ISC(IdleSpeedControl)バルブ

ISCバルブはECUからの信号で、 エンジンに吸入される空気量を変化させアイドリング回転数を制御しています。 このバルブ内には空気流量を制御する2つのスライダがあり、 一つはECUでコントロールされるデュティーソレノイド駆動で、 他方はLLC温度でコントロールされるバイメタル駆動です。 双方ともカーボンが付着すると動きが渋くなって、 アイドリングが安定しなくなったりします。
レゾレータからISCバルブに接続されるパイプの接合部から、 エンジンが掛かっている状態でキャブクリーナを吹き込んでやると 大体は調子が良くなります。
しかしバイメタル側は、一度調子が悪くなるとなかなか元に戻らないようです。 エンジンが暖まっている状態では問題無いですが、冷間時からの始動で エンジンがぐずったりするようだとバイメタル側の可能性が高いです。 これはバイメタル駆動のスライダの固着、もしくはバイメタルへの 異物混入やバイメタルの固着が考えられますが、 ほとんどはカーボン等によるスライダの固着が原因のようです。
こうなってしまうと一度ISCバルブを取り外してのO/Hが必要になります。 O/Hとしては、スライダ廻りに直接キャブクリーナ等を吹きかける洗浄と、 バイメタル側のLLC流路に水道水等で水圧をかけて洗浄を行えばいいでしょう。

ISCバルブの取り外しは、作業スペースは狭いですが4本のボルトを外すだけです。 接続されているのは、電気系のコネクタと、レゾネーターからの吸気配管、 冷却水のIN/OUTになります。

手前に見えているのがECUで制御されるスライダで、 バイメタル駆動のスライダは目視では確認できない。

※上記の清掃でも完全に直りきらなくなってくると、 エアフロメータ(これはキャブクリーナ等で清掃可能)、 O2センサーの異常なども考えられます。 またバイメタルの固着が出てしまうとISCバルブ交換が必要になるでしょう。
※ISCバルブの交換後は調整が必要な場合が有りますので注意してください。 (部品には、一応調整済みの合いマークがなされていますが...)
これはISCバルブの上部にある、デューティソレノイドバルブの 初期位置調整機構で変化させることが出来ます。 マーキングはしてありますが、変更する場合には元に戻せる (訳が分らなくなった時に)ように調整前の位置をマーキング してから行いましょう。
時計廻り(だったか?)で空気量が増えアイドリング回転があがります。 反対方向では空気量がカットされる方向で、 発進時やシフトチェンジ時にアイドル回転が落ちるのが早くて 違和感があり、最悪エンストするようになります。 負圧計が有れば完全暖気時にアイドリングの負圧/回転数を 見ながら調整すれば良いでしょう。 無ければ違和感を感じない程度で、アイドリング回転数があがり 過ぎないように、空気量が少ないほうから違和感を感じない ポイントまで回せば良いでしょう。

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