エスニック

秋の味覚

 味覚がしっかりしてきたのか、最近はゆうたの食べ物に対する好き嫌いが思いっきりハッキリしてきて手を焼いている。
 まず、嫌いなもののナンバーワンは白米。これだけでは全く食べてくれない。次が肉類。ウィンナーのように割と食べやすいモノも、1度口には入れるのだが、ひとしきり噛んでペッとやる。魚類も得意ではない。食べないことも無いが何か他のものと併せながらでないと肉と同じように出してしまう。
 逆に好きなものはフルーツ、納豆、ヨーグルト、プチトマト、スティックチーズなど。バナナやリンゴなどが食事の前に目に付こうものなら、先によこせと駄々をこねてかなわない。私がゆうたの夕食を作るときなどは、あんまりうるさいのでバナナから先にあげてしまう。で、ひとしきり大人しくなった隙に食事を用意するのだ。手際が悪いとバナナを食べ終わってしまうので、今度はスティックチーズをあげておいたりする。
 こうしてダラダラとゆうたのペースに合わせると、最後にゴハンが残ってしまい、普通の食事とは逆のコースを辿ってしまう。

 さすがにコレではマズイと思い、苦肉の策で考えたのが何でも好きなものに絡めて食べさせると言うことだった。前述の例でいえば、納豆・(無糖のプレーン)ヨーグルトをなんにでもかけてしまうのだ。
 ポピュラーな例では納豆ゴハン。これは楽だ。あれだけ嫌がっていた白米をバクバク食べてくれる。
 問題は納豆が無かった場合。試すか試すまいか悩んだが、結局ゴハンをヨーグルトにつけてあげてみることにした。
 コレがよく食べる。ゆうたに対しヨーグルトは実によく活躍してくれた。白身の魚やブロッコリーなどもOK。まさに困った時のヨーグルト頼りである。
 ところが良いことばかりではない。山盛りにしたゴハンを食べ切る前にゆうたが寝てしまうことがままあり、私は食べ物を捨てられない性質なので、自分で食べなければならないことになる。
 こうなると名案が一転して苦行の道を強いてくる。最悪のケースだとゴハンの上にヨーグルトと納豆が同時に存在していたりする。
 どんな味か想像してみるが、どうやっても顔が古畑任三郎の思案顔のようになってしまう。
 一口試す……。
 思った通りだ。まだまだゆうたにはマトモな味覚は育っていない。断言できる。
 そう確信した後は、一度ゆうたに試してみたかった、焼肉に納豆をのせる案は却下となった。
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