モンゴル出身の朝青龍が横綱昇進を決めました。彼の持ち味はスピードとテクニック。引退した貴乃花もそうでしたが、最近特に顕著になっている怪我による休場の増加は無理な体重増加が原因との指摘も多く、そうした中で小柄な彼の持ち味であるスピードとテクニックは殊更注目されることになりそうです。
東西の横綱を外国出身者が占めることで国技としての存亡を危ぶむ声も聞こえますが、大相撲の国際化という点ではむしろ歓迎してもいいくらいではないでしょうか。 相撲はまさに格闘技です。格闘技の世界で這い上がるためにはハングリー精神は必要不可欠の条件です。しかも伝統を重んじ、序列としきたりが全てを支配する世界は、不景気とはいえまだまだ恵まれた環境にある日本の若者に馴染むものではありません。 師匠の高砂親方や北の湖理事長が揃って「日本人の弟子より彼の方が、我々の歩いて来た道と同じ道を歩んでいると思う」という旨の発言をしていますから、まだ暫くは外国出身勢の台頭が続くことになるのでしょう。 奇しくも「パワーを圧倒するスピードとテクニック」と賞賛されたのは、本場メジャーリーグでのイチロー選手も全く同じです。 しかし、本場のファンはイチロー選手を「外国人選手」という目で見ることなく、「イチローは投げて打って走るというベースボールの本質を再認識させてくれた」と素直に絶賛してくれました。 こうした器は、もっと大相撲ファンにもあっていいのではないでしょうか。 2月3日 記 |