-ツアー2日目(パート2)-

ベルニナ急行
車窓からの景色
ベルニナ峠付近の風景

3. ベルニナ急行の旅 (Bernina Express)

ミラノからティラノまでのローカル急行とは異なり、ベルニナ線(私鉄)を走るベルニナ急行は赤い車体のきれいな客車列車。イタリアのティラノからスイスのサンモリッツまで3時間程をかけて結ぶ山岳鉄道でイタリア・アルプスを縦断する形でサンモリッツに入る。とにかく、ティラノを出てからすぐに急勾配が続き、標高900メートル程のティラノから1800メートル程の標高まで一気に上る。とにかく、つづら折れのカーブが続き景色も左右に目まぐるしく変わる。イタリアアルプスの山間の村や放牧の景色がのどかで心がなごむ。アルプスの山々は主に岩峰であるため峻険でダイナミックな印象を受ける。これは、日本の山にはないスケール観だ。列車がこの線の最高峰であるベルニナ峠(標高2300メートル前後)に差し掛かる頃には、森林限界を超え氷河や残雪が車窓に広がるようになる。気温も7〜8度程度で夏なのに冬を味わっている世界だ。それにもかかわらず、氷河から流れ出た水が勢いよく流れ落ち、一帯は高山植物がたくさん咲いていてきれいだった。ベルニナ峠からサンモリッツに向けて列車は一気に谷へ下る。その先に、世界的なリゾート地として知られるサンモリッツがある。サンモリッツには午後6時の到着となった。  

 

 

4. サンモリッツ (St. Moritz):

サンモリッツは標高約1600メートルに位置する山峡の町。到着した6時頃には、太陽は山に遮られて日差しは所々にあるだけだった。谷風が時折吹き風はかなり冷たい。眼下には湖があり、その先にスイスアルプスの山々が見える。リゾート地というと私は軽井沢などを思い付くが、サンモリッツは景色もさることながら静かで時間の流れがゆったりとしている。こうした場所で、ヨーロッパの人たちは2〜3週間バカンスを楽しむのだ。日本人のようにあちこち観光するというのではなく、一箇所に留まりその場所で心身ともにリラックスさせる。それが、彼らのバカンスなのだ。サンモリッツには、それに適した環境、景色、雰囲気など全ての要素を満たしていた。派手さや変な華やかさはない。しかし、元来リゾートというのは、そういうものとは無縁なのかもしれない。夕方の冷え込みは夏といえどもかなり厳しく半袖ではとてもではないが耐え難い。後から振り返ると、ここサンモリッツにはもう一泊位してのんびりと町を散策したいところだった。
サンモリッツ
街角にて (サンモリッツ)
早朝のサンモリッツ

 

 

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