遅まきながら、ゆうたがようやくひらがなに関心を持ち始めた。
ある晩の夕飯時、本棚にある「こころの病気・・・」いう本の背表紙を見て、「『こころ』って書いてある?」と聞いてきた。
少し難しいなと思いながらも「そうだよ。『こころ』って何だか知ってる?」と問い返すと、「うん、やさしくすることだよ」との答え。
辞書にはなくとも私にとって二重丸の正解を答えるとは予想外で嬉しくなった。
誰かに教わったのか聞いても「前から知ってたよ」とにべもない。
ちゅまも教えた憶えはないと言う。
ちなみにゆうたは「悠太」と書く。
名に込めた思いは色々あるが、漢字はどうしても「心」のある字を使いたかった。
ゆうたが大きくなったら、「心ある人間になって欲しいと願って付けた」と言うつもりだったが、どうやら他人に先手を打たれたようだ。
「こころとはやさしくするとこ」と教えてくれた人に感謝。
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