エスニック

こいのぼり

 我が家はマンション住まいなので、こいのぼりはベランダに設置できる簡易型の小さいやつである。
 去年の初節句の時は一向に関心を示さなかったが、今年は歩いていても目に付くこいのぼりひとつひとつを指差し「こっちゅー!(←相変わらず意味不明)」と奇声を発して通り過ぎているほどの執着ぶりである。
 不幸にも「屋根より高い…♪」がこいのぼりの歌と判っているので、足を止めた時は歌えとの催促が凄まじく、繰り返し歌わされる羽目になる。

 最たるケースは近所のスーパーに買い物に出た際。
 レジに並んでいるちゅまを待ちながら出口付近でゆうたをダッコしていると、レジの横に子ども用のこいのぼりが束ねて置いてあるのに気付き、奇声とともに「歌えコール」の連呼となってしまった。

 私は今までスーパーで童謡を歌う機会に恵まれなかったので(恵まれたやつはいるのか)、恥ずかしいという思いからゆうたの耳元でそっと歌ってみたものの、最終的に9回も歌わされることになった。

 すっかりこいのぼり恐怖症になった私は5日が過ぎると早々にベランダのこいのぼりを撤収してしまったのだが、部屋の片隅に置いといたビニール包みのこいのぼりをゆうたが見つけた時の表情は印象的であった。
 まるで可愛がっていたハトの惨たらしい姿を見てしまったかのような(?)、驚愕と恐怖と悲しみに襲われた顔で泣きついてきたのである。

 さすがに悪かったかな、とも思い「じゃ、こいのぼりのお絵描きしようか?」と水を向けてみたのだが、これは17枚描かされた…。

 来年のGWが楽しみだ。

水槽最前列争奪戦(↓右)


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