■エッセイ「楽書帳」
●11/29
会社の先輩がニュージャージーへの出張から帰ってきて、おみやげにチョコレートや飴をどっさりと買いこんできてくれました。ぼくの席の周りには食い意地の張っている人が多いのでこういったおみやげには敏感です。いつもハイエナのようにワッと群がって自分の食べ物をキープし、あっという間に食べ尽くしてしまいます。 しかし今回は勝手が違いました。日本とアメリカの食文化の違いのためか、あるいは先輩がそういう食べ物だけを選んできたのか、あらゆるものが口にあわないのです。チョコレートはねばねばして口の内側にへばりつく、スティック状の飴はロウソクと見間違えるくらい毒々しい色をしている、香りも甘さも異質、などなど。少し食べると胃もたれを起こしそうになります。ぼくの周りの席にいる人はみんな食べるのを途中でやめてしまいました。 そんな中、ぼく一人だけは「噛んでいるとだんだん濃厚な味になるぞ」などと分析しながらパクパクと食べていました。味覚がみんなとずれているのかもしれません。「あさましいなぁ。お前のハイエナっぷりには感服するよ」と言われる始末です(笑)。
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