我が家の事情

体勢逆転

　　長かったつわりも峠を越し、ようやく落ちついた生活が戻ってきた。とっても、まるでモトの生活に戻ってきた訳でなく、今までやっていなかったことをこなしたことで変わった事もいくつかある。
　最大の変化は、家事の中で一番嫌いだったはずの料理を2ヶ月ほど続けた結果、一番の座を「皿洗い」に譲ったことである。

料理と言っても所詮私が作るものである。ゆうたを迎えに行ってから作るので30分以内に作れるものばかりなので凝った料理はなにもない。しかし、2ヶ月も続けているとそれなりに要領もわかってきて、隣りで洗い物のマネごとをしているゆうたの相手をしながらママゴトの延長のような料理をするのにあまりストレスを感じなくなって来たのである。

　もう一つの変化は、食卓の席。
我が家のダイニングテーブルは四人掛けで、ゆうたの右隣に私が座り、ゆうたの正面がちゅま。台所はちゅまの席の背後にある。
私は足元に食べカスなどが散らばっているのに我慢がならないタチで、ゆうたが食べ散らかしてはイチイチ拾い、掃除機をかけていた。勢い食事中もゆうたに気を取られて半分くらいはゆうたのほうを向いて食事をしているようなものであった。
ところが食事の用意をするには台所に近い方がなにかと都合が良いので、最近はちゅまと席を入れ替わっている。ちゅまの方は足元に何が転がっていてもあまり気にならないようで、「ほらまたこぼしてぇ…」などと口にはするがあまり気にする様子はない。

ちゅまには「行儀が悪い」とこぼされるが、食事中から悪ふざけの相手をするのはちゅまより私なので、私が正面にいる方がゆうたにしても遊べるようである。

　意外なところでグッドポジションを手に入れほんの少し気分が良い。

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