エスニック

考える力

 「表裏一体」という言葉があります。物事を考える時、人は様々な事を考慮して結論を出そうとしますが、往々にしてその範疇は人により、また時と場合により大きく差が生じます。同じ間違いを繰り返さぬようにと努力はしても、結局同じ結果を招いてしまうのは日常茶飯事です。
 ひとつの事態にひとつの答えなら事は簡単ですが、面倒な事に、何事にも必ず表と裏があり、しかも同時に存在しているのです。

 「君子危うきに近寄らず」も真理でしょうが「虎穴に入らずんば虎子を得ず」もまた真理でしょう。「好きこそ物の上手なれ」と「下手の横好き」でもそうでしょう。一言なら「天才と○○は紙一重」とも言えます。

 相場も同様で、買い材料と売り材料は常に存在するし、当然、どんなに自分が買いだと思っても必ず売方はいるわけです。相場を相手にする職業柄、材料は強弱共々見聞きしますが、最終的にはどちらか反対の材料を無視して売り買いの指示を出さなくてはなりません。つまり、表と裏を知りそのうえで判断を下すという訓練は、少なからず仕事にも役立つものと信じています。

 ありとあらゆるものの見方、考え方に通ずるものが有るのならと思い、仕事を離れた日常で感じた事などを、気楽な気持ちで綴ってみようと考えてこのページを「おまけ」に作りました。脱線する事も有るでしょうがこれを「初心」といたしましょうか。

THIN SHIN 98/05/21



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