ついこの間まで単語を並べるだけだったゆうたの会話も、助詞が使えるようになると急に大人びた会話に聞こえて来るから不思議なものである。 しかも、何処で憶えて来たのか、出かける時にちゅまの服装を眺めて「この服可愛いねぇ」とか「ママのためにコレ取っといてあげたヨ」などとぬかしたりするようになった。 時折「ママお腹大きくて可愛い」などと場合によってはケンカを売っているとも取られかねない使い方をすることもあるが、「××のため」という使い方はそう簡単に理解できるものでないので、初めて聞いた時はなかなか洒落たことを言うようになったと喜んだものである。 まして女性に向かって「あなたのために〜」という使いかたはなかなかいいポイントを押さえており、是非とも私も教わりたいくらいである。 子どもを見ていると実感することだが、子どもは意外と細かな所もよく見ているものである。 絵本などでほとんど読み飛ばしてしまうようなページの片隅に別の絵本の登場人物が描かれているのを発見したり、写真の背景に自分の持っているミニカーが載っているのを見つけたりする。 ちゅまは、私の耳毛が伸びているとか私の方がブドウを沢山食べたということはすぐ見破るが、私が髪の毛を切っても気が付かない。ところがゆうたは園に迎えに行くとすぐ「パパ髪切ったね」と言ってくれる。本当は保母サンに「その髪型ステキですぅ」と言ってもらいたいとこだが、これはこれで嬉しいものである。 やはり良いポイントを押さえていると言っていいだろう。 もっとも、背を向けてテレビをみながらでも気のない返事で「可愛いねェ」「それステキー」と、あっという間に社交辞令的「大人の使い方」もするようになったのは少し残念であるが。 |
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