私は子どもの頃、病気のために厳しい食事制限を受けた経験があります。食べ盛りの頃だったので、食べたいものが食べられないということでとても辛い思いをしました。そのためか食事の制限が緩和されるにつれ、「食べたい」ではなく「食べてもいい」といわれたものはなんでも食べるようになりました。子供心に「食べていいなら食べなきゃ損」という思いだったと思います。 おかげで、好き嫌いがまるでなくなりましたが。 残さず食べるというのは、単純にもったいないという動機に加え、きれいに平らげてしまえばゴミも減るし洗い物もラク、という理屈が自分の中で成立していました。 ところが目一杯食べても何ともなかった時はよかったのですが、胃がもたれたりして体調が今一つおかしくなると、家庭や職場などで様々なマイナスを生み出してしまいます。動機はどうあれ、結果として体調不良を招くということは、健康管理という点でみれば不摂生で体調を崩すのと変わりはありません。 飢餓に見舞われた地域や食料を空から投げ与えられているような地域の人々のことを思えば、食べ過ぎで体調不良だなんてなんとも贅沢な話ではあります。 もちろん誰も好き好んで無駄が出るほど食べ物を並べたい訳ではないでしょう。しかし、外食などでは無駄を出さずに自分に合った量だけ手に入れるというのは思いのほか難しいものです。 社会全体で考えなくてはならない課題も多いですが、やはり「残す勇気」は持たなくてはならないようです。 ( 12月14日記) |