1/72プロフィール紙飛行機
九七艦攻
保安塗粧/標準塗装/空母 赤城 搭載機





実機について
1930年代後半は、世界の航空技術が劇的な進歩を遂げた時代でした。
先代の九六艦攻までは古風な木製布張りの複葉機でしたが、
1937年に初飛行した九七艦攻は、滑らかな光沢も美しい全金属製、低翼単葉、油圧式引込み脚を備えた、
先進的な航空機に生まれ変わりました。
九六陸攻、九六艦戦と並び、日本の航空技術が一気に世界トップレベルにまで飛躍した象徴といえます。
当時のエンジンはまだ非力だったため、重装備でも空母の短い飛行甲板から飛び立てるように、長大な主翼を備えました。
それがスマートな胴体とよく調和し、見る者に白鳥のような優雅な印象を与えました。
1941年12月8日のハワイ真珠湾攻撃において、800キロの爆弾または魚雷を搭載した九七艦攻は、戦艦4隻を撃沈しました。
続く1942年も、5月の珊瑚海海戦でのレキシントン、6月のミッドウェー海戦でのヨークタウン、
さらに10月の南太平洋海戦でのホーネットと、米正規空母を次々と撃沈に至らしめる戦果を上げました。
このハワイ真珠湾攻撃における九七艦攻の活躍は、映画「トラ・トラ・トラ!」でも鮮やかに描かれています。
しかし、敵戦闘機と対空砲火に身を晒しながら、低空を敵艦に向かって突撃する雷撃機の生還率は極めて低いものでした。
激戦の中で多くのベテラン搭乗員が失われ、白鳥のような優雅な九七艦攻の威力も衰えました。
そして後継機の天山艦攻の就役とともに、対潜哨戒の任務へと静かに退いたのです。
設計
機体の構成は、先に手がけたテキサン改造 九七艦攻とほぼ同じです。
外形を九七艦攻の本来の形に合わせて新たに作り直しました。


長大な主翼に対する水平尾翼は、実機では主翼面積の15%しかありませんが、このプロフィール機では33%まで拡大しました。
水平尾翼の大きさを決める際は、紙飛行機として必要なピッチング安定性を保てること、
軽さと強度のバランス、実機のイメージを保てること、といった条件を考えます。
まず、目標とする水平尾翼容積比を、先に手がけた零戦 Kh=0.81とテキサン Kh=0.93の中間の Kh=0.85と決めます。
水平尾翼まわり以外の、機首から主翼、コックピット、胴体にかけては、1/72スケールのまま変えません。
次に、紙一枚の軽い構造の制約から、水平尾翼の左右の幅が最大10 cmになるまで拡大し、その面積を測ります。
最後に、二宮康明氏の著作「日本で生まれ育った高性能紙飛行機」の計算式より、
水平尾翼容積比 Kh=0.85とするために必要なモーメントアームを算出し、その位置に水平尾翼を配置します。
同じく最適な重心位置を求めるグラフより、主翼の空力平均翼弦の前縁からの重心位置 CG%=65%がわかります。
1/72スケールでも機体サイズが大きく、細長い航空魚雷も付いていますので、
この機体の図面をA4コピー用紙一枚に収めるのには苦労しました。機体の前後方向、または主翼の左右方向が、
紙の曲がりに対して強い方向である「紙の目」を縦目(T目)=コピー用紙の長辺方向に合うように、
配置を工夫しました。
(改修 2025年12月18日)
機首主軸の突き出る長さを、機首おもりの長さに合うように調整しました。
(改修 2026年8月9日)
水平尾翼容積比 Kh=0.85になるように設計を見直し、水平尾翼面積とモーメントアームを増やしました。
全機空力中心と重心が後退した分、機首おもりは減ったため、重量は変わりませんでした。
主翼と水平尾翼の揚力が増した分、翼面荷重は下がり、安定した穏やかな飛行特性になりました。
PDF図面
標準塗装

PDFファイル:Type97TB.pdf
※ダウンロード時のご注意
保安塗粧





PDFファイル:Type97TB_red.pdf
※ダウンロード時のご注意
空母 赤城 搭載機

PDFファイル:Type97TB_akagi.pdf
※ダウンロード時のご注意
印刷する紙は、A4サイズの普通紙で、厚さが「両面印刷用」や「両面厚口」と表示されているコピー用紙がおすすめです。
PDFファイルの印刷時は、A4サイズの「横向き」を指定してください。
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作り方
零戦21型とほぼ同じです。詳細は零戦21型の「
作り方」をご参照ください。
相違点のみ記します。
(機体)
- 主翼
中央翼と左右外翼にそれぞれキャンバーをつける。
点線に沿って左右外翼に上反角を付ける。
- 胴体内側 主軸
- 機首内側 主軸補強
- 胴体内側 主翼取付け部
- 胴体左側面
- 胴体右側面
- 機首外側 主軸補強
- 機首おもり
重心位置を主翼の空力平均翼弦の40%に調整するには、機首おもりは1本だけでは足りず、
1/4本分ほどの長さを追加する必要がある。
- 機首カウリング
- 機首カウリング下部
- 水平尾翼
細長く曲がりやすいため、折り目をつけて、まっすぐピンと張るように補強する。
中心線から左右に半分ほどの長さまで、主翼キャンバーと同様に浅く「へ」の字に折り目をつける。
折り目をつける場所は、昇降舵の線に合わせると目立たない。
水平尾翼を胴体に貼り付ける前に平らにのばす。
- 垂直尾翼
- 主翼下面 補強
点線に沿って上反角をつけ、中央翼と左右外翼のすき間をつなぐように、下面から貼り付ける。
- 主翼上面 補強
点線に沿って上反角をつけ、中央翼と左右外翼のすき間をつなぐように、上面から貼り付ける。
- 機首おもり先端
(ディスプレイスタンド)

- 胴体下部
- 左右主脚
中央翼は平らなので、零戦シリーズのように主脚の中央部に上反角はつけない。
中央の点線は折り線ではなく、中心線を示す。
- 左右タイヤ内側/外側
- 航空魚雷
- 魚雷安定尾翼
青い点線に沿って折り、(19)航空魚雷の下からかぶせるように貼り付ける。
(ディティールアップ)
- 胴体 空気取入口
- 左右主脚カバー
飛ばし方
零戦21型と同じです。詳細は零戦21型の「
飛ばし方」をご参照ください。

このプロフィール機についての補足説明:
- 主翼の工作と調整
大きな主翼の左右で揚力のバランスがとれるように、
ていねいに作って調整することで、飛び方が安定する。
(注意点)
- 主翼の迎角とキャンバー、左右外翼の上反角をひかえめにする。
- 主翼を胴体に貼り付ける際、水平尾翼、垂直尾翼を含む胴体に対し、
正確に直角、平行、水平となるように、いろいろな角度から眺めて確かめる。
- 主翼がぐらつかないように、主翼の根元から(4)胴体内側 主翼取付け部にしっかり貼り付ける。
- 翼端失速を防ぐため、左右外翼の翼端の前縁をねじり下げる。
- 水平尾翼の調整
水平尾翼の前縁をねじり下げ、迎角を主翼より小さくすると、
主翼より先に失速しないので、ピッチングの安定性が増す。
設計データ
九七艦攻 プロフィール紙飛行機
- スケール
- 1/72
- 全長
- 16.5 cm
- 全幅
- 22.0 cm
- 全高
- 3.5 cm
- 重量 (W)
- 3.0 g
- 用紙
- 普通紙 両面厚口 A4サイズ コピー用紙
- 主翼面積 (Sm)
- 71.6 cm2
- 水平尾翼面積 (Sh)
- 21.8 cm2
- 主翼の平均翼弦長 (MAC)
- 3.7 cm
- モーメントアーム長 (L)
- 9.1 cm
- 翼面荷重 (W/Sm)
- 0.04 g/cm2
- 水平尾翼容積比 (Kh)
- 0.85
- 重心位置
- 主翼の空力平均翼弦の60%~65%
- 上反角
- 約10度
飛行データ
室内での一定の高さと距離5 mにおける、定常滑空テストの実測データです。
テスト環境や計測方法は、零戦21型の「
飛行データ」をご参照ください。
- 区間通過時間
- 2.0 秒
- 沈下率
- 0.50 m/s
- 滑空比
- 1:5.0

重量計測には、吉田英一さんの「切り抜く科学工作シリーズ」より「
精密天秤 やじろべえ01(ゼロワン)
」を使わせて頂きました。
(完成 2025年11月27日)
(改修 2025年12月18日 機首主軸の長さの調整)
(改修 2026年8月9日 水平尾翼面積とモーメントアームの再設計)