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第2日(8月21日・土曜日)

 今日は丸1日ドライブの予定である。目的地はTsお勧めの然別湖と、Sさん御希望の美瑛。全部で7人だから、Ts車とは別にレンタカーを1台手配してある。朝8時にレンタカーの店前に集合、ということになっているので、逆算して7時20分に起きた。前日に食料をコンビニで仕入れておいたので、朝はそれで済ます。予定通りに8時にレンタ屋に到着、僕が手続きをしている最中に、Tsの車も到着した。

札幌―然別湖
 借りたのは、トヨタ・カローラ。まだ4ヶ月しか経っていない新車なのに、もう1万6千キロも走っている。さすがは北海道!感心しながら、Tsの車を先導に走り出した。ドライバーは僕である。ちなみに、助手席の相棒Tは免許を持っていない。後ろに乗っているNさんは、自称「ペーパードライバー以下のちり紙ドライバー」だという。まあいいや。疲れたら交代してもらおう。Tsの車に乗っている人だって、3人は免許を持っているのだから。
 レンタなのに、CDがついている。なんかCD持ってくればよかったねと言いながら、なにげなくCDドライブを開けると、すでにCDが入っている。おや?前のお客さんの忘れ物?見てみると「ナビシステム」と書いてある。あれ?こんなとこから液晶画面が出てきたぞ?うわっ!カーナビ!!10km以上走るまで気づかなかった。
 土曜日とはいえ、さすがに札幌市内は信号もあるし、ちょこちょこ停まる。でも、信号の間隔は徐々に開き、快適に走れるようになってきた。まずは国道274号を快適に飛ばす。せっかくだから、カーナビもいじってみたい。とりあえずルート上の日勝峠に設定したが、一本道だから何も喋ってくれず、おもしろくない。どうせなら、ということで意味もなく夕張に設定し、さらに「大阪弁とかに変えられないか?」といじくりまわすと、なんと「津軽弁」に設定できる。これだ!大笑いしながら津軽弁に設定するが、津軽の人がコレを見たら、なんと思うだろう?
 北海道の国道は、とにかく走りやすい。もっとも、トラックだかなんだかに先導されて、速度は大して上がらない。登坂車線でトラックを追い抜き、快調に走る。時速は○×キロ、乗用車10台くらいの集団だが、全車がかなりの速度である。僕たち2台は集団のほぼ中央にいただろうか、周りにあわせて走っていた。僕にとって心地よい速度だったので、気楽に走る。途中、日高町の「道の駅樹海ロード日高」で休憩。すると、Tsが危なかったね、と言いながらやってきた。なんで?と聞くと、僕の4台後ろの車が覆面パトカーで、3台後ろの車がパクられたらしい。気づかなかったけど、これには肝を冷やす。気づいてみれば、この駐車場にも2台のパトカーがいる。いかん。これは注意せねば!しばし休憩の後、さらに走る。日勝峠を超えて日高に別れを告げ、十勝に入った。清水町を通って、鹿追町から道道85号に入り、然別湖へ。さすがに疲れを覚えたころ、13:00に到着した。
然別湖
 山の中に静かに佇む湖は、透明度が高い。水も冷たく、飲んだらおいしそうだ(飲まないけど)。ここにはオショロコマという天然記念物のイワナがいるそうだが、さすがにその辺にはいないだろう。しばし湖畔でぼーっとしてから、近くのレストランで食事をした。なんと、オショロコマが食べられるという。天然記念物を食っていいのか!と思ったら、「養殖です」との注意書きがあった。気にはなったが、予算と十勝への敬意から、名物の豚丼を食べた。生姜焼きのようだが、甘いタレがなんともいえずよい。
然別湖―美瑛
 さて、次は美瑛である。簡単に美瑛とは言うが、2時間で着くか?という距離だ。14時過ぎに然別湖を出発した。Nさんが運転はちょっとなあと言うので、、軽自動車にアオられながら、例によってレンタ車は僕が運転である。ルートはTs車のロード・マップ頼りで、こちらのカーナビ大先生は出番がない。津軽弁ににも飽きたが、関西弁は妙におもろないので、結局英語にした。
 国道38号線で、狩勝峠を超える。北海道の峠を国道で超えるのは、本当に走りやすい。ひょっとしたら、上信越道の八風山トンネル付近より走りやすい?と思っていたら、タイヤが鳴ることもある。慢心と妄想はいかんいかん。ラジオでは、ちょうど甲子園の決勝戦をやっている。途中、映画『鉄道員(ぽっぽや)』の撮影をした、幾寅駅の側を通った。なんだか“鉄道員フェア”をやっているような雰囲気で、ノボリがたっている。JRも映画にあやかろうと、臨時列車を運転している。相棒Tが時刻表で確認したら、臨時快速「ぽっぽや号」は15分前に行ってしまった後だった。
美瑛
 富良野から国道237号へ。かなり眠くなってきた16:00すぎに、やっとこさ美瑛町内に入る。美瑛では「ポテトチップスの袋のような風景」を探す予定だ。間もなく到着と思われたその瞬間、カーナビが右折を指示している交差点を、Ts車が直進した。おっ近道か?そこから丘をグッと登ると、小高いところから、丘陵を見下ろせる場所に出た。丘の斜面に沿って広がった畑が、どこまでも続く。町は谷底にあるようで、町をはさんだ反対側(東側)の丘まで一望できる。車を止めると、写真班を自認するHさん・Sさんはあちこち撮っている。僕も見るだけで景色を満喫できた。これはいい場所だねとTs言ったら、ナビゲーターのOさんが指示を間違えたケガの功名らしい。実はカーナビ大先生が正しかったのだ。
 その後、ぐるっと周りこんで国道に復帰しようとしたらダートになり、一瞬肝を冷やしたが(ダートは走り慣れないから恐い)、なんとか目的地・北西の丘展望台へ。ここも景色はいいのだが、小高い展望台であるだけで、なにかがあるわけではない。近くの名所に行こうというわけで、マイルドセブンの丘を目指す。名称が面白いというだけで行ったのだが、ここは単に木が3本生えているだけである。その木が、マイルドセブンのCMに使われたので「マイルドセブンの丘」というそうな。カメラ持参のみなさんは、木の方へ歩いていった。
 僕とTsは帰り道の打ち合わせに余念がない。夕食はTsの家の近くのラドン温泉で、入浴を兼ねてとることにした。ならば、Ts車より先に出発して、地下鉄でTsの家まで移動すれば時間的にピタリ。そう計算して、まだ撮影しているHさん、SさんなどをTsに任せ、こちらは相棒TとNさんの3人で出発することにした。カーナビも準備万端。そんな折、Tsが君と相棒Tにおみやげを渡すのを忘れてた、と言う。出てきたのはなんと線路と枕木をとめる、でっかい釘(犬釘という)!20年ほど前に廃止になった駅・蕗の台に行ったらたっぷりあったので、2本失敬してきたそうな。僕と相棒Tは、大喜びである。
美瑛―札幌
 さて、時間が問題になってきた。気づいてみれば、もう17時半になろうとしている。ここから札幌に戻るには、どれくらいの時間がかかるだろう?旭川を経由して、道央道をかっとばせばいいかな?レンタ屋に返すリミットは、20時である。あと2時間半とちょっと。でも、給油2回はしなくちゃならないし、旭川から札幌までは、JR北海道の最速の特急・スーパーホワイトアローで80分・・・ヤバ!!
 運転を代わってほしいのだが、かなりのアツい走りをしなければならないので、またもや僕が運転だ。まず、国道237号を北上する。車は多いが、流れているからよしとしよう。道路脇を3両の富良野線が走っている。先頭は懐かしいベンガラ色だ。まだこんな列車があったんだと思うと、うれしい。形式は・・・キハ20!?ってことは、「鉄道員」用改造車両!?僕は運転中につきよそ見ができない。信号待ちの一瞬でしか注目できず、ディティールがまったくわからなかった。
 給油を済ませ、さらに国道を行く。時計は18時を回った。石狩川を渡ったところでやや混雑・ヤキモキしたが、焦ったって信号は変わらない。でも、信号が変わったらアクセル全開だ。旭川鷹栖ICまで来れば、後は・・・あれ?道央道は片側1車線?前にバンが立ちはだかった。強引に抜くわけにもいかず、あっさりと諦めの境地に入ってしまった。まあ、慌てて事故を起こすよりも、延長料金を払えばいいのだから。
 ところが、2車線になると欲が出る。リミットに絶対に間に合わない時間なら別だが、うまくすれば間に合いそうなのだ。こういう時が、一番焦る。時速何キロで巡行したのかはナイショだが、なんと「特急スーパーホワイトアローに勝つ」という大偉業を成し遂げた。後日、この話を去年の北海道ノートに登場した様似のO君にすると、あんたみたいな人がいるから北海道の交通事故が減らないんだ、と言われた。返す言葉がない。ともかく、20時5分前に札幌IC到着。念のためにレンタ屋に10分ほど遅れると連絡すると、それくらいなら構わないですよ、との温かいお言葉!安心して給油をし、結局20時5分に返却した。この日の走行距離は580キロ!1日の運転距離として、自己ベストを大幅に更新した。
 その後一旦ホテルに戻ってから出発。Ts家の近所のラドン温泉でメシ食ってフロ入りまくってビールも飲んだ。なお、フロではいくつかのドラマが生まれたが、ここに公開することは控えたい。とにかくだいぶ疲れたけど、心地よい疲れだった。

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