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2000/ 1/31 (mon)
結局長いのな。おれの作文って。
目標は1画面ノンスクロール短文なのだ。ムリか? |
ぼくの町
2000/ 1/31 (mon)
とりあえずその年も桜が咲いた。
快晴をバックにして、まだ雪の残る蔵王の峰が、対岸の桜とともに白石川に映っていた。桜の花を揺らす風はまだ冷たく、それでも陽光は燦々と降り注ぎ、川面に乱反射していた。 ひよひよひよと何かの鳥の鳴き声が聞こえていた。実にのどかな4月の日曜日だった。 ところが、その思わず気が抜けるようなのどけさを突き破って、土手を乗り越えるようにして暴走車が現れた。暴れ馬でないのがナニヨリ、などとぼくはのどやかな心持ちでのんびりと考えていたが、冷静に見れば、その車(カローラバンだったと思う)は、土手の一番高いところからジャンプして(そのとき車のハラが見えた。動いている車のハラを生で見たのははじめてだった)、バウンドするように河原側の土手の法面に着地し、さらに加速しながら河原を歩くぼくたちの目の前10mほど川面に向かって突っ込んでいった。 運転席にはなぜかパジャマ姿のおねーさん。ロングヘアーが開け放った窓からひらひらしていた。頭は車の揺れに合わせてガックンガックンしていた。表情は猛烈に驚愕そのものを表しているのだが、驚愕のあまり悲鳴すら出ていないようだった。人間あまりの恐慌時には声すら出ないのねん、などとぼくはまだ弛緩した心持ちで思っていた。 わりと広めの河原を50mほど真横に横切って、その車はなんのヒネリもなくボンネットから白石川へと突っ込んだ。あくまでベタな突っ込み方だった。 映っている桜と蔵王の残雪が激しく乱れた。川面の乱反射がいっそう激しくなった。 が、それもつかの間だった。浅瀬に突っ込んでエンジンの停止した車は沈黙した。川面がまた静かになる頃、ドアを乱暴に開けてパジャマ姿のおねーさんが登場し、モモまで水に浸かってざぶざぶと音を立てながら河原へ上がってきた。パジャマは薄い水色だった。おねーさんだと思っていたけど、よく見たらおばさん(30歳後半ぐらい)だった。激しいカーアクションだったわりにはまったく無傷のようだった。 そうして<S>おねーさん</S>おばさんは河原に上がって開口一番、 「なに見てんのよ!」 とぼくたちに言うと、濡れたパジャマの裾を足にピッタリと張り付けたまま、髪を振り乱しつつ土手を上っていった。すぐ側に階段があるにも関わらず、草ボーボーの土手をドスドスと上っていった。履いていた布のズックが水に濡れ、ギュイッポギュイッポと面白い音を立てていた。 桜の咲き誇る土手の下の河原で、大学生になったぼくと予備校生になった彼女はそれをぼんやりと見ていた。ぼくは地元の大学に合格し、彼女は東京の大学を目指して勉強する。そんなことをのんびりと話していた直後のあわただしい出来事だった。 そうしてそんな春の日の誓いどおり、彼女は次の年東京の大学に合格して上京し、ぼくたちはそれからほとんど顔を合わせることなく、ごくたまに彼女から電話がかかってくるくらいで、恋愛関係は自然消滅していった。 1年留年したぼくと、順調に進級した彼女はまた同級生となり、同時の卒業を迎えた。ところが皮肉なもので、ぼくは今の会社へ就職するためにぼくの町から上京し、彼女はぼくの町で教員になった。 彼女が教員になった年に、一度だけ、手紙が来た。 「新担任のツカミの話として、あの暴れグルマの話をしました。ウけました」 そんな内容だったような気がする。 |
2000/ 1/30 (sun)
この日記で目標にしたいことがあります。というか思いつきました。いまさっき。それは。
オトナの日記。 ぷ。なんでしょうオトナって。 |
2000/ 1/29 (sat)
今日も徹夜なのです。ぼくの席の1つ向こうの通路で、まんま床に転がって寝ている人がいるのです。くの字に身体を折り曲げて、なんだか両手でお腹を押さえながらです。実に恐ろしい職場なのです。せめてプチプチ梱包材ぐらい引きましょうよ。ってそれはそれでさみしいですね。
……とか、なんの動揺もなく新生日記をはじめるのもなんでしょうね。 ということで。 はじめまして。「グラム」作成者のにへいです。きっとこれを読んでくれている人は、以前のぼくのロングラン・プチサイト「スバらしい日々。」から引き続き読んでくださっている方だと思います。これからもよろしくお願いしますね。もちろんはじめていらっしゃった方も。 今度はこのサイトでぼくが何をやっていこうとしているのか、何がどうなっていくのか、自分にも皆目見当がつかないのですが、普段の生活どおり、なんとはなしに続けていこうと思っています。 |
Diary CGI 3.05 by - e' - |