このコーナーを始めて1年半あまりになるが、こうして拙い文章を晒して恥をかくにもそれなりに苦労がある。私はプロのモノ書きでないので、書きたいことがすらすらと書ける腕前は持ち合わせていない。よって、テーマを決めて書き出してから完成するまでには何日もかかってたりするし、書いている途中で白けてきてしまいボツなるものも結構ある。 どのように書こうかといつも頭を悩ますので、せめて何を書こうかということは楽にしようと思い、ふと思い付いたテーマは備忘録ファイルにひとことふたこと書き添えて保存するようにしているが、それでもまごまごしているうちに話題が古くなってしまって「何を今更」状態になってしまうものも出てくるし、さらに、書いている途中でたまたま同じ材料をマスコミが取り上げてしまい、二番煎じになってしまうこともある。 なにやら言い訳がましいことを並べているが、先日の朝日新聞でTV番組「愛する二人別れる二人」に関する記事が出ており、そのコメントが丁度私が書いていたことと似ていたので出すに出せなくなってしまったのである。ここまで書いてボツにするのも悔しいので、意見の重なってしなった部分を削除して半分だけ出すことにした。 「最近、ドロドロしたプライベートな問題を放送してるTV番組が随分多い気がする。余りにばかばかしくて見る気もしないが、時折CMに挟まれて流れる番組予告によれば、夫婦と浮気相手の3人が出てきて事の始終を暴露し、挙げ句に取っ組み合いのケンカを始めると、今度は訳知り顔のタレント達からお叱りを受けるというもの。 見て確認しているわけでないが、TV欄を見る限りこうした類、つまり家庭内問題や恋愛のもつれなどを持ちこみ、中にはカメラを設置して部屋の様子まで映して、最後にタレント達に説教されるような番組は毎日のようにあるのではないか。 こうした番組に関して先ず思うことは、なぜ彼らは番組に出演するのか。理由として考えられることは、@高額なギャラが出る、Aタレント達のアドバイスが最高と信じている、B多くの有名人に会える、C叱られたい(その手の趣味がある)、D単にヤラセである。 Dはともかく、仮に私がトラブルを抱えたとしてこうした番組に出るなら@の理由しかない、しかも相当破格な額が条件である。それ以外に出演するに値する理由は思い付かない。一体何故彼等は出演するのか。普通なら他人には聞かれたくないような痴話ゲンカを全国ネットで暴露する神経は、私には理解できない。 願わくばヤラセであって欲しいと思わなくもないが、なんとなくCの叱られたいという理由も捨て難い気がする。自分以外のことには無関心な時代といわれるが、他人に干渉しない代わりに自分に差し伸べられる手も失ってしまった。核家族化で密室状態に陥った家庭の問題は、もはや手の付けられない状態にならないと表面化しなくなっている。 どんな形にせよ、赤の他人が真正面から自分を見据えてくれるという関係を、出る側も観る側も心の何処かで求めているのではないかと言ったら、考え過ぎだろうか。」 |