1/72プロフィール紙飛行機
零戦21型
標準塗装/ラバウル迷彩




設計コンセプト
このサイトのプロフィール紙飛行機は、プラモデルでおなじみの1/72スケールで統一しています。
紙飛行機としてはやや小型であり、自ずと小型軽量な機体になります。
本シリーズは室内で手投げ発進し、ゆっくりと滑空できるように、高い滞空性能を追求しています。
一方で、飛ばすだけでなく、眺めて楽しめる模型としての表現にもこだわっています。
- なるべく実機のシルエットを保つため、水平尾翼まわり以外は、
1/72スケールの実機形状や大きさを、基本的に変えない。
- また、本シリーズ独自の試みとして、機首カウリングとプロペラスピナーを立体化する。
空力面や構造面と、模型としての表現力の両立を図っている。
- さらに、ディスプレイスタンドとして脚まわりを作るなど、
簡単なペーパークラフトとしても楽しむことができる。
空力設計
紙飛行機が飛ぶ原理や、安定性のしくみなどは
「
紙飛行機のはなし」をご参照ください。
ここでは、本シリーズの設計に共通する考え方をご説明します。
空力面では、実機のシルエットを保ちながら高い滞空性能を得るため、
主翼だけでなく水平尾翼にも上向き揚力を分担させ、機体重量を支える「揚力尾翼」方式としています。
また、飛ばしやすさを考え、目標とする水平尾翼容積比を、およそKh=0.8~0.9としています。
その設計プロセスは、二宮康明氏の著作「日本で生まれ育った高性能紙飛行機」を参考にしています。
まず、図面上での水平尾翼容積比や重心位置の検討から始まり、実際に機体を作った後、
テスト飛行をして、翼のキャンバーや重心位置を調整し、完成します。
構造設計
まず、一般的なプロフィール機の特徴として、胴体が平面的です。
胴体の側面形と主翼の平面形は、ほぼ実機に合わせています。
さらに、1/72スケールの小さな紙飛行機としては、軽量化が重要になります。
そのため本シリーズでは、紙の折り目を積極的に利用して、翼や胴体の強度を確保し、紙の貼り重ねを最小限に抑えています。
また、飛行性能と鑑賞性を両立するため、例えば固定脚などは、同一の機体でも場面に応じて2種類を使い分けます。
飛ばす時に使うものは、翼につり下げるだけの、ぎりぎりの強度で軽くします。
展示用には、機体を下から支えるように、十分な強度を持たせます。
機体は、これらの部品を交換可能な構造とします。
零戦21型プロフィール機の設計
零戦は、空力と構造の両面で航空機が大きく進歩した、1930年代を代表する傑作機の一つです。
そのプロフィール機からも構成がシンプルで、無駄を省いた機能美や、高い飛行性能が伝わってきます。
そこで零戦21型を例に、プロフィール機の設計について解説いたします。

主翼
主翼は実機と同じ平面形です。翼断面を「へ」の字に折り曲げてキャンバーを付け、
空力面では揚力を得るだけでなく、構造面では折り目によって主翼の曲げ剛性を高めています。
「へ」の字の頂点は、翼弦長の前縁から40%の位置とし、高さは翼弦長の3%としました。
- キャンバー=翼断面の上にふくらんだ湾曲
- 翼弦長=主翼の前縁から後縁までの長さ

また、主翼の上反角は実機より大きめにとり、ローリングや横滑りに対する安定性を高めました。
主翼の取付角度は、組立て時はゼロです。
- 上反角=主翼の付け根から翼端に向かって上がる角度
- ローリング=機体の左右の傾き
- 取付角度=胴体の基準線に対する角度


水平尾翼
水平尾翼も実機と同じ平面形を基本としながら、紙飛行機として必要なピッチング安定性と、
揚力尾翼による高い滞空性能を得られるように設計しました。
空力面では揚力尾翼として、主翼とともに機体重量を支えます。
まず、水平尾翼面積は主翼面積の33%まで拡大しました。
さらに、二宮康明氏の著作「日本で生まれ育った高性能紙飛行機」の計算式から、
水平尾翼容積比 Kh=0.8~0.9とするために必要なモーメントアームを算出し、その位置に水平尾翼を配置します。
それに合わせて胴体も伸ばしています。
重心位置は、同書の最適な重心位置を求めるグラフから、主翼の空力平均翼弦の前縁からの重心位置 CG%を求めます。
もう一つの方法として、主翼と水平尾翼の空力中心から全機空力中心を算出し、
その10%前方を重心位置とします。どちらの方法でも同じ重心位置が得られます。
本機は、水平尾翼容積比 Kh=0.81、主翼の空力平均翼弦の前縁からの重心位置 CG%=60%となりました。
構造面では、水平尾翼は紙一枚のみの、軽い構造としています。
そのため、折り目によって主翼の曲げ剛性を高めたとしても、紙の種類にもよりますが、
水平尾翼面積を拡大できる上限は、左右の幅が最大10 cmまでとなります。
主翼と水平尾翼の取付角度は、組立て時はともにゼロですが、
テスト飛行時に水平尾翼の前縁を少しねじり下げることで、水平尾翼の迎角を主翼よりも小さくします。
垂直尾翼
垂直尾翼は実機と同じ平面形です。そのままでも拡大後の水平尾翼面積の1/4が確保され、
紙飛行機として必要な方向安定性を備えています。
胴体
プロフィール機の胴体は、機体全体の骨格として機能します。
空力面では、零戦らしい空気抵抗の少ない側面形を、そのまま用います。
構造面では、胴体は軽量化のため、できるだけ薄い構造にしました。
機首から水平尾翼前縁にかけて、胴体の中心に棒状の主軸を通すことで全体の強度を保っています。
その主軸を左右から紙一枚ずつではさみ込むことで、実機の側面形を表現しています。
機首カウリングとプロペラスピナー
本機では、空冷星型エンジンのプロペラ機の特徴である、円形の機首カウリングとプロペラスピナーは立体化しました。
機首の空気抵抗が増えるため、本来は平面的な構造にすべきですが、
視線が集まる機首まわりは、わずかな立体表現でも、実機らしさを効果的に高めることができます。

立体化した機首カウリングは、空気抵抗を抑えるため、内部は中空になっています。
紙は薄く細かいカウルフラップの表現に適した素材です。
ほんの少し開いた状態とすることで、空力面では機首カウリング自体にも風見安定性が備わります。
また、模型としても「生きた機械」の生命感を表現できます。

実機では機首に重いエンジンがあるため、主翼中央で重心が合います。
しかし、紙飛行機にはエンジンがないため、そのままでは後ろが重くなります。
単に機首におもりを増やすだけでは、機体重量が重くなり過ぎてしまいます。
そこで飛ばす時だけ、機首おもりを前方へスライドして引き出すからくりにしました。
「てこの原理」により、最小限のおもりでバランスがとれるだけでなく、
着地のショックを和らげ、立体化した機首カウリングの破損を防いでくれます。
飛ばさない時は機首おもりをカウリング内に収め、スケール感を損なうことなく飾ることができます。

主脚
ディスプレイスタンドとして、主脚と落下増槽も作りました。機体を乗せてプラモデルのように飾ることもできます。
胴体側タイヤカバーや空気取入口など、カウリング周辺をディテールアップしています。
紙飛行機として飛ばし、スケールモデルとして眺める。
飛行性能と見た目のさじ加減こそが、プロフィール機の設計の面白いところでもあります。
(改修 2025年6月20日)
軽量化のため、各部ののりしろを3ミリの幅に縮めました。
(改修 2025年12月15日)
この零戦シリーズは最初に手がけたもので、まだ作りが粗かった3つの部分を手直ししました。
まず、水平尾翼の拡大により後退していた垂直尾翼の取付け位置を5ミリ前進させ、
長くなっていた胴体後半も、実機と同じくらいの長さに戻しました。
また、ディスプレイスタンドとしての主脚は、主翼の上反角が10度の時に適正な長さとなるように短縮しつつ、
三つ折りにして貼り合わせ、補強しました。最後に、機首カウリングののりしろ周辺を、
別に手がけたテキサン/ハーバードシリーズと同じ構造にして強度を高めました。
実機について
零戦は1939年に初飛行し、1940年の日中戦争での初陣から1945年の太平洋戦争終結まで、
日本海軍の主力戦闘機として第一線で戦い続けました。
初期の主力である零戦21型が誇った卓越した旋回性能と長大な航続距離は、徹底的な軽量化によって生まれたものです。
しかしその代償として、防弾装備は最小限にとどめられ、
制限速度も低く抑えられるという厳しいトレードオフを抱えていました。
零戦における強さと脆さは、表裏一体だったのです。
1941年から1942年の緒戦において、零戦は連合軍の戦闘機に対して大きな優位を示します。
その背景には二つの要因がありました。まず、高性能な機体を自在に操るベテラン搭乗員たちの存在。
そして、開戦時の戦略的奇襲と、日本軍が作戦地域に航空戦力を集中できたことです。
零戦は、その旋回性能と航続距離を活かし、緒戦における日本軍の航空優勢の象徴となりました。
PDF図面
標準塗装

PDFファイル:Zero21.pdf
※ダウンロード時のご注意
ラバウル迷彩

PDFファイル:Zero21_Rabaul.pdf
※ダウンロード時のご注意
図面は表計算ソフトのExcelで描いています。図形描画機能のフリーフォームで描いた図形をたくさん積み重ね、
部品ごとにグループ化して仕上げました。
このサイトでは、紙の曲がりに対して強い方向である「紙の目」を縦目(T目)=コピー用紙の長辺方向として、
機体の前後方向、または主翼の左右方向を合わせています。
印刷する紙は、A4サイズの普通紙で、厚さが「両面印刷用」や「両面厚口」と表示されているコピー用紙がおすすめです。
PDFファイルの印刷時は、A4サイズの「横向き」を指定してください。
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作り方
このプロフィール機の部品は、機体用の部品(1)~(14)、
ディスプレイスタンド用の部品(15)~(21)、ディテールアップ用の部品(22)~(24)で構成されています。
部品ごとに順番に切り出し、折ったり貼り合わせ加工した後、それらを組み合わせて仕上げます。
(機体)
作業工程は大まかに主翼パートと胴体パートの2つに分かれる。
まず主翼パート(1)から始め、次に胴体パート(2)~(12)を仕上げた後、
再び主翼に戻ってキャンバーと上反角をつけ、最後に主翼を胴体に貼り付けて完成する。
- 主翼
はじめに、主翼前縁から突き出た部分を主翼下面の方へ折り、貼り合わせる。
いったん主翼を平らに置いて、のりをよく乾燥させる。
※その間に(2)胴体内側 主軸~(12)垂直尾翼まで進んだ後、再び(1)主翼に戻り、
以下のキャンバーと上反角をつける。
まず、主翼が歪んでいないことを確認し、主翼中央の青い実線に切れ目を入れる。

次にキャンバーをつける。裏返した主翼下面の後縁をガイドに、定規をあてて弱い折り目をつける。
「へ」の字のキャンバーの高さは翼弦長の3%で1.2ミリをめやすに、左右均等に整える。
主翼キャンバーが高過ぎると、主翼の揚力が水平尾翼の揚力に比べて過大になり、機首おもりを重くする必要がある。
また、空気抵抗も増えるため速度が低下し、左右均等でなければ直進せず、さらに飛行性能が低下する。
最後に、主翼中央の点線に沿って上反角を付ける。
上反角のめやすは、実機のイメージに合わせて最低限、翼端がキャノピーと同じくらいの高さになる10度とするが、
紙飛行機のローリング安定性のためには、これよりも大きい15度ぐらいが望ましい。
※(13)主翼下面 補強へ進む。
※以下、(1)主翼ののりを乾燥させている間に作る、胴体パート。

- 胴体内側 主軸
点線に沿って二つ折りにして貼り合わせる。
- 機首内側 主軸補強
点線に沿って三つ折りにして貼り合わせた後、中央の点線で二つ折りにする。
(2)胴体内側 主軸の先端をおおうように、補強として貼り付ける。
- 胴体内側 主翼取付け部
点線に沿って二つ折りにして貼り合わせる。直線の側を上、主翼キャンバーに沿って細くなる側を下にする。
- 胴体左側面
機首の上下のカウリングのりしろと、中ほどの胴体のりしろとの間にある、2本の青い実線に切れ目を入れた後、
点線に沿って折り目をつける。
主翼のりしろ中ほどの青い実線に切れ目を入れた後、
主翼のりしろを「へ」の字のキャンバーに沿って外側に向かって折り目をつける。
水平尾翼のりしろを、外側に向かって折り目をつける。
(2)胴体内側 主軸と(4)胴体内側 主翼取付け部を、
のりしろに干渉しないように、仮組みしてから貼り付ける。
(貼り付ける位置)
- (2)胴体内側 主軸:胴体先端から水平尾翼のりしろ折り目までを結ぶ線
- (4)胴体内側 主翼取付け部:胴体の主翼のりしろのキャンバー前半分の折り目に沿った線。
上下の向きに注意。
- 胴体右側面
機首の2本の点線に沿って折り目をつける。
主翼のりしろ中ほどの青い実線に切れ目を入れた後、
主翼のりしろを「へ」の字のキャンバーに沿って外側に向かって折り目をつける。
水平尾翼のりしろを、外側に向かって折り目をつける。
(5)胴体左側と左右対称になるように、仮組みしてから貼り合わせる。
その際、(12)垂直尾翼を挿し込む後端部にはのりを付けないようにする。
(5)胴体左側の機首中ほどののりしろを、(6)胴体右側へ回り込むように貼り付ける。
- 機首外側 主軸補強
点線に沿って三つ折りにして貼り合わせた後、中央の点線で二つ折りにする。
(5)(6)胴体左右の先端をおおうように、補強として貼り付ける。

- 機首おもり
黒いプロペラシャフトと白いプロペラスピナーが一体になっており、飛行時の重心を合わせるおもりの機能がある。
プロペラシャフトを(2)胴体内側 主軸の太さに合わせて丸め、ほどけないように貼り合わせる。
プロペラシャフトをスライドししやすく、かつ着地のショックですぐ外れないように、きつさを調節する。
調整方法は、プロペラシャフトの内側に貼り足す方法と、機首主軸にテープを巻き付ける方法の二通りがある。
プロペラスピナーは巻き付けてテープで仮止めしておき、テスト飛行でおもりの重さが決まってから貼り合わせる。
- 機首カウリング
点線に沿って内側に折り、貼り合わせる。
あらかじめカウリング内側の余白は黒く塗りつぶし、紙の白い切り口も黒くリタッチすると美しく仕上がる。
スティックのりの曲面などを使って、丸く曲げぐせを付ける。


- 機首カウリング 下部
丸めた(9)機首カウリングに、(10)機首カウリング下部を貼り付けてつなぎ合わせる。
その際、機首カウリング下部の点線から先の部分は、貼り付けずに残しておき、前方へ出したままにする。
重要:カウルフラップの加工
機首カウリング後端のカウルフラップ分割線に沿って、丁寧に切れ込みを入れる。
さらに、カウルフラップを一枚ずつ、後縁を外側にわずかに起こして開く。
ポイントは、すべてのカウルフラップの開き具合を、均等に調節すること。
ここが不揃いだと目立ち、実機らしいイメージを損なってしまう。
(9)機首カウリングを(5)(6)胴体左右の機首上下のりしろに貼り付ける。
残しておいた(10)機首カウリング下部の点線から先を、
(5)(6)胴体左右の機首下のりしろに、かぶせるように貼り付ける。
細かい部分の貼り付けには、マイナスドライバーの先端を使ってのりを塗り、
手芸用の小さい丸型ペンチで押さえると作りやすい。
- 水平尾翼
まず、(5)(6)胴体左右の水平尾翼のりしろの凹凸を、はさみの刃など固い道具でつぶし、平らにならす。
次に胴体が曲がったり、ねじれていないか確認し、まっすぐに直す。
水平尾翼を中心線に沿って水平に貼り付ける。

- 垂直尾翼
まず、印刷されていない垂直尾翼の裏面に、方向舵の線を表面の線を透かして見ながら描き込み、
ラバウル迷彩を淡い緑色で周囲に余白を残しながら塗る。
次に垂直尾翼のりしろを左右交互に折る。
垂直尾翼の前端と後端を、(5)(6)胴体左右の貼り合わせずに残しておいた部分に挿し込み、貼り合わせる。
垂直尾翼を挿し込む後端部には、マイナスドライバーの先端を使ってのりを塗ると美しく仕上がる。
垂直尾翼のりしろを、(11)水平尾翼の中心線に沿って、垂直に貼り付ける。
※ここまでで胴体パートは完成。再び(1)主翼に戻り、キャンバーと上反角をつける。
その後、(13)主翼下面 補強へ進み、最後に主翼を(5)(6)胴体左右に貼り付ける。
- 主翼下面 補強
まず、細長い部分を点線に沿って二つ折りにし、
主翼下面の左右に開いたキャンバー前半分を埋めるように、三角形にカットする。
次に三角形の部分と主翼下面 補強を重ね合わせ、主翼下面に貼り付ける。
この時点でキャンバーと上反角が固定され、変更はきかなくなる。


主翼に上反角をつける準備として、
(5)(6)胴体左右の主翼のりしろの凹凸を、はさみの刃など固い道具でつぶし、平らにならす。
最後に主翼を(5)(6)胴体左右に貼り付ける。
主翼の中心線が胴体に沿って、かつ主翼キャンバーの折り目が胴体と直交するように、
左右均等に貼り付ける。
- 機首おもり先端
テスト飛行でおもりの重さが決まってから、テープで仮止めしていた(8)機首おもりを貼り合わせる。
次におもり先端を貼り付け、余った部分をはさみで切り取る。
着地のショックで傷みやすいので、2枚重ねにして補強する。
(ディスプレイスタンド)

- 胴体下部
外側の点線に沿って上方に折り、主翼下面のキャンバーにフィットさせた後、
中央の点線に沿って上反角に合わせて折り目をつける。
- 左右主脚
点線に沿って三つ折りにして貼り合わせた後、外側の点線で下方へ折る。
中央の点線で上反角に合わせて折り目をつけ、「M」字に整える。
(15)胴体下部の点線に沿って貼り付ける。
- 落下増槽
左右を貼り合わせた後、(15)胴体下部の点線に沿って貼り付ける。
- 胴体側タイヤカバー
左右タイヤカバーの根元に折り目をつけた後、中央に上反角に合わせて折り目をつけ、「M」字に整える。
(15)胴体下部に貼り付けた(16)左右主脚の中央に重ねて貼り付ける。
- 主脚カバー右側
主脚基部の小カバーを点線に沿って外側に折り、主脚カバー本体を(16)左右主脚の右外側に貼り付ける。
- 主脚カバー左側
主脚基部の小カバーを点線に沿って外側に折り、主脚カバー本体を(16)左右主脚の左外側に貼り付ける。
- 左右タイヤ内側
(16)左右主脚の左右タイヤ内側に貼り付ける。
(ディテールアップ)
- 胴体 空気取入口
この部品は印刷面が内側になり、扇形の広い方が前方、とがった方が後方になる。
空気取入口の後方の小さな三角形ののりしろを内側に折る。
空気取入口の中ほどの、青い実線に切れ目を入れる。
縦に半分に割った釣鐘型になるように半円形に丸め、内側の重なった部分を貼り合わせる。
空気取入口の後方ののりしろを(15)胴体下部の先端に貼り付ける。
細かい部分の貼り付けには、マイナスドライバーの先端を使ってのりを塗ると作りやすい。
- 機首 空気取入口
点線に沿って折り目をつけ、四角く貼り合わせた後、
(9)機首カウリング内側、(10)機首カウリング下部の上に貼り付ける。
- 搭乗員・救命胴衣
搭乗員前面の足元は、ブーツ外側の縦の線に切れ目を入れ、地面ののりしろとする。
搭乗員が自立するように、前面と背面の足元を点線に沿って折り、地面とする。
搭乗員前面、背面を貼り合わせる。
お好みで救命胴衣の前面と背面を搭乗員に貼り付ける。
肩と股のベルトの線が体にフィットするように調整する。
紙の白い切り口を茶色の色鉛筆でリタッチすると美しく仕上がる。

飛ばし方
まず、基本的な考え方は「紙飛行機のはなし」より
紙飛行機の飛ばし方をご参照ください。

このプロフィール機についての補足説明:
- 機首おもりと重心調整
(8)機首おもりを前後にスライドして出し入れする際は、
カウリング直後の、補強された胴体部分を保持する。
胴体の日の丸付近は補強されていないため、ここで保持すると胴体がねじれ、折れてしまう。
テスト飛行前、(8)機首おもりを1cmほど前方へスライドして引き出し、
重心の調整をする。
この零戦シリーズの場合、主翼の空力平均翼弦の前縁から55%~60%の位置で重心のバランスをとる。
テスト飛行時の飛び方を観察し、(8)機首おもりの巻き付ける量でおもりの重さを調整する。
- 主翼キャンバーと翼型の成形
主翼中央から翼端にむかって指でしごき、上方にカーブした主翼キャンバーの形を整える。
親指は主翼下面から、人差し指と中指は主翼上面から、3本の指で軽くはさみ、
主翼中央から翼端にむかってシュッシュッと何回も指でしごく。
主翼キャンバーの折り目を頂点とするなめらかな曲面を、左右均等に整える。
翼端失速を防ぐため、翼端の前縁をわずかにねじり下げる。
- 揚力尾翼とテスト飛行
第一段階:
テスト飛行の第一段階では、水平尾翼にキャンバーをつけず、飛び方を観察する。
ゆっくり手投げ発進し、わずかに機首上げ気味に滑空し、失速や大きな上下動がないように調整する。
第二段階:
第二段階では、水平尾翼にキャンバーを少しつけ、揚力を発生させる。
本機では水平尾翼も上向きの揚力を発生させる。
水平尾翼は重心より後方になるため、その揚力は機首下げモーメントとして作用する。
「主翼揚力<尾翼揚力」になると機首下げ
水平尾翼の前縁を少しねじり下げ、水平尾翼の迎角を小さくする。
それでも機首から突っ込む場合は、水平尾翼の後縁を少しねじり上げ、キャンバーを平たくする。
「主翼揚力>尾翼揚力」になると機首上げ
上記とは逆に、機首上げが収まらない場合は、
主翼の「へ」の字キャンバーの頂点を軽く押さえてキャンバーを平たくするか、
主翼前縁を少しねじり下げて迎角を小さくする。
それでも改善しない場合は、水平尾翼の後縁を少しねじり下げ、キャンバーを強くする。
重心位置の調整:
本シリーズは、主翼と水平尾翼の両方で揚力を発生させる「揚力尾翼」方式である。
そのため、全機空力中心は一般的な模型飛行機より後方にあり、適正重心位置も後方となる。
零戦シリーズでは、主翼の空力平均翼弦の前縁から55%~60%付近を重心位置のめやすとする。
水平尾翼にキャンバーをつけた後、機首おもりの位置を少しずつ後方へ移しながら、飛行姿勢を観察する。
一定の降下角で滑空できる、できるだけ後方の重心位置を探る。
適正な重心位置が得られたら、機首おもりの巻き付け量を減らして軽量化する。重心位置を維持したまま
機体重量を減らすことで、より良い滞空性能が得られる。
調整が適切に行われると、第一段階よりも強く機体が浮揚する手応えを得られるようになる。
第三段階:
第三段階では、手投げ発進時の速度を上げる。
腰を落とした姿勢から、機体を外側に約45度傾け、やや上向きに勢いよく投げる。
機体を傾けて投げると、上反角効果によって、旋回しながら少しずつ水平姿勢へ戻るため、急上昇や失速を回避できる。
機体が天井付近まで上昇後も失速せず、なめらかに滑空へ移り、
部屋の反対側のカーテンレールまで安定して飛行できれば、室内でのテスト飛行は完了となる。
軽量化のポイント
もっとよく飛ばすために、丈夫すぎる部分は思いきって軽くしてみましょう。
- まず、水平尾翼を実機のイメージを保てる範囲内で、できるだけ大きく設計する。
主翼と水平尾翼の空力中心を合わせた、全機空力中心と重心が後方へ下がる分、
機首おもりを減らすことができるため、翼面荷重が下がる。
- 水平尾翼を拡大する際、できるだけ本来の全長の範囲内に収まるように設計し、
尾部が長く重くならないようにする。
- 主翼や水平尾翼の、のりしろの幅を縮める。
この機体は2025年6月に各部のりしろの幅を3ミリに縮小している。
加工しにくい場合は、いったん大きめに切り出し、
のり付け直前に本来の大きさに整えると作りやすい。
- 機首カウリング前縁を補強するための、折り返しの幅を狭める。
- 左右胴体側面を薄手のコピー用紙に置き換える。
とくに胴体中心の主軸より上の、キャノピー前端から水平尾翼前端にかけて、軽量化の余地がある。
- 新鮮なのりを最小限だけ塗る。古い劣化したのりを厚塗りすると重くなる。
補強のポイント
軽量化を追求しつつ、飛ばしていると傷みやすい部分のみ補強します。
補強材を切り出す際は、紙の曲がりに対して強い方向、「紙の目」を機体の前後方向、または主翼の左右方向に合わせます。
このサイトでは紙の目を縦目(T目)=コピー用紙の長辺方向としています。
- 手投げ発進時に指でつまむ胴体の日の丸付近は、
着地時のショックで、機体後半の荷重がかかる部分でもあるため、曲がりやすい。
二つ折りにした補強材を、左右胴体側面の内側、(2)胴体内側 補強に沿って、
あらかじめ貼り付けておくと、強度が増す。
九七艦攻のように、主翼と胴体をつなぐ大きなフィレットを持つ機種は、
それが補強材となり、はじめから十分な強度を得られている。
- 主翼と胴体をしっかり固定するため、あらかじめ(4)胴体内側 主翼取付け部を二重に貼り重ね、厚みを増す。
あるいは「L」字に折った補強材を、主翼のりしろの上から重ねて貼り付ける。
設計データ
零戦21型 プロフィール紙飛行機
- スケール
- 1/72
- 全長
- 13.7 cm
- 全幅
- 17.0 cm
- 全高
- 3.0 cm
- 重量 (W)
- 2.4 g
- 用紙
- 普通紙 両面厚口 A4サイズ コピー用紙
- 主翼面積 (Sm)
- 43.6 cm2
- 水平尾翼面積 (Sh)
- 14.6 cm2
- 主翼の平均翼弦長 (MAC)
- 3.0 cm
- モーメントアーム長 (L)
- 7.1 cm
- 翼面荷重 (W/Sm)
- 0.05 g/cm2
- 水平尾翼容積比 (Kh)
- 0.81
- 重心位置
- 主翼の空力平均翼弦の55%~60%
- 上反角
- 10度~15度
飛行データ
上昇気流、地面効果、旋回によるロスといった外部要因を排除した、
室内での一定の高さと直線距離の空間における、定常滑空テストの実測データです。
- テスト環境
無風の室内での、高さ2.0 mから0.5 mまで、水平直線距離5.0 mの空間。
- 計測方法
毎回、機体を再調整し、高さ2.0 mから、一定の速度と降下角で定常滑空させる。
5 m先の高さ1.9 m、幅2 mのカーテンにタッチするまで、
デジカメ動画の解析にて、ベストコンディションの飛行データを複数回サンプリングし、その平均値を採用。
- 区間通過時間
- 1.9 秒
- 沈下率
- 0.53 m/s
- 滑空比
- 1:5.0

重量計測には、吉田英一さんの「切り抜く科学工作シリーズ」より「
精密天秤 やじろべえ01(ゼロワン)
」を使わせて頂きました。

試作1号機から作った全機を航空母艦の飛行甲板に並べました。
このページの飛行甲板は「
紙模型工房
」さんの「大日本帝国海軍航空母艦・飛行甲板 1/144スケール」を拡大して使わせて頂きました。
(完成 2025年4月24日)
(改修 2025年6月20日 のりしろ縮小)
(改修 2025年12月15日 胴体後部の短縮、主脚の補強、全体的な手直し)