木村朗国際関係論研究室
コラム・バックナンバー

Last Update :23:11 99/06/29

 
No.10 TITLE:[新ガイドラインの本質は、日米安保のNATO化] DATE:25 May 1999 10:45:58

新ガイドラインの本質は、日米安保のNATO化、「防衛型」安保から「攻撃型」安保への転換だ。関連法案の成立によって、日本は、憲法9条の全面否定につながる道、「専守防衛」原則の放棄と集団的自衛権の事実上の行使という新たな危険な段階に足を踏み入れた。戦後の日本の安全保障政策を決定的に変えるこのような重要な選択が、ほとんど実質的な論議を欠いた「国民不在」の形で行われたことに強い憤りと不安を覚える。また、「周辺事態」の際に、九州・沖縄が最も危険な「前線基地化」することは明らか。各自治体にとって今一番求められているのは、米軍の恣意的な軍事介入に追随する日本政府に対して、地域住民の生活・安全を守る観点から米軍を最優先する行き過ぎた軍事協力を毅然と拒否する姿勢を示す勇気を持つことだ。
                                木村 朗

(1999年5月25日付『南日本新聞』朝刊に一部掲載)
 

インデックス(平和コラム・バックナンバー)へ木村朗国際関係論研究室平和問題ゼミナール

CopyRight(C)1999, Akira Kimura. All rights reserved.
Composed by Katsuyoshi Kawano ( heiwa@ops.dti.ne.jp )