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多摩ニュータウン

 多摩ニュータウンの売れ残りを大幅値下げしたところ、申し込みが殺到し中には300倍以上の競争率になるものもでた、と話題になっています。

公社の値下げ処分は時折話題になりますが、どうしてこういった処分の形しか取れないのか不思議に思います。

最大7割引にもなる今回の販売も、前回値下げしたのが98年に1度あるだけでそれ以降ずっと放ったらかしにしてあったわけです。建設は95年ということですから、すでに誰も住まないまま8年も経過して、今や立派な中古物件です。今回もこうした不良在庫を処分するのが目的と言うことですが、この5年間にどうして段階的に値下げに踏み切らなかったのでしょう。

販売価格が現在の相場から比較して大きく下回るほどではないとしても、誰も見向きもしなかった価格から応募が殺到する価格まで一気に引き下げれば「投売り・値崩れ」という感は否めませんし、すでに住んでいる人たちの資産価値にも影響します。

段階的に値下げを実施していれば今回の価格より高く売れる可能性もあったし、売れ残って値下げを続けても、買い手がつかない状況が地域住民にも伝わるので今回のような騒動にはならないと思います。

また、他の一般的な不動産と違い、取引は公団・公社の直売りということですからオークション形式でも面白いのではないでしょうか。

いずれにせよ、ザルで水を掬うように税金がこぼれていく公団・公社の無節操ぶりを見るにあたり、今更ながら構造改革の必要性を再確認するのでした。

7月29日 記

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