エスニック

3ch愛好家

  先日、NHK教育テレビ(いわゆる3チャン)で、エジプトのピラミッド発掘に関するドキュメンタリーをやっていた。早稲田の吉村教授の発掘チームの8年にわたる記録を三夜連続で紹介していたのだが、大変面白く、3日間ともしっかりと見てしまった。
番組の内容に関してはまあ別の機会にでも譲るとして、今回のテーマは「皆さん方はまともに3チャンをご覧になったことがあるだろうか」ってこと。

私の今までのイメージは、英会話などの外国語講座中心の印象が強かった。ときどきゴールデンタイムに「未来潮流」という特番を見たことがある程度。ところが先日の番組の後、そのままほっといたら「しばらくおまちください」画面になった。おや、と思いよくよく見てみると「視点・論点」とちゃんとタイトルが入っていた。どうやらチャンとした番組らしい。ウーム、なんたる安っぽさ。3チャンらしいといえばそれまでだが。

番組は毎回著名人がワンポイントテーマを提示してミニミニ講和のように、画面が切り替わることもなく、ひたすら自説と説くというもの。ちなみに私が見た時は作曲家の服部公一先生。テーマは「最近の子どもの声が低音になった」こと。ところが私はそれ以前に新聞か雑誌で、同じく服部さんがこのテーマ取り上げている記事を読んだことがある。それってテーマのリサイクル?服部先生、3チャンだからってバカにしてません?そりゃ低予算でよい番組を作ろうという姿勢からそうなったのだろうけど。

NHKも大変だ、と思いつつTV欄を見直すとヤケに再放送が多い。数えてみると…14個。ちょっと多すぎないかい。朝9時から夕方4時までに再放送は10個以上あるぞ。まあ、民放はワイドショー一色の時間帯だから、対抗する手だてに乏しいと諦めているのだろうか。しかし、個人的意見としては民放の「サッチーVSミッチー」よりは3チャンの「人間講座」の方が怪しげでいいと思うけど。

他にも「古典への招待」とか「つぼ」「俳壇」「漢詩」(早朝番組)など気になる番組が幾つもある。「高木ブーのウクレレ入門」なんてGコード予約までしてしまった(コードがあるんだから予約しても違法ではない)。撮ってから思ったが、3チャンだけにこの先何度でも再放送がありそうだと気が付いた。

ひょっとして、と思い「ニュース」や「天気予報」の再放送もしているんじゃないかと確認したが、流石の3チャンでもそれはなかった(あればGコード予約しようかとも思ったのに)。

ハイビジョン構想に敗れてからは、NHKの財務体質は殊更ひどいものになったらしい。衛星放送も地上波と同じ番組がかなりあって、両方の受信料を払っている人は随分割に合わない思いをしている。

よもや、年間予算が約3500億円にものぼり、ラジオから衛星放送に至る巨大国営放送のNHKが潰れることもあるまいが、愛すべき3チャンワールドを守る為にも、皆さん受信料はちゃんと払おうではありませんか。


99年6月15日 ThinShin


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