エスニック

犬のエサ@
店で泣かすな

 随分前に前振りをしておきながら、なかなかスタートしなかった「犬のエサ」シリーズ。
 目下、つわりで戦意喪失状態のちゅまが相手ではけんかの「け」の字も起きようがありませんが、せめて一回ぐらいは書かないとみなさんに申し訳ないので、古いネタをひとつ。

 躾の出来ない親の例えとして、公共の場で子どもが大騒ぎしていても叱らない親というのがよく引き合いに出されますが、躾を優先させるが為に子どもが大泣きするということもままあるものです。
 例えば、外出先で食事をすると特にお子様ランチのようなものはデザートも一緒に出てくるものがあります。ウチでは食事が済むまでデザートは目につかないように隠されてますが、「フルーツ命」のゆうたにとって一度目の前に置かれたデザートを「あとでネ」とおあずけをくらうことは、悶絶の限りを尽くしてダダをこねる動機になり得るのです。
 こうした場合、私は世間の目を気にして「特別だよ」とすぐ折れて先に食べさせてしまいます。気にするといっても、恥ずかしいとか格好悪いからという訳ではなく、ここで大騒ぎさせては他のお客や店側にもに迷惑だと思うからです。それに、今ここで折れても後で取り返しはできるという甘い見通しも持っています。
 ところがちゅまは「ここが躾の勝負どころ」と折れようとしません。あまり言うことを聞かないと、こちらもついつい声が大きくなってしまって、いつのまにか家族で大騒ぎしていたりします。頭に血がのぼるとまわりが見えなくなりますね。
 最終的にはゆうたも諦めていうことを聞くことになるのですが、落ち着くまでは私も気が気ではありません。
 他の客からすれば、わざわざ金を払って食事をしに来ているのに近くでギャーギャーとやられたらやはり迷惑でしょう。店の人も子どもを放ったらかしにしているのと違って注意はしにくいと思います。
 しかし、開き直ってしまえば、世間は子連れに対し実に許容範囲が狭いとも感じます。私も子どもを持って初めて実感しましたが、町中でグズる子どもに手を焼いて周りから冷たい目で見られている親御さんなどは気の毒だなと思うようになりました。一昔前のように、見知らぬ人からも気さくに「どうしたの?」と一声かけてもらえればどれだけ気分的に救われるか分かりません。子どもの方も知らない人から声をかけられると、はたと我に返ったように大人しくなったりするものです。

 なんだか、また話が違う方に外れてしまいましたが、つまるところ「躾優先」か「世間体優先」か、といったところでしょうか。

 みなさんのお宅ではいかがなもんでしょうか。


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