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2000ブータンノート

1・序

 「8月にブータン行くからさ」

 言い出しっぺは、またしてもH先生である。卒業式の後の謝恩会でのことだ。ブータン!?どこにある国かくらいは知っているが、ネパールとは違って首都さえも知らない。そんな国に行ってみないかと誘って下さったのは嬉しいし、旅行好きの僕としては行ってみたいが、本当にまったく予備知識のない国だ。どんな国なのか、何があるのか、見事なまでに何も知らない。そんな国への旅行が、僕の1年半ぶり3回目の海外旅行となったのである。8月は北海道に行こうと前々から決めていたから、その日程とぶつからないように・・・なんとも妙な願いから、この旅行はスタートした。


2・ブータンについて
 この文章を読んでいる方で、ブータンの首都を知っている方は何人いるだろうか?それどころか、どこにある国かも分からない方がほとんどではないかと思う。そこで、まずブータンの基礎知識を書いておきたい。例によってテキストは『地球の歩き方105 ブータン』だ。丸写しはしたくないのだが、基礎的データだけは写させていただく。

 まず、ブータンの位置はインドの付け根、ネパールの東隣だ。ただし、インドの北東部が張り出しているため、ブータンは国土の西・南・東がインドと、北が中国と接している。台形の国土の面積は九州の1.3倍だが、北は7000m級の山が連なり、南は標高200mほどの平原までと、ヒマラヤ南側斜面に国土がある。肝心の首都は標高2400mにあるティンプーだが、ここが恒久的に首都になってからまだ50年ほどだ。そして、空港は標高2300mのパロにのみある。国内線はなく、国際線のみ営業の国営ドゥック・エアは保有機がわずか2機で、BAe(ブリティッシュ・エアロ・スペース)146という、72人乗りの4発ジェットのみがブータンに乗り入れている。72人乗りなのに4発ジェットというのもスゴいが、この飛行機は落ちないとブータン人が難く信じているのもスゴい。その理由が、飛行機の受け取りに高僧が出向き、法要を行ったからだそうな。敬けんな仏教徒(チベット仏教のカーギュ派)の国・ブータン。いったい、どんなところなのだろうか。

3・荷物はどうしよう?
 本当に困ったことに、ブータンについての情報がない。とりあえず『地球の歩き方』を買ったが、『地球の歩き方』シリーズのほとんどの本が2000年〜2001年版であるのに、ブータンだけは1998年〜1999年版である。再版されてないのかと不思議に思うが、それよりも出版されていただけマシか。で、それによるとブータンは基本的に寒い国のようだ。夏はTシャツでもいいような気がするが・・・長そでばかりにしようと思っていたが、添乗員さんを含めた旅行説明会で、基本的に半そでで十分と言われた。3000m超の峠を越える日もあるが、そのときだけウィンド・ブレーカーでも着ればいいだろう。結局、長そでも少々持っていったが、ほとんど着ることはなかった。

 スーツケースは、またしても友人の小型スーツケースを借りる。持っていくものは、常識的な旅行用品に、日焼け止めと蚊取り線香がミソ。紫外線が強力だから日焼け止めってのは分かるが、蚊取り線香!?どうやら、宗教的な考えから虫も殺さない国らしい。だから、虫だらけなのだそうな。2巻きもあればいいと言われたが、念のために3巻きにする(1缶にしないところが弱気である)。虫よけウェット・ティッシュも持っていくことにするが、それらががさばるものでないのは一目瞭然、やはりスーツケースはだいぶ余裕ができた。おみやげをつめることにしようと思うが、そんなにおみやげを買うつもりはサラサラない。

4・日程概説
 今回は人数が多い旅行なので、往復とも2組に別れることとなった。あとは一緒に行動だが、果たして予定どおりに旅は進むのだろうか?ともかく、旅行会社作成の日程表を簡潔に記そう。またしてもバンコクでのトランジットが控えている。

 第1日目(8月22日)
  16:00成田空港第2ターミナル集合
  18:30日航組、バンコクに向けて出発
  19:00ノースウェスト組(=僕はこっち)、バンコクに向けて出発
    到着後、合流してバンコク泊
 第2日目(8月23日)
   7:50ドゥック機でダッカ経由パロ(2300m)へ
  11:15パロ到着。バスで首都ティンプー(2400m)に移動  (ティンプー泊)
 第3日目(8月24日)
  午前:バスで3000mの峠を越えて、古都プナカ(1600m)へ
  午後:プナカとウォンディポダンの町を観光  (ウォンディポダン泊)
 第4日目(8月25日)
  午前:バスで同じ道をティンプーに戻る。着後、市内観光  (ティンプー泊)
 第5日目(8月26日)
  終日:市内観光  (ティンプー泊)
 第6日目(8月27日)
  午前:バスでパロに移動。着後、市内観光  (パロ泊)
 第7日目(8月28日)
  終日:古刹タクツァン僧院の近くまで山のぼり  (パロ泊)
 第8日目(8月29日)
  7:30ドゥック機でカルカッタ経由バンコクへ
 12:45バンコク着。日航組はこの夜の日航機で一足先に帰国。  (バンコク泊)
 第9日目(8月30日)
  終日:自由行動→相談の結果、アユタヤ観光   (バンコク泊)
 第10日目(8月31日)
  6:10ノースウェスト機で成田へ
 14:20成田着・解散

帰りにはバンコクで終日自由行動が控えている。みんなで行動することになるだろうが、どこに行くのだろう?パタヤ?アユタヤ?それも楽しみだ。

 

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