引き込まれる話し方ってありますよね。その気になる話し方と言い換えてもいいかもしれません。例えばある人の映画の感想を聞いていたらなんだか無性に見てみたくなったり、旅行での体験談など聞いてるうちにすっかり自分も行く気になったりすることありますね。最近、私にそんな気にさせる人たちをピックアップしてみました。 まず「なんでも鑑定団」の中島誠之助さん。博識な面を存分に生かして鑑定品の時代背景や製作工程などを「…なんですねえ」と実に楽しそうに解説してくれますねえ。 金額的には大したものでなくても「可愛くて仕方ない」という表情で、「大切にしてあげてください」と言われたら急に価値のあるものに見えてくるし、なんだか歴史の勉強でもしながら陶器でも作ってみたくもなります。彼はやり手の古物商のようですから、私みたいなのは簡単にカモになってしまうでしょうね。 個性的な言語を使うムツゴロウこと畑正憲さんも、熱っぽく話す方ですね。「よーしよしよし、おおおーそうかそうか」と抱きかかえるだけで大概の動物とコミュニケーションがとれるのだから、まさに人間離れの業です。彼の解説節も「驚きましたねーっ!これはですね、…・なんですねえ」と定型があります。解説できるくらい知っていることだから今更驚くこともないだろうに、動物が好きで堪らない姿勢が迸らせるんでしょう。 一時は本気で獣医を目指したほど動物好きな私ですから(と言っても小学3年生の2学期だけですが…)、彼の番組は見逃すと機嫌の悪くなる番組のひとつです。 その他にも誰もが知ってるキマリ文句を持つ映画評論家の淀川長治さん、水野晴郎さん、「おいっしいの!」とリキ説する料理研究家の小林かつ代さんも好きですね。身近な材料に一工夫しただけの簡単料理でも彼女に紹介されると、つい作ってみたくなります。 当たり前の話しですが、これらの方々はその方面の専門家であり、その世界の伝道師でもあるわけです。素質的には営業の仕事に通じるところもありそうですが、彼らは本当にその世界を愛し、好きで好きで仕方がないから説得力が出るんでしょうね。 有名人を例に挙げましたが、あなたのまわりにもあることに関して話しをさせると嬉々として延々話し続ける人っているでしょう。私もまわりにも何人かこうした友人がいて、時折「利用」させてもらってます。どういうことかといいますと、気分転換になにかしようかなと考えている時、「釣りにでも行ってみるか」と思えば釣りキチの友人宅に電話します。彼はどんな話題からでも釣りに話しをずらしてしまう男ですから、ほっといても楽しそうに釣りの話しをしてきます。 ワクワクして話す彼の言葉を聞いていると、だんだん私も行く気になってきて計画が出来上がるという調子。 楽しそうに語るということは非常に大きな力を発揮するものです。ビールの美味しい季節になってきました。ホロ酔い気分でおおいに話しを盛り上げたいものですね。 99年5月11日 ThinShin |