出産に立ち会ったパパ連はお分かりだろうが、出産は見ているだけでも痛いのが感染りそうなほど痛そうである。別項でも書いたように、ゆうたの時は徹夜となった。 人気の少ない暗い廊下に苦しげな女の呻き声が…キャー!! なんて産婦人科の病棟では珍しくもあるまい。しかし、苦痛にのた打ち回るちゅまは眠気どころではなかったろうが、非情なことに私にはしっかり睡魔は襲ってきたのだ。 さすがに隣にいて寝てしまうことはなかったが、頭がドンヨリしている時に苦しみ悶える姿を見ていると、ちゅまがどこか違う世界に行ってしまうのではないかという錯覚さえ感じたものだ。 夜が明けて、連絡をしておいた義母が到着した。のたうつ娘を見て「代れるものなら代ってやりたいけどねえ、こればっかりは頑張ってもらわないとねえ」と余裕のお言葉。おおっ!さすがだ。 しかし、お義母さん、本当に代れるなら代ってやります? 私なら…ヤダ!例えばこれが死に至る病気やケガなら、妻子の命と引き換えに身代わりになってもいい。ホントにそう思う。しかし、出産であればどれほど大変な思いをしても、昔のように命を落とす心配はほとんど無い。心のどこかでそうした冷静な部分があって、痛そうだなあ、大変だなあ、これなら陣痛で男は失神するっていうのも分かるなあ、なんて考えていたりする。 こと出産に関して、先の言葉は二人の子どもを産んだ義母だからこそ言えるのであって、なまじ男は口にしてはならないのではないかと思う。 ともあれ、男性諸氏も出産には出来るだけ立ち会うことをオススメする。感動というよりは母なる女性に感謝の念が湧き上がることは必至である。 |
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