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なつかしゃ唄の島、奄美大島のピアニスト、作曲家、そして三絃(奄美三線)弾き。幼少からピアノをおもちゃ代わりに、東洋〜民謡やシマウタから、西洋〜クラシック・ジャズ・ブラジル音楽までボーダーレスな音楽環境で成長し、独自のなつかしい音世界を育む。成城大学在学中の1983年にデビュー。以来、自作自演のスタイルで送り出したCDは40作を超え、季節の彩りから生まれた優しくせつないアルバムは多くのファンに愛されている。

1991年、導かれるように奄美に渡り、ミハチガツ(旧暦八月)のひと月を過ごすようになる。ウバァに唄を習い、はぶら(蝶)に誘われて森を漂い、海辺のスローライフを始める。2004年、音楽制作の拠点を奄美に移し、暮らしの中に生まれる音楽の旬を届けるべく、KEENMOON(キーンムーン)レーベルを設立、新しい音楽を島から世界に向けて発信している。

2005年発表のアルバム「88+3」より、島ではずっと伴奏楽器だった三絃(奄美三線)を、独特の軽やかでハイトーンな「音色」と、こぶし回しから生まれる「うたごころ」によって独奏楽器としてフィーチャー。ピアノやウクレレ、弦楽四重奏との共演や、パーカッシブなカッティングプレイなど、独創的なプレイで好評を博す。さらに自由な表現を可能にする楽器を求めて、ついに自ら材を削って三絃制作を始める。それから10年、とうとう自身の思いにかなう音色を持つ三絃が完成、2016年6月、その三絃による完全独奏アルバム「月精花神〜ANIMISM〜」「島暦三絃暮らし」を2枚同時発売。

デビュー以来、数多くのCMやテレビ、ラジオ番組のテーマ曲などを手がける。テレビCMは富士通企業CM"暮らしと富士通"、アフラック「光のワルツ」など多数。 氾濫する音の中のふと我に返るようなエアポケット感は、この時代における村松健の存在感そのものなのかもしれない。2007年よりアニメ『スケッチブック~full colors~』『紅~KURENAI~』『うみものがたり~あなたがいてくれたコト』『ぼくは王さま』NHKEテレ『モタさんの"言葉"』の音楽を担当。彼の真骨頂であるエモーショナルで叙情的なサウンドは、新たなカンバスを得て拡大を始めた。

ライヴ・パフォーマンスではホールはもとより、月夜の浜辺・森の中・古寺の境内・廃校などそのシチュエーションを生かした夢のコンサートで時空を共にする。彼が当日、演奏メニューを決めるのは、一期一会にその日、その場所でしか出来ないプレイを実現したいから。近年は、その季節ならではの選曲と編成による「4Seasons Live」と、島では野外公演「うとぅぬうしゃぎむん」(島の言葉で"音の捧げもの")と12月のストリートライヴ「島ぬクリスマス」そして島のアマチュアミュージシャンたちとのユニットで音楽の喜びを届ける「うとぅあしび」を夏冬に開催。第二の故郷である北海道の活動は活発で、札幌、北見、十勝で毎年コンサートを行っている。また生の音楽に触れる機会の少ない島や北海道の子供たちに音楽を届ける「学校ボランティアコンサート」なども積極的に行っている。

音楽活動以外では群馬テレビ「三国街道風の道しるべ」などの旅番組に音楽担当兼旅人として出演。3つのエッセイ集や北海道新聞・南海日日新聞への連載。ピアノ愛好家のための月刊誌「月刊ピアノ」ではフォト&エッ セイを連載中。また、あまみFMディ!ウェイブ「夕すだみにSLOW」、ゆふいんラヂオ「SUPER HEALING RADIO」、みのおFM「Voice in the wood」、RADIO T×T「My Spiritual Home」のパーソナリティをつとめている。そして 2018年より音楽を通じて島内外に奄美の自然・文化の情報発信をする奄美大島「唄島プロジェクト」の音楽プロデュースを担当。日々の暮らしと季節の彩りが織り込まれた"Japanese Piano"は、優しくせつなく心の奥へと染み込んで、幸せの在り処へ導く。

1962年5月9日東京生まれ、奄美大島在住。

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