真空管アンプ キット




真空管アンプ

製作のきっかけ

パソコンを新しくしました。ほとんど全ての部品を新しくして、マザーボードはサウンドオンボードのものに なりました。ところがこのマザーボードにはアンプが載っていません。アンプをつながなければ。

ふと見ると、お気に入りのスピーカーを駆動している簡単アンプが。もっといいアンプで聴いてみたい

この簡単アンプをPCにゆずり、もっといいアンプを作ることにしました。

そういえば、作りかけの少し本格的なアンプがあるのですが、途中で挫折していて、 これまた作りかけの安定化両電源が完成するまで、製作を再開できそうもない。 なにしろ、ケースの加工に時間がかかるので、今回は簡単に作りたい。

ということで、キットの真空管アンプを作ることにしました。

真空管?

真空管など、使ったことがない。そういえば、音楽が好きな友人が「真空管アンプが欲しい。」と言っていた。 そのとき私は「あれは、切れるし高いから、手を出さない方がいいよ」なぁんて言ったのだが、その禁断の真空管に 手を出そうとしている。

いったいどれくらいで切れるものなのだろうか。真空管のいろいろなページを回っていると、長いもので30年などと 書いてあるページがあったが、どのくらい点けて30年もつのだろう。

あまり金をつぎ込みたくないので、2万円ほどでTU-870を購入。6BM8という真空管を使っていて、これは一本1000円くらいで 入手できるようなので、気楽に使えそうです。

組み立て

キットを組み立てるのは、何年ぶりだろう。部品が全部そろっていて、ケースにも穴があいていて、説明書までついているので 極楽です。

小分けにされた部品

電源トランスは、オーディオ用らしい形のものを使っていて、なかなか本格的です。こんな形のトランス、はじめて見ました。

メインは、なんと言っても真空管! ユーゴスラビア製らしいです。この国の製品を手にするのは初めてかも。 電圧増幅をする3極管と電流増幅をする5極管が一本に入っているので、左右各一本だけです。 この真空管を別の国で作られたものに交換するだけで音が変わるそうです。(<−−こうやって、はまっていくのでしょう、きっと。)

   内部の様子

じっくり楽しみながらゆっくり作って、3時間で完成。

視聴

さて、どの曲をかけようか。迷ったあげく、中島みゆきの「時代」にしました。

私は「真空管の時代」というものを知らないので、「昔のテレビはねぇ、真空管が暖まるまで映らなかったんだよ。」 なんて聞かされても、なんとも思わないのですが、横に転がっていたAGPのグラフィックカードと見比べると、 真空管とトランスと抵抗とコンデンサでできたアンプは、あきらかに回路の古さが漂っていて時代を感じます。

電源を入れると、ほんのりと真空管が光り始め、なんともいい雰囲気です。

第一印象は、「おお、いいぞ」。真空管アンプは「ほんのりとした音」と聞いていたのですが、このアンプは 高域がはっきりしているようです。前のアンプと比べると、全然音が違っていて、いいです。気に入りました。

その後

すっかり音楽づけになってしまって、部屋に居るときは聴いていないと、なんだか寂しいです。 すぐに電源を入れるのですが、真空管だけあって、電源を入れて30秒くらい経たないと音が出ないです。

電灯を消すと、あのほのかな真空管の光がいいです。なんとなく真空管を眺めるので、音楽をじっくり聴く時間も増えました。

今回は、製作というより組み立てでしたが、早速手を加えたくなってきました。「あのコンデンサを交換してみたい」




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