水沫流人,幽,怪談文学賞,長編部門優秀賞,小説,七面坂心中,ダ・ヴィンチ,ダヴィンチ,ダ・ビンチ,ダビンチ,みなわりゅうと,審査員,岩井志麻子,木原浩勝,京極夏彦,高橋葉介,東雅夫


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朝霧義水
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水沫流人の水散歩(1)


 いつか東京の「水」を描いてみたい。
 時代は近未来。海、川、池、泉。水に関わるありとあらゆるものが溢れだし、低地部の街を呑みつくした世界。わずかに坂上の台地が顔をのぞかせている。
 今でこそ水はおとなしく手なずけられ、いったん人間の暮らしから隔てられたうえで、上水道として利用されたり、親水公園などで景観が愛でられたりしている。しかし治水の困難だった時代は、水が人々の暮らしに密着していた反面、常に洪水などの脅威にさらされ畏怖の対象だったのではないだろうか。
 近未来、地球温暖化によって海面が上昇し、異常気象で河川が溢れ人間の生活を脅かす。そんなとき、突然、水にまつわる土地の古い記憶がよみがえり、再び勢いを得た地霊は人々の意識を強烈に支配しはじめるのかもしれない。
 そんなふうに漠然と考えてはいるものの、あまりにもとりとめがなく、まだストーリーも固まっていない。
 そこで、水に関係する土地を、思いつくまま「ロケハン」的に歩き回ってみることにした。実際に足を運ぶことで、僕にも地霊が憑依し、皮膚感覚的に土地の記憶がたどれるかもしれない。あるいはひょっとすると、「アッ」というようなトンでもない光景が眼前に現出するかも……。
 とまあ、そんな虫のいい考えにとらわれ、東京中の様々な水辺を訪ね歩き、そのときに感じたことを書いてみることにしました。もし興味のある方は次回もこのコラムにおつきあい下さい。


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水沫流人(みなわ・りゅうと)
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