口紅を喰らふ

ゆうたの１歳頃と比べるとなつきはずっと大人しく、こういう点は女の子がラクなのかなぁ、なんて思っていたら・・・・やられた。 　ちゅまとゆうたが出かけていた休日の午前中、私となつきふたりでのんびりしていた。 　小さな箱を踏み台にしてなんかちゅまの変身ボックス（←化粧道具入れ）をいじってるな、とは分かっていたが、ちょっと洗面所に行っている隙に口紅を開け、かじっただけでは飽き足らず、握りつぶし、踏みつけ、グチャグチャになった手足でレゴを引っ掻き回し、いたるところに手足の跡を残しながら、なお自慢げに私のところへやってきた。 　凄まじい状況ではあったが、まあ口紅も口に付けるものだしそう害もあるまいと思って笑って済ますつもりだった。 　しかし、雑巾片手に拭き始めると、口紅というのは結構やっかいだということにようやく気づいた。カーペットについたものはハナかな諦めていたが、難儀だったはレゴのようなプラスチックで、拭いても伸びてしまってなかなか拭き取れない。 　結局何時間も後始末にかかり、「笑い事」では済まなかった。