エスニック

やまいも

 子どもというのは何も子どもっぽい食べ物ばかりが好きとは限らない。
納豆をおやつ代わりに食べる子もいるし、「シイタケ命」とのたまふ子もいる。
 ゆうたも納豆、切干大根、キンピラ、酢のモノなどは大好物である。

 先日、珍しくスーパーで山芋が安く売っていた。このところちゅま(←仕事疲れ)も私(←暴飲暴食)も胃が疲れ気味だったので、きゅうりと和えて酢のモノにでもしようかと思い買ってみた。
 モズクも一発で気に入ったゆうたなのでこれもきっと食べてくれるだろうと思ったが、案の定、手掴みで食べる気に入りぶり。
 必ず最初口にした時は「しゅっぱいねぇー」と大げさに口と肩をすぼめるのが習わしである。

 そのまま楽しく食べてくれるものと思っていたのだが、迂闊にもヤマイモは皮膚につくと痒くなるということをすっかり忘れていた。
 腕で口を拭ったあたりからチクチクと気になりだし、ついにはヤマイモを手に握ったまま顔中を擦り出してしまった。
 「痒い」というの今一つ理解していないゆうたは、「あまいねー、あまいよぉ」と言いながら鼻にまで指を突っ込んで掻き回しており、さすがに私としても申し訳なく、慌ててタオルを濡らして拭いてやったのだが、その後もちゃんと食べ続けたのには驚きであった。


夏休みのひとこま


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