エスニック

チャリティー

  先日、チャリティーカレーがTVで紹介されていた。価格はなんと10円。このカレーの売上をユニセフに募金するそうだ。大盤振る舞いのこのチャリティー、一見美談のようだが私にはどうもおかしな気がしてならないのである。

 普通、チャリティーとは本来得られるべき利益を寄付する先に無償で提供するものである。例えばチャリティーオークション。有名人たちが自分に所縁あるモノをファンに競り落としてもらい、その代金を寄付するシステム。この場合、買う側も相応の代価を支払うわけで、当然一番の受益者は寄付される側にある。

 世にチャリティーの名のつくものを思い返した場合、この関係は共通しているはずである。
 ところが、このカレーは食べる人間が一番得しているのである。仮にカレー1皿の原価が100円、通常の販売価格が600円とし、10円で300皿売ったら売上は3000円也。本来であれば18万円の売上を得るはずの店側はこれがゼロ。原価分3万円は完全な持ち出し。寄付を受ける側は3000円を受け取るだけ。
 ところが食べる人間は10円払っただけで600円の価値を手に入れるのである。

 やはりおかしい。だったら初めから3万円を寄付してあげた方がユニセフも喜ぶだろうに。店としても人件費諸々も掛からずに済むのだし。
 それでもやるなら「お客様感謝祭セール」にするべきではないだろうか。

 「チャリティー」の意味を是非考え直してもらいたいものである。

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