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電子工作を始めよう!! -6
電子ほたるの回路図
■回路図
回路図は、電子回路を表すためのものです。電子ほたるの回路図は、これです。
前回の部品配置図と比較して、同じ配線になっていることがわかるでしょうか?
回路図の一番上に3つ並んでいる記号は、電源を表しています。今回の回路では、電池を電源としているので、電池の+極に当たります。
回路図の一番下に4つ、トランジスタ2SC1815の下にある記号は、「グランド」を表しています。回路の基準線です。今回作った回路では、電池の−極に当たります。
回路図中にトランジスタが、2つあります。わかりましたか? 1つは、NPNトランジスタ2SC1815、もう1つは、PNPトランジスタの2SA1015です。
壁紙に並んでいる このページのロゴマークは、トランジスタの記号なんです。
2SC1815の記号を見てください。左のつながっている部分がベース(B)、その右上がコレクタ(C)、その下の矢印がついている部分がエミッタ(E)です。
2SA1015は、左のつながっている部分がベース(B)、その右上の矢印が付いているところがエミッタ(E)、その下がコレクタ(C)です。
LEDが一つあります。矢印のようなマークですが、この矢印の向きに電流が流れるのです。マークの上がアノード(A)、下がカソード(K)です。
抵抗、電解コンデンサ、CdSの記号は、わかると思います。
■トランジスタの仕事
回路がどのように動くか説明する前に、トランジスタがどんな仕事をしているのかわかってもらいたいです。
トランジスタは、電子的なスイッチだと前にも書きました。
NPNトランジスタは、ベースに電流を入れてやると、コレクタからエミッタに電流が流れます。トランジスタの記号の矢印は、電流の向きを表しています。
PNPトランジスタは、NPNトランジスタとは逆に、ベースから電流を引き抜いてやると、エミッタからコレクタへ電流が流れます。NPNとPNPで、全く逆になっているのです。
ベースに少し流してやるだけで、コレクタとエミッタにたくさんの電流を流すことができます。「トランジスタで増幅する」とは、大体こんなことをやっています。
今回は、このくらいにとどめておきます。
■CdSの仕事
CdSは、明るさによって抵抗が変わる素子です。明るいときには、抵抗が小さいのですが、暗くなると一気に抵抗が大きくなります。
電子ほたるが暗くなると動作するのは、CdSのおかげです。
■動作説明
回路の動作原理を簡単に説明します。説明が悪いから、ここは解らなくても大丈夫!
明るいときには、CdSの抵抗が小さく、トランジスタ2SC1815のベースが電位(電圧みたいなもの)が低くなっています。 ベースに電流を流し込むことができず、トランジスタはOFFです。コレクタからエミッタへの電流は流れません。 2SC1815がOFFのとき、そのコレクタにベースをつなげられている2SA1015もOFFです。(ベースから電流を吸い取られないため) 2SA1015のエミッタからコレクタへ電流が流れないので、そこにつながっているLEDにも電流が流れず、光りません。
さて、暗くなると、CdSの抵抗値が大きくなります。ほとんどCdSがつながっていないと思えるほど、抵抗値が大きくなります。 すると、1MΩの抵抗を通して、2SC1815のベースへと電流が流れるようになります。2SC1815はONになり、コレクタからエミッタへ電流が流れます。 そこにつながっている2SA1015は、ベースから電流を吸い取られるため、こちらもONになり、エミッタからコレクタへ電流が流れます。 そして、LEDにも電流が流れ、光るというわけです。
でも、光っているままではなく、点滅します。どうしてでしょう?
実は、この回路は、発振回路なのです。10μFの電解コンデンサが、その秘密です。 トランジスタがONになると、コンデンサに充電されていき、次第にコンデンサに電気がたまってきます。電気がたまると、コンデンサの両端に電圧が生まれます。 コンデンサの電圧が大きくなってくると、その分2SC1815のベースの電位が下がってきます。どんどん下がるとベースに電流が流れ込まなくなり、トランジスタがOFFになり、LEDが消えます。
いつまでもLEDが消えているわけではなくて、今度はコンデンサに貯まった電気がLEDに少しずつ流れ、コンデンサに貯まった電気がなくなってきます。すると2SC1815のベースの電位が上がってきて、 また電流が流れるようになり、トランジスタがONになります。
こんな感じで、動いているのですが、もっとよく知りたくなった人は、いろんな本を読んでくださいね。
私も、もっと勉強しないと、いい説明ができません。
さて、次回は、何を作りましょうか?
(c) 1999 Ishijima Seiichiro