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夢の街

 

 思えば 同じことの繰り返しだった
 空白の日々が続いていた

 気がつけば 夢の街
 いつか見た想い出と 同じ顔をしている
 時はあの頃を流れている
 街の輪郭は おぼろげで

 夢を見た 夢を見てた 夢だった

 何も残らないなんて 悲しすぎる
 光も音も消えてゆく……

 時は無情にも 一方通行で
 止まることさえ ありえない

 僕は夢だったのか
 目が覚めたら 僕はどこにいるのだろう
 夢の中の僕には わからない
 街はだんだん 色褪せてゆく

 崩れてゆく 流れてゆく 消えてゆく

 もう何もいらないから 時がほしい
 君も僕も消えてゆく……

 頭をよぎるのは
 果たされなかった約束 守られなかった誓い
 つき通された嘘 明かされなかった秘密

 消えてゆく 夢の街が 消えてゆく

 もう何もいらないから 時がほしい
 何も残らないなんて……


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朝霧 義水(Yoshimi Asagiri)
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