気力で治せ！
| 結婚してから、と言うより子どもが産まれてから薬を飲む機会が実に多くなった。子どもの頃に大病をして何年も薬を飲み続けていたためか、薬を飲むということはなんとも病人くさくてイヤなのである。 自分の具合が悪いと言うだけなら黙って我慢すれば済むけれど、家族に伝染ると返って看病で休まねばならないので厄介なことになる。 「病は気から」というように、私はカゼくらいなら精神力でなんとかなると信じている。その辺りにも薬を飲まない原因がありそうだが、伝染るか否かは相手にかかっているので、せめて伝染りませんように、との祈りを込めて薬を手にするのである。 ところが往生際が悪いことに、私は飲むには飲んでも２錠のところを１錠だったり、１日３回のところを１回きりだったりするのである。自分としては多いに妥協して仕方なく飲んでいるのだから、ポーズで充分なのである。 しかし、薬剤師のちゅまに言わせると「薬なんて所詮体からすれば異物なんだから、用量通り飲まないと肝臓に負担だけかけて効かないものもあるんだよ」ということらしい。 そこはすかさず「大丈夫、あとは気力で治すから」と説得力バツグンの理由を述べるのだが、「そうね、あなたには医療保険なんて要らないものね、ガンも気力で治すって言いそうだし」。 まあ、そう言うなって。 |
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