エスニック

出産ムード

 先日、夜中の3時にいきなりたたき起こされた。何事かと起き上がるとちゅまが背後にうずくまっていた。聞けば「強烈におなかが痛い」ということだが、腹痛なのか陣痛なのか本人も判らないらしい。とりあえずトイレにということで這うようにしていて出て行ったが、今度はちっとも帰ってこない。心配で見に行くと戻る途中でやはりうずくまったまま動けなくなっていた。
 熱帯夜で蒸し暑いのと冷や汗とで体中汗だくである。痛みとは別にお腹も確実に張っているようなので、まさか前駆陣痛ではとも思い、張る時間の間隔を計ると4分。いくらなんでもいきなり4分はないだろうということで、しばらく様子を見た後、いくらか落ち着いたところでなんとかまた眠ることが出来た。
 結果としては陣痛ではなく、エアコンの当たり過ぎで冷えたのが原因ではないかと思われる。

 今回のお産では、私はもちろん時間さえ合えばゆうたも立ち合わせるつもりでいる。それに加えお産のアルバムを作ろうと考え、専門のカメラマンの方にもお願いしているのだが、8月9日から予定が入っていて8日までに産まれないと私がカメラ片手に立ち合わなければならなくなる。
 言われている予定日は15日。私の都合としては13日で通勤定期が切れるのでちょうどいいくらいなのだが(まるで論外)、13・14・15日は先生の盆休み(もちろん助産婦さんはちゃんとついていてくれる)に当たってしまう。折角なので先生の休み前に、どうせならカメラマンに合わせ8日前に産まれて来ないかなぁ、と前の晩に話していたところだったのである。

 初産ではないので恐らく予定日よりは早くなるであろうと予想しており、数日前の検診でも「別に今日でもいいわよ」と先生に言われていた。
 いつ出て来るかは赤ん坊次第なのだが、意外と親の言う事を聞いているらしい、という話しはよく耳にする。ゆうたも「絶対土日にしてね」と言い続けていたら本当に土日だったし。
ただ、前稿でも書いたようになんとなくのんびりし過ぎていたところもあり、今日でもいい、と言われても私らの心づもりがまだ甘かったのでちょっと焦りが出て来た。

 入院の準備などは大体ちゅまが終わらせていてくれたが、急な場合に備えてタクシーや病院などの電話番号を控え、手順をシュミレートする。なかなか絞れなかった名前も女の子の方は大体決まった(男はまだ・・)。

 こんな感じで急に出産ムードが高まった晩のことだったので、夜中の腹痛に「もしかして、もう?」と頭によぎったのである。

 今、日付が変わり8月4日となった。はてさて、8日までに出て来るかどうか。


戻る

次へ


エスニック