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  〜 フェイエノールト vs PSVアイントホーフェン 〜

 テレビが壊れました。画面は暗くてほとんど映らず、ときどき映ってもひどくぼやけていて、アナウンサーの顔もテロップも見えません。中学生のころにお年玉をためて買ったもので15年以上も使いつづけていたのですから寿命なのかもしれませんが、地上波デジタル放送が始まろうとしているこの時期に新しいテレビを買うのもためらいがあります。「タイミングが悪いなぁ。せめてあと半年もってくれれば」と思わずにはいられません。
 そうは言ってもテレビなしで生活するのは不便です。電気屋さんへ出かけ「どうせならいいテレビを買おうか」と展示品を見て回りました。しかし大画面プラズマテレビなどは50万〜100万円もしますから手が出ません。「やっぱり分相応に、安いのを買おうか」銀行貯金の残額を思い浮かべながらパンフレットを手に取ったのですが、どうしても大画面テレビへの憧れが捨てきれず、どちらも買うことができずにいました。
 調子の悪いテレビで、小野伸二選手が所属するフェイエノールトの試合を衛星生中継で観戦しました。観戦といってもまともに観ることはできなかったのですが、かろうじてボールの動きや選手がいるのはわかりましたし、音声は普通に聞こえたので解説者の言葉に耳を傾けていました。試合はフェイエノールトの連携がよくなかったこともあって1−3で敗れました。小野選手はときおりいい動きをしていたようで、解説者の方も「うまいパスですね」「相変わらず柔らかいタッチですね」などと何度も言っていましたが、残念ながらぼくはプレイを満足に観ることはできませんでした。
 UEFA杯やチャンピオンズリーグも開幕したことですし、このまま映像を観られずにいるのは堪えられないのでいよいよ新台を買おうと決心したとき、特になにもしていないのですが突然テレビの調子がよくなり、元通りの鮮明な映像になりました。「もうちょっと早く直ってくれればフェイエノールトの試合もちゃんと観られたのに」と思いましたが仕方ありません。いつまた調子が悪くなるか、とドキドキしながら今日も古いテレビを使いつづけています。


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朝霧 義水(Yoshimi Asagiri)
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