作家とサッカー 〜天皇杯準決勝:ジュビロ磐田vs清水エスパルス〜
12月26日の深夜、関東地方に雪が降りました。この冬で初めてのまともな雪で、家々の屋根は白くなり、気温もぐっと下がりました。
翌日の27日は風が強かったものの朝から晴れ渡り、青空が広がりました。この日ぼくは埼玉スタジアム2002での天皇杯準決勝を観戦に行きました。多少の寒さは予想されましたが午後1時からの試合ですし、陽が照っていたこともあったので大して寒くはないだろう、とたかをくくっていました。
しかしスタジアムに着いてみるとめちゃくちゃ寒く、震えてばかりいました。強風だったこと、座席が日陰だったこともあったのですが、ぼくの座っていたメインスタンドの辺りだけ時折、雪が降ってくるのです。晴れているのにどうして、と思って空を見上げました。埼玉スタジアムのスタンドの上には大きな屋根があるのですが、そこに積もっていた昨夜の雪が強風で飛ばされ、雪煙になって舞い降りてきていたのです。青空で輝きながら霧のように広がる粉雪は幻想的で目を奪われるほどでしたが、ただでさえ寒いのに雪が頭上から降ってくるのではたまりません。とはいえ傘をさすほどの量でもありませんし、我慢するしかありませんでした。
試合は、ぼくの寒さとは関係なく、熱くなりました。勝てば国立競技場で決勝ですし、静岡ダービーということもあって、両チームの選手とも体を投げだして戦っていました。試合も4−2という点の取りあいになりましたが、U−20代表の成岡選手の活躍もあって磐田が勝ちました。磐田は中盤の選手がポジションチェンジを繰り返し、見事な連携プレイを見せていました。一方清水は、サイド攻撃が何度か成功していたものの、守備でのミスが多かったように思います。
試合後、体の芯まで冷え切っていたぼくは縮こまりながらスタジアムをあとにしました。スタジアムから最寄り駅の浦和美園駅までは周囲に畑や更地が広がっているようなところで、風が余計に強く吹きつけてきました。今度サッカー観戦するときはきちんと傍観しなければ、とつくづく感じながら、大きなくしゃみをひとつしました。
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