ゆうたは寝起きの機嫌が悪い。目覚めて最初に私の顔が見えると「パパきらい、あっち行って」とくる。 毎日保育園の送り迎えをし、風呂に入れ、絵本を読んで寝かしつけているこの私に向かって、である。なのにトイレに座っているとなぜか入ってくる。 なにかに引きつけられるように、いや、なにかを嗅ぎつけてと言った方がいいかもしれない。 鬱陶しいので鍵をかけていると「開けてヨォ」と絶叫する。仕方なく開けると今度はノブに頭をぶつけて大騒ぎ。 出勤前の忙しい朝の時間、何が楽しくて便座に座りながら泣く子をあやさなくてはならないのか。 泣き止むと今度は便器の中を「見せて」だの、「拭いてあげる」と言う。 大きなお世話である。 せめてもと思い、水くらいは流させてやる。最後は必ず「臭かったね、パパ」と念を押す。 だから大きなお世話だと言っているのだ。 こんなことを繰り返し、いつも遅刻しそうな毎日である。 |
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