エスニック

大根のタネ

 ちゅまが仕事で遅くなりゆうたと二人で過ごす時、私が台所に立っている間はおとなしくテレビを観ているか、お立ち台を持ってきて私の横で料理の邪魔手伝いをしてくれる。

 今日などは煮物に入れる大根を剥いていると、芯の当たりに1cmほどの黒い傷みがあり、それを見たゆうたが「それナニ?種?大根のタネ?」としつこく聞いてきた。
 最初は「ううん、違うよ。大根の種は葉っぱの方に出来るんだ。この黒いのはバナナの黒いのと同じ、マズイから取っちゃおうね」などと答えていたのだが、あまりにしつこく繰り返してくるので「そうね、そうだね大根のタネだね」と答えてしまった。
 「違う」と否定したら何度でも聞き返してきたのに、一度肯定したらあっさりと納得してしまい、切り取った黒い部分をつまんで「タネタネー♪大根のタネー♪」などと訳の分からない歌を口ずさみながらテレビの方へ行ってしまった。
 要はタネであって欲しかったらしい。

 最近ゆうたの物覚えのよさに驚かされることが多い。この年頃はなんでも一度で頭にインプットできるほど吸収力に富んでいるのだろう。

 ちょっと肯定するの早まったかな・・反省。


熟睡しても目が開くのは私似?


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