エスニック

ヒーロー(前編)

   子どもの頃からTVでは様々なヒーローが登場してきました。中でもウルトラマンは地球に3分しか居られないという「特殊要因」により、最後の最後に登場することが「事情」により許されていた珍しいタイプではなかったかと思います。
 ですから、悪者の怪獣をやっつけるには登場してから出来るだけ手際良くやらないといけない訳です。なんだかそのあたり、海女さんに通じるものを感じてしまうのは私だけでしょうか。

 冒頭から話が逸れてしまいましたが、このウルトラマン、何回も代替わりして今はウルトラマン**と言うのか知りませんが、悪者の怪獣を最後は殺さずに放してやるそうです。
 やっつけておいてなおかつ最後にトドメを刺す、という従来のスタイルは教育上好ましくないといった意見が多かったのでしょうか。そうすることによって何を訴えたかったのでしょう。いかなる相手でも「殺す」ことは許されないと言いたかったのでしょうか。それともいかなる相手でも「許す」ことが大切だと言いたかったのでしょうか。はたまた、悪いことをしても悔い改めれば「許される」と言いたかったのでしょうか。

 「殺さない」傾向が強まっているのかどうか知りませんが、上映中の邦画「Red Shadow−赤影−」も悪者は殺さずに捕らえるだけだそうです。
 教育上の観点から表現を抑えたり、子どもに見せないという配慮は以前ならリアルなバイオレンスシーンや性描写においてされていたものです。決してピカチュウが何匹も悪役モンスターを殺したところでR-18の指定なんて絶対に受けることはなかった訳です。

 後半へつづく  (9月7日記)

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