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第1日目(2000年8月22日・火曜日)

 暑い。なんでこんなに暑いのかよ〜と恨めしくなるような天気である。今回も京成上野からスカイライナー利用だ。その前に、今回はカメラを持参するので、京成上野の向いのヨドバシカメラでフィルムを買ったが、たったそれだけの寄り道で汗ビッショリだ。まだ自宅から徒歩10分ほどの位置にいるから、いったん帰ってシャワーでも浴びてやろうかと思うような状況である。どーせ電車に乗ってしまえば汗は引く、と気を取り直してスカイライナーに乗車。席は6割程度しか埋まっていないが、こんな真っ昼間だから空いているのだろうか?前の席には西洋人のおばさん、隣は東洋人の兄ちゃんが母国語でしゃべっているから、なんとなく国際列車の雰囲気はあるのだが・・・その横を、車掌が検札もしないでとおりすぎてゆく。

 16時集合なのに、1時間半前に成田到着。メシ食って、飛行機でも眺めよう(いろんな飛行機を見るのはけっこう面白いのだ)という算段である。その前に一つ難関をクリアしなければならない。僕が乗るのはノースウェスト航空001便バンコク行き、第1ターミナルからの出発である。ところが、集合場所は第2ターミナルなのだ。空港職員に正直なことを言ったら、怪しまれないだろうか?スーツケースの中は爆弾だ!とか叫びたい衝動にもかられるが、ジョークだと笑って済ましてはもらえそうにないのでやめる(あたりまえだ)。そこで、空港職員に聞かれたら日航組のフリをして「JAL707便でバンコクに行きます」と申告することにした。707、707、ノースウェストなら001で簡単なのにあーチクショウ707、と呪文を唱える。

 空港職員は、パスポートをチェックしただけでアッサリ通してくれた。

 第2ターミナルのレストランで、しばらく食べられないであろう天そばを食べる。滑走路は第1ターミナルの方だから、駐機している飛行機しか見えないが、まあいいか。ついでにビールも飲みたいが、4日前に焼鮭の骨を喉に刺して以来、痛みが引かないのでやめた。目の前でパキスタン航空の飛行機が動き出している。機内食はどんなだろう?

 しばし別の場所で飛行機を眺め、集合45分前に集合場所に行くと、すでに数名集まっていた。今回は全部で17人の旅行、初対面の人も多い。挨拶しながら名前を伺うが、覚えるまでけっこう時間がかかりそうだ。で、僕はこの旅行の会計係を仰せつかっている。団費を預かり、もってきたチャチな財布に入れようとしたら、ある方が肩からたすきがけできる旅行用財布を貸してくださった。その方の準備がいいのか、僕の準備が悪いのか・・・挨拶をすませ、日航組を見送ってから、こちらは第1ターミナルに移動。無料のバスが連絡しているので、まずはバス乗り場へ移動だ。第2ターミナルの建物を出ると、ムワっとした熱気!外の気温は31.2度。引いていた汗がドっと出る。

 第1ターミナルは、第2ターミナルよりもせまっ苦しいぶん、混んでいる(ように見える)。カウンター付近にいてもお茶さえ飲めないから、さっそくチェック・イン。ノースウェストのチェックが厳しくなり、ライターは1人1個までらしい。H先生がたかがライター1個でX線にひっかかり、スーツケースを開けさせられている。ところが、僕はライターを3個も持っているのに、問題なし。な〜んだ、ジーンズのポケットに全部入れておけばいいのか。

 出国審査がちょっと混んでいたが、そう気になるほどではない。17時半に審査が終わり、搭乗まであと1時間だ。その間を利用して、団費で酒を購入する。酒の値段はよく分からないので、「これだけ安い!」みたいな宣伝文句を鵜呑みにするが、だいたい国内価格よりも1000円〜6割は安い。あちこちキョロキョロしながら、3500円〜5500円の洋酒を6本買った。タバコは買わなかったが、こっちは1カートン1800円くらいだった。なるほど、免税って安いのねえ。

 手荷物のX線もなんなく通過し、46番スポットへ。40番台のスポットはノースウェスト専用になってしまったようで、以前は軽食コーナーだった一角が、ご案内カウンターになってしまっている。それよりも、喫煙コーナーが大幅に少なくなってしまい、どこで一服したらいいものか迷う。禁煙の流れは成田にも確実にやってきているようだ。

 ノースウェスト001便の機内に入ると、僕たちの一行は横に一直線に並んでいる。僕は通路側、外は辛うじて見えるくらいか。予定より17分遅れ、機体が動き出したのは19:07。しかし、前回とは違って離陸渋滞にひっかかることなく、19:27に離陸した。すぐに雲の中に入ってしまったのがやや遺憾か。遠くの方では雷が光っているのも見えるが、天気予報ではすでに雷雨となっていてもおかしくない予報だったから、雨が降っていないだけマシだ。そのうちに雲が切れたようで、窓際に座った人が、下に花火が見えると喜んでいる。いいなあ。

 さっそく機内食が配膳された。ビールを1本(一番絞りだった。ちょっとぬるい)飲んだところでチキンかシーフードかと聞かれたので、シーフードにしてみた。アツアツの海鮮天津丼がうまい。ちなみに、チキン料理はチキン入りやきそば(?)だそうだが、見た目からしておいしそうに見えない。麺が妙に太いぞ。

 しばし雑談したところでいつしか寝てしまい、起きたら2時間が経っていた。まだ着陸までに1時間ほどあるので、せっかくだから音楽を聞いてみる。国内線なら落語で決まりなのだが、国際線は?あちこちチャンネルを回す。クラシックがイマイチなので、コーラス曲を聞くことにした。僕はコーラスの善し悪しはよく分からないのだが、たまにはいいや。他のチャンネルにすると、林原めぐみの曲がかかっていた。1曲聞いてしまうと、次に矢沢永吉の曲が流れてきた。ノースウェストの機内で、林原とエーチャンを聞くとは・・・

 バンコクへの着陸が迫ってきた。前回はブラインドを閉めろと言われたような気がしたが、今回はそんなアナウンスはなし。窓の外に、町の光が見えてきている。間もなくバンコクだ。ところが、なんか飛行機の挙動がおかしい。高度から機体の姿勢まで、微調整しまくりだ。悲鳴が上がるような展開ではないが、妙な胸騒ぎがする。大丈夫か?

 もちろんなんの問題もなく、日本時間1:32(タイ時間23:32)にバンコク・ドンムアン空港に着陸した。三宅島と台風を避けたために27分の遅延、しかもまたもやバスゲートである。タラップを降りると、またしても熱気がまとわりつく。さすがに熱帯のバンコク、湿気のせいで成田よりも暑く感じる。

 入国審査は例によって混んでいたが、太い柱を超えて奥の方まで進むと、なぜかこちらはガラガラである。アッサリと審査が終わり、アッサリと荷物を受け取ることに成功した。日航組はすでにホテルに向かったとかで、こちらもさっそくホテルへ。空港にほど近いラマ・ガーデン・ホテルに着いたのは、タイ時間で0時半をすぎたころだった。シャワーも浴びずにベッドにもぐり込むが、空港に近いために飛行機のエンジン音がよく聞こえて、なかなか寝つけない。明日も朝は早いのに・・・

 

 

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