エスニック

思わずもらい泣き

 ゆうたの観るテレビといえば「いないいないばぁ」と「おかあさんといっしょ」だったのだが、「セサミストリート」や「機関車トーマス」といったストーリーのあるモノも大分理解できる様になり、さらに30分くらいの番組ならなんとか腰を落着けて観ることが出来る様になった。
 ちゅまが以前から好きだったディズニーのビデオが何本もあるので、そろそろいいかなと思い見せてやったのが「ダンボ」である。やはり動物モノでとっつき易いのと時間が一番短いというのが選んだ理由。案の定、オープニングから地蔵にでもなったようにピクリとも動かず見入っている。
 「テレビに子守させて」とご批判が聞こえてきそうだが、これ幸いと後ろで新聞を広げて読んでいた。こんな時でなければロクに読んでいられないんだもん。

 ところがしばらくすると、「お母さんがぁぁぁ」と号泣しだした。最初は何のことだかさっぱり判らなかったのだが、どうやらダンボが母親と引き離され思うように会えない不遇に同情したらしい。
 これはある意味非常に人間らしい反応だと思う。子どもの泣き声を聞いて母性なり父性が刺激されることは他の動物でも見られることだが、状況だけでそれが不幸だと判断し、その対象に感情移入して泣ける動物は人間でしかありえないだろう。
 あまりに大泣きするのでちゅまが膝に抱きかかえてやったのだが、それでも時折チロッと画面を振り返っては「可哀想だ」とまた泣くのである。

 ダンボを可哀相だと泣く我が子の純真ぶりに、思わずちゅまと二人でもらい泣きしてしまった。

 聞けば私も幼い頃「バンビ」や「みつばちハッチ」「フランダースの犬」などで大泣きしていたことあったらしい。私にもピュアな時代はあったのである。

 ついつい子どもの純真なココロに触れてくて「またダンボ観る?」と誘う父であった。
(↑昔はピュアな子どもでも、結局ここまで性根は曲がった)


目下ヒーロー系より乗り物系が好き


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