メンバーが一同に会した。札幌のTs、相棒T(彼は、前日までに北海道のJR線を完乗、今日は北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線=旧池北線転換第3セクター=まで乗ってきたという)、Oさん、Hさん、NさんにSさん。この人数でサッポロビール園へ。さんづけの4人は初ビール園ということで、ペースがつかめなかったようだ。でも、ペースを知っている僕もしこたま飲んだ。宿泊はTs家の収容人数の関係で、僕・相棒T・Nさんが中島公園駅近くのホテルに泊まった。ホテルなのに、和室をとったのは正解。値段の割には広くてよい。ぐっすりと眠れた。