二式水戦 プロフィール機
標準塗装/後期標準迷彩




実機について
二式水戦は、飛行場建設が難しい太平洋の小さな島々をめぐる戦いに備え、
零戦21型をベースに開発された水上戦闘機です。わずか1年足らずという短期間で開発され、
1941年に初飛行しました。
零戦からの主な変更点は、主脚など降着装置の撤去とフロート(浮き)の装備、
そして安定性と操縦性を高めるための垂直尾翼の拡張などです。
水上機特有の空気抵抗を抱えながらも、零戦ゆずりの高い運動性能と稼働率を誇りました。
1942年には最前線のソロモン諸島やアリューシャン諸島へいち早く進出し、基地防空や船団護衛に奮戦しました。
1943年以降、米軍の新型戦闘機に対し旧式化してからも、終戦まで船団護衛や対潜哨戒などで活躍を続けました。
航空史上、二式水戦は第二次世界大戦中に実戦で運用された唯一の水上戦闘機です。
この二式水戦を生んだ背景には、日本が独自に発展させた水上機技術があります。
1930年代から40年代にかけて、日本では水上での安定性・離水性能に優れ、
軽量で空気抵抗の少ないフロートや艇体の技術が磨き上げられました。
その技術的系譜は現代の救難飛行艇へも受け継がれています。
対照的だったのがアメリカです。ブルドーザーで瞬く間に飛行場を建設し、
カタパルトを備えた空母を大量に運用することで、
いかなる場所でも大型かつ大出力の新型戦闘機を展開させて制空権を握りました。
既存の技術を極限まで磨き上げる日本と、新機軸と物量で環境そのものを変えてしまうアメリカ。
二式水戦には日米のお国柄や国力の違いが色濃く反映されているのです。
設計
小さな紙飛行機に大きく重いフロートをつり下げれば、飛行性能は大きく下がってしまいます。
そのため、フロートをディスプレイスタンドのように考えて、飛ばす時には外してしまうのが合理的かもしれません。
それでもやはり、水上機の一番の特徴であるフロートをつけて飛ぶ、本来の姿を見てみたいものです。
そこで、メインフロートをできるだけ軽く、ぎりぎりの強度で作り、着地時に後方へ外れるからくりにしました。
また、傷んだフロートのみ交換できるように、メインフロートと二つの翼端フロートは、
いずれもスライド式で装着、取り外しができるようにしています。
(改修 2025年6月30日)
軽量化のため、各部ののりしろを3ミリの幅に縮めました。
(改修 2025年12月20日)
この二式水戦は、最初に手がけた零戦シリーズの一つで、まだ作りが粗かった4つの部分を手直ししました。
まず、水平尾翼の拡大により後退していた垂直尾翼の取付け位置を5ミリ前進させ、
長くなっていた胴体後半も、実機と同じくらいの長さに戻しました。
また、ディスプレイスタンドとしての運搬台車は、機体を支える位置が悪く主翼が変形してしまうため、
より強度の高いメインフロート支柱付近に位置を変え、構造もシンプルにしました。
さらに、機首カウリングののりしろ周辺を、別に手がけたテキサン/ハーバードシリーズと同じ構造にして強度を高めました。
最後に、二つの翼端フロートに脱落防止フックを追加しました。
標準塗装

PDFファイル:Type2_FSeaplane.pdf
※ダウンロード時のご注意
後期標準迷彩

PDFファイル:Type2_FSeaplane_green.pdf
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作り方
機体は零戦21型とほぼ同じです。詳細は零戦21型の「
作り方」をご参照ください。
フロート関連の相違点のみ記します。
(機体)
- 主翼
- 胴体内側 主軸
- 機首内側 主軸補強
- 胴体内側 主翼取付け部
- 胴体左側面
- 胴体右側面
- 機首外側 主軸補強
- 機首おもり
- 機首カウリング
- 機首カウリング下部
- 水平尾翼
- 垂直尾翼
- 主翼下面 補強
- 機首おもり先端
(フロート)

- メインフロート内側補強
点線に沿って二つ折りにして貼り合わせる。
- メインフロート
まず、印刷されていないフロートの裏面に、エッジと影の色を色鉛筆のぐんじょう色と青色で、
表面の線を透かして見ながら描き込む。
次に上部の点線に沿って折る。
最後に(15)メインフロート内側補強を、メインフロート前半分の内側に折り線に沿って貼り付け、
その後、メインフロートの両面を貼り合わせる。
- メインフロート支柱内側補強
点線に沿って二つ折りにするが、まだ貼り合わせない。
- メインフロート支柱
まず、2本の細い支柱を点線に沿って二つ折りにして貼り合わせ、
(19)胴体下部とののりしろを、点線に沿って折る。
次に三角形の太い支柱を点線に沿って二つ折りにし、胴体下部とののりしろを点線に沿って折る。
最後に(17)メインフロート支柱内側補強を、メインフロート支柱前縁の内側に、下端を揃えて貼り付ける。
その後、メインフロート支柱の両面を貼り合わせながら、
(16)メインフロートの点線に沿って、はさむように貼り付ける。
- 胴体下部
まず、胴体下部の中央に主翼の上反角に合わせて折り目をつける。
そこにメインフロート支柱ののりしろを貼り付ける。
- 胴体下部 装着部
まず、胴体下部 装着部の中央の点線に沿って、主翼の上反角に合わせて折り目をつける。
続けて胴体下部の形に合わせて、外側の点線に沿って折る。
胴体下部 装着部の中央のすき間に沿って、(18)メインフロート支柱と(19)胴体下部がぴったり収まり、
それがスムーズにスライドできることを確かめる。
最後に胴体下部 装着部の前部カバーをスライド部にかぶせ、貼り合わせる。
- 翼端フロート
印刷されていないフロートの裏面に、エッジと影の色を色鉛筆のぐんじょう色と青色で、
表面の線を透かして見ながら描き込む。
- 翼端フロート支柱
まず、点線に沿って二つ折りにする。
次に(21)翼端フロートをのりしろではさみ、翼端フロートの前部を上方に傾けて貼り合わせる。
最後に翼端フロート上部を点線に沿って折る。
- 翼端フロート支柱 装着部
まず、点線に沿って三つ折りにして貼り合わせる。
次に(22)翼端フロート支柱が、この装着部にぴったり収まり、それがスライドできることを確かめる。
そのまま翼端フロート支柱 装着部を、(1)主翼下面の2枚重ねの部分の両端に貼り付ける。
その際、翼端フロートが胴体と平行になるように、装着部の向きを調整する。
(運搬台車)


- 運搬台車 機体支柱
まず、点線に沿って二つ折りにして貼り合わせる。
続けて点線に沿って縦長の「ロ」の字に折る。
これを左右一対になるように二つの「ロ」の字を作る。
メインフロート支柱を左右からはさむようにして支える。
- 運搬台車
まず、点線に沿って二つ折りにして貼り合わせる。
続けて点線に沿って「くロ」の字に折り、平らに置いて両端ののりしろを貼り合わせる。
最後に運搬台車の車輪の内側に(24)運搬台車 機体支柱を立てて貼り合わせる。
(ディテールアップ)
- 機首 空気取入口
- 搭乗員・救命胴衣
飛ばし方
零戦21型と同じです。詳細は零戦21型の「
飛ばし方」をご参照ください。
このプロフィール機についての補足説明:
- テスト飛行
まず、全てのフロートを外した状態で、機体だけでまっすぐ飛ぶように調整する。
次にメインフロートだけをつり下げて、飛び方がどう変わったかを確かめながら、メインフロートを中心に調整する。
最後に翼端フロートも付けて飛ばしてみる。
- メインフロート
着地のショックで変形しやすく、面積が大きく、飛行性能への影響が大きい。
飛ばすたびにチェックし、もし曲がっていれば、胴体に沿ってまっすぐになるように直す。
メインフロートは、とくに先端が曲がったまま飛ばすと、
曲がった側の主翼周辺の気流を乱し、揚力が減り、抗力が増え、左右の空力的なバランスが崩れるため、
曲がった側へヨーイングしながら鋭くローリングして墜落してしまう。
メインフロートが折れ、まっすぐに戻せなくなってしまったら、
そのフロートを外して飛ばすか、新たに作り直すとよい。
- 翼端フロート
こちらも飛ばすたびに、胴体に沿ってまっすぐであることをチェックし、もし曲がっていれば直す。
面積が小さく、主翼のかげに隠れてダメージを受けにくいため、細い見かけによらず傷みにくい。
飛行性能への影響も小さいため、メインフロートほど慎重に調整しなくてもよく飛ぶ。
もし細い支柱が折れ、飛行中にフロートが揺れようであれば、
そのフロートを外して飛ばすか、新たに作り直すとよい。
プロフィール機データ
- スケール:1/72
- 全長:13.5 cm
- 全幅:17.0 cm
- 全高:5.4 cm
- 重量:2.7 g
- 主翼面積:44 cm2
- 翼面荷重:0.06 g/cm2
- 用紙:普通紙 両面厚口 A4サイズ コピー用紙
- 重心の位置:翼弦長の前縁から55%〜60%
- 上反角:10度〜15度

重量計測には、吉田英一さんの「切り抜く科学工作シリーズ」より「
精密天秤 やじろべえ01(ゼロワン)
」を使わせて頂きました。
(完成 2025年5月24日)
(改修 2025年6月30日 のりしろ縮小)
(改修 2025年12月20日 胴体後部の短縮、運搬台車の改修、全体的な手直し)