エスニック

闇に響く声

 夜、ゆうたの寝ている部屋から楽しそうな話し声が聞こえてくるようになった。
「たっちゅぅい、うーたねんのん(←意味不明)」とか何とか言いながら手をバタバタしていたりするのだが、よく見ると目は閉じたままである。

 どうやら寝言らしい。
 それにしても随分と威勢の言い寝言である。自分の声の大きさに目を覚ますのではないかと心配するほどだが、大抵は楽しい夢でも見ているのかニコニコしてたり、それこそ声を立てて笑っていたりする。

 時折ハッキリと意味の通じることも話していて、
「えんも、まんま(エルモ=セサミストリート、まんま=ごはん)」とか
「もうも、たっち(牛のぬいぐるみ、立ち上がれ)」などと叫んだり、
「ニギー(おにぎり)」と言いながらおにぎりを握る仕草をしていたりする。

 グズリと違ってこれらを見ているのは実に楽しい。我が子が夢の中で楽しそうに遊んでいる様を想像するのは親として至福の時でもある。

 ちゅまと話をしていると隣りの部屋で「まま、だっこぉ(ママ抱っこー)」と聞こえると、「今あたしが登場してるのね」などと平和なコメントも言えるものだが、先日などは・・
「ぱぱ、ちんちん(←訳省略)と叫び「フッ」と嘲笑した(ように見えた)のである。

 どんな夢か気になって眠れんぞ、息子よ…



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