ヴェネツイア(2)  サン・マルコ大聖堂からドゥカーレ宮殿、溜め息橋



サンマルコ広場に入ると、正面にサン・マルコ大聖堂があります。 人、人、人の群れです。
大聖堂の前はごった返しています。中へ入るために並びながらも、金地モザイクの美しい煌びやかな壁を見て過ごすことができましたから飽きることなく充分楽しめました。




  

アーチの上にある大きな金の時計が時と月相と黄道帯を教えてくれます。 それは船乗りが海の天候を知り、船旅にふさわしい時期を決めるのに役立ちました。

   

その上では聖母マリアが見守り、紺の地に白い星がいくつも浮き上がる宇宙のような模様を背にしてライオンが構え、一番上ではムーア人の銅像が毎時鐘を鳴らして時を知らせてくれます。

塩野七生著の「イタリア遺聞」に次のような一節があります。
『1683年、聖マルコ広場の回廊の一画に、ヴェネツイアで、いや西欧ではじめてのコーヒー店が開店した。これが、大衆に広まる発火点になった。・・・・・1759年には、そのあまりの流行に心配したヴェネツイア政府は、法律でもって店の数を制限したほどであった。 その年のヴェネツイア中のコーヒー店の数は206、聖マルコ広場周辺だけでも、24店にのぼった。・・・・・カフェ・フローリアンは創業1720年。・・・「クワドリ」は、「フロリアン」のちょうど向い側にあるが、1775年創業である。』

つまりここヴェネツィアは世界で最初の「カフェ」ができた町なのです。 あらゆる階層、年代の人たちが通いました。芸術家や作家たちの出会いの場でもあったわけです。
あちらこちら探してみたのですが、それらしい店が多いのと店の名前が書かれている看板らしきものが見つからない(?)のでわかりませんでした。 地図によると上の、サンマルコ寺院に向かって左側が「クワドリ」そして右側が「フロリアン」(写真下)が「フロリアン」側ということになりますが。
それでもそういった雰囲気は感じることはできました。



このサンマルコ広場には世界から多くの人々が訪れてきていることが良くわかります。

    

サン・マルコ大聖堂の入場には混雑のため時間がかかります。
大聖堂はその名のとおりアレキサンドリアから聖マルコの遺骸を運び、それを納めるために11世紀に建立されました。正統的なビザンチン建築で、8000平方メートル以上のモザイクが壁、アーチ状の天井を覆い尽くしているのだそうです。



これが黄金のモザイクです。 聖堂の中は撮影禁止でしたが天井のドームにもこのような金地モザイクの宗教画がいくつも描かれています。(〔Main portal] のようにアンダーラインの箇所をクリックしてくさい。)






真下から見ると、ご覧のとおり壁面、ドーム状の天井には「キリストと預言者たち」、 「キリストの昇天」、 「聖霊降誕」などの「聖書の物語」がモザイクで描かれ、すばらしい作品です。

   

その後ゴシックからルネッサンスの時代に改造されて様々な時代の要素が加えられていきましたが、最初のビザンチンの特徴を基本的には失っていません。

   

有名なヴェネツイアレースです。ハンカチやブラウスなど繊細さと豪華な美しさに惚れ惚れします。

   

ここは、ヴェネツイアングラスの工房です。実際に制作するところを観光客に見せ、その階上に店があり、グラスやアクセサリーを販売しています。 記念にステージドレスに合う色ガラスの赤と金のネックレスを求めました。
ヴェネツィアングラスも机に叩きつけても割れないくらい強固ですから、お土産に買っても壊れ物として大事にしなくても持ち運びには大丈夫でしたが、あれもこれもと購入していたらきりがないですものね。



この工房のマエストロでしょうか、ものの5分ほどで「馬」の置物を作って見せてくれました。