エスニック

あくてぃぶばーすA

(つづき)
 この産院の、お産に対する役割は基本的に介助者としての姿勢が原則である。「産ませてあげる」という視点はない。アクティブバースを目的としているので条件が合えば自宅出産も可能である。
 残念ながら我が家の場合、地理的条件と先生の予定が合わず自宅出産は諦めたが、医院でのお産でもパートナーや子どもの付き添いが許されている。特に上の子に関しては出産に立ち会うと、生れてきた子に対する受け入れが格段に良いらしい。母親の苦しむ姿と誕生の瞬間を目の当たりにすると赤ちゃんがえりや嫉妬など無縁になるらしい。この効果は我が家でも非常に期待しているところである。
 またその他の特色としては、分娩台がない、先生その他スタッフ全員誰も白衣を着ていない、等々あるが、やはりアクティブバース推奨医院なだけに「いつでもどこでもお好きなように産む」ということであろう。
 前出の項でも書いたが、ツワリがひどくて点滴を受けに行った日もちゅまが点滴を受けている部屋の前の廊下で出産ショーが始まってしまったらしい。聞けばトイレから出て来た途端に産気づいてしまったようで、「あーっ!」と妊婦の呻き声が上がると助産婦さんやダンナらしき男の「ガンバレ!もう少しだ!」などなどの大声が廊下に響いていたそうな。「まさか扉一つ挟んだ向こうにアタシが点滴を受けてるとは思ってないだろうから、聞いてるのも悪いかしらと、気配を消してたわ」とちゅまの談。

 果たして我が家の場合はどんなシチュエーションで産むことになるのやら、楽しみ楽しみ…。

 ちなみに先生の許可を取ってないので念のため名前は伏せてあるが、ちょっと調べれば簡単に調べはつくでしょう。もしこの医院にお世話になりたいというのであればお早目に。ひとりひとりじっくりと時間をかけて診てもらえるだけに診れる数も少なく、出産予約はなんと10月まで一杯だそうである。

追記:A医院=明日香医院


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