考古学のおやつ

2000年11月上旬の発言

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[2000年9-10月|2000年11月中旬|最新|編年表]
koyugun(10 Nov 2000 23:40:28)
下美蔓西(しもびまんにし)遺跡で今年6月に見つかった石器について、50万年前
という発表について、札幌国際大の長崎助教授が年代測定を行わず「藤村さんや鎌田
さんらと検討して発表した。」(毎日のweb記事より)とのこと。

なんと言うか、「???」と言うしかない状態ですね。どうして在地の地質系の専門
家の意見をも聞かないまま50万年前という数字を出したのか?不思議でなりません。
これは、石器の捏造とは違いますが、「データの捏造」以下の問題です。地質・地形
・年代測定等の専門でもない人たちが何人集まって検討しても、「より間違いのない
答え」は出ないとは思わなかったのでしょうか?

本当に正しければ、最先端の際どい部分になるのですから、きちんとした地層などの
年代測定データがないのら、データが揃うのを待ってでも、拙速な発表をするべきで
はなかったと思います。功を焦った結果と言われても致し方ないでしょう。こういっ
たところに問題の根深いところがあるような気がしてなりません。

うちでは、東北のような石器ではなく、野暮ったくてゴツイ石器しか出ませんが、地
層によっては平面的な依存状態で確認されることはあります。概ね3万年位前と思わ
れますが、鹿児島の横峯遺跡や宮崎の後牟田遺跡の礫群は、ほぼ平面と思われる状態
で検出されています(横峯のは報告書の図面から)。
特に、地層の変わり目(層理面)付近では平面に出ることは珍しくないと思いますが。

層理面では、かなり小さな遺物でも上下せずに出ることがあります。ただし、逆に考
えると、遺構などが伴っていない場合は、遺物が上下しながら層理面に集まったと言
うことも考えられるかもしれません(この辺は地質の方に聞いてみてください)。

唐津 東男(10 Nov 2000 20:31:53)
こんにちは
白井さん
先の発言に対する回答ありがとうございました

ところで、今回の事件に対して奇妙であるのは
なぜ、同時代の研究者から
自分が掘っているときに藤村氏が検出したのと同じような石器(例えば石箆)が出土したよ、また、平面的な遺存状態石器群が確認される[いずれも当然藤村氏とは全く関係ない現場で]でといった発言がどんな掲示板やメディアにも聞かれないのはなぜなのでしょう。
 ひょっとして、これは実際にそんな事例はないのか、マスメディアが怖くて発言できないのかいかがなものでしょう。

ではでは

たね(10 Nov 2000 18:43:40)
MSNのアンケートの掲示板への書き込みが始まりました。
この事件に対する、業界以外の一般国民の意見は心を揺さぶられます。

「最高のエンタテイメントでした。やらせ考古学の未来は明るいです。
プロレスラーのように演技の上手い学者さんがどんどん出てくればいいと思います。どうせウソならおもしろい方が絶対いいですから。」

こうした意見が際限なく続きます。行政に関わる者とすれば、1.開発者に対する「保存」協議の難航と、2.現地説明会などを通して、市民・県民に成果を還元する「活用」、普及・啓蒙活動への意識低下、が危惧されます。

横丁の熊(10 Nov 2000 17:50:34)
takさんのカキコ、感謝します。
お昼の限られた時間で自分も言い過ぎがあり、十分満足出来るものではありませんでした。失礼しました。
ただ申し上げたかったのは、追伸での言及が、例え社内で交されていたとしてもネット上に記載すべき事ではないと思ったからです。
マスコミに籍を置くものとして軽率さを感じます。
その点を受け止めて頂ければ幸甚です。

tak(10 Nov 2000 17:11:11)
「からめ取られた」と言う表現がそもそも甘い、禊ぎであると言う指摘でしたね。

当事者に近い立場で取材をしていて、禊ぎなどと言うことは出来ません。
そのことも含めて理解しているつもりです。

tak(10 Nov 2000 17:01:49)
自家撞着との批判は甘んじて受けます。

私は自分に甘い人間なのかも知れません。

ただ、彼らの発掘現場を見てきて、他の人の現場の成果とも相違のない結果が出てくるのも聞いて、彼らの成果が少なくとも全て嘘ではないと言うことは今でも確信しています。
実際に私が見ている前で、それも何日も現場に通って見ている前で、
藤村氏以外の人たちも氏がねつ造をしようもない状況で、
前期旧石器を確かに掘り出しているのです。

氏自身の人柄も決して「ただの詐欺師」と切り捨ててしまうような人格ではないはずと今でも思えてなりません。

それで、取材をしていても、
全員が全て嘘をついていると言うことはありえないと思ってしまうのです。

それがだまされているのだと言われればそうなのかなあと思うしかありません。

そうした自分を守ろうとすればするほど、批判される発言が出てきてしまうのでしょう。
「逃げて」いるつもりも、「腐っている」つもりもありませんが、
そのように取られるのでしたら、甘んじて受けます。
あるいは政治部の記者が派閥にからめ取られるように、
私もからめ取られてしまったのかも知れません。

ただ、少なくとも今の旧石器総スカン状態が
考古学や市民のために良いこととは私には思えないのです。

主観ばかり綴ってしまいました。失礼しました。

立ち寄りの素人(10 Nov 2000 15:21:38)
岩宿は大丈夫なのでしょうか?素人ながら心配しています。

chong.s(10 Nov 2000 14:05:15)
私は、おやつを訪れるようになって半年程だと思いますが
前半三ヶ月余りは、takさんのおもいつきボードの
発言をひろって見るだけでした。
白井さん無礼をお許し下さい。
現在は、おやつファンです。

横丁の熊(10 Nov 2000 13:14:18)
一連の旧石器考古学を巡る疑惑で、全くの部外者ながらこの掲示板を読ませて頂いておる中年会社員です。
今回のネツ造事件で多くの真っ当な関係者の皆様の困惑を強く感じております。
しかし片棒を担いでしまったマスコミに籍を置くTAk氏の自家撞着の様にはいささか呆れています。
もっと真摯な書き方があってしかるべき。
<安易に取材に返答>とか、<考古学に身を置く人たちにはもっと冷静な前向きな対応>云々は、そっくり御自身に向けるべき。
それでいて<問題の取材の合間に書き込みをしたこともあって>とか、<それが舌足らずな表現>やら、<取材対象に取り込まれてしまったバカな記者の戯言>と、逃げを打つとは。
今回の一連の疑惑はホンの一部の偽考古学者を長年に亙ってマスコミが煽り立てた結果、暴かれたスキャンダルではないのでしょうか。
ある面では当事者そのものでありながら<追伸、予定稿>にまで言及し、腐れ切ったマスコミ内部をさらけ出してミソギでもしている積もりなのでしょうか。
思わず昼休みに書き込ませて頂きました。

おぐり(10 Nov 2000 03:19:57)
白井さま
>韓国や中国の報道は,デフォルメされているとはいえ,間違いなのでしょうか。
決して間違いではないと思いますが、片寄りすぎた報道だと思うのです。日本の国民が皆、「自由主義史観」の人たちと同じような考え方をしているのではと、報道を受け取った人が更に確信を強めることに危惧するのです。
>「自国」を「地元」に置き換えると,実は報道がかなり当たっているような
さすがの鋭いご指摘に痛くはありますが、近代国家の枠組の「自国」と境界の曖昧な「地元」では、少々次元が異なると思うのです。日本という国家に対して、憧憬や自身のルーツを求める人って、そんなにたくさんいるんでしょうか。それとも私の現代社会認識がとんちんかんなんでしょうか。
皆さんが、真剣な話をしてるときに、とんちんかんな書き込みですいません。未だに自分でも考古学ってなんなのか疑心的なところがあって・・・許してやってください。

白井〜〜Link(10 Nov 2000 01:38:18)
コメントを書いている内にtakさんの書き込みがありました。下の私の発言はtakさんの発言と内容に重複がありますが,参照して記したものではありません。
自画自賛ですが(^^ゞ,takさんの今夜の発言を引き出せてよかったと思っています。
takさん,ありがとうございます。私もまた,考えてみたいと思います。

白井〜〜Link(10 Nov 2000 01:24:27)
久しぶりのみなさん,ありがとうございますm(_ _)m。今日は2点だけ。

う〜 さん
すでにグレーゾーンが存在します。完全には白黒つかなくても,グレーゾーンを少しでも減らさなければ,旧石器考古学は触れ得ない部分だらけになってしまいませんか。なにより,藤村氏と接点のある研究者・学生・一般の方をグレーゾーンから救い出すという意味もありますよね。
それから,言われている「白黒」は,捏造如何の問題で,学問的解釈の明解さとはやや違いますよね。

早傘さん
ご教示ありがとうございます。11/6以後そのサイトをみていませんでした。

tak(10 Nov 2000 01:18:59)
いろいろなご指摘を頂き有り難うございます。
私自身が氏の一連の発掘成果の一端を取材してきた中で
ジャーナリストとして取材対象に肩入れしすぎる部分があったのかもしれません。
その結果として冷静さを書く発言があったのかもしれない。
そのことはまず、認識しなければなりません。

まず、この問題についての基本的な認識から述べます。

藤村氏の発掘した遺跡について、ねつ造を氏が告白した遺跡については、
文句なく、発掘成果が否定されてしまった。これはまず一つの事実です。

さらに他の遺跡についても、発掘の真偽に問題がないことが証明できない以上、
発掘成果は灰色であり、少なくとも発掘の当事者以外の人にとっては、
確定した成果として扱うことがためらわれる状態である。

さらには、一般の人にとってはこのことがきっかけで考古学の成果全体がなにかいかがわしい、疑わしいものに見えるようになってしまった。

以上の事実を踏まえた上で、今、考古学を取り巻く人々が何をしなければならないか、
考えてみます。

一つにはクロ、灰色のレッテルが貼られた成果の中から少しでもシロの成果を救い出す努力を
するということ。
既に石器そのものを資料に年代の特定を行うことが出来ないかなど、試みが始まっています。
確かに、ああした行為を許してしまった旧石器の共同研究者の人たちには
大きな問題はあるけれど、その人達が「これだけは信じて欲しい」と主張する事があれば、
冷静な態度で吟味してゆくことが必要です。
むろん、それが難しい現場については再発掘を行うことも必要でしょう。
やるべき事は行ってゆかなければなりません。

>何とか取り繕って、つぎはぎで再構築しても信用されません。

学問の長い歴史は”つぎはぎ”でしかありません。
最初からすべての発掘をやり直したところで、それはやはり”つぎはぎ”でしかあえ理得ません。しかし、大事なことは、いかに正々堂々とつぎはぎの理由を説明できるように努力をするかだと思います。

第二に、そうした検証の過程や考古学という学問の弱点について一般の人にきちんと説明してゆくことが必要だということです。学問的にはいかに物事が整理されたところで、一般の人たちには考古学者はあんないい加減なことをするんだという意識が明らかに形成されてしまった。
そのことから逃げずに、考古学はどこまでをどういう根拠で断定し、或いは推論してゆくのかと言うことをきちんと提示してゆくしかありません。
具体的には考古学者がマスコミを通じたり、研究会や講演会の席上できちんとそうした事柄を話してゆくと言うことなのかと思います。

第三に、これは考古学者とマスコミの両方に言えることですが、目の前の発掘成果に
慎重になると言うことです。

>誤りや疑問点をお互いに指摘し,相互検証することが,考古学者と報道の関係をよくし,考古>学者の発言や考古学報道をよいものにしていくというお考えだと理解していましたが,私の贔>屓目だったでしょうか。

私はマスコミと考古学者のかかわりについて、そのような在り方が望ましいと考えています。
しかし、一方で、こちらが電話でコメントを聞くと実に安易に回答が帰ってくる状況があると言う状況があります。
直ぐにコメントがもらえるのはマスコミにとってはありがたいことではありますが、
お互いに何を聞き、何を答えているのかについては、特に発掘の成果が正しいとすれば、とか
ある種の条件を満たしさえすれば、と言った部分は厳密な相互確認が必要で、
今まで以上に冷静な対応を迫られるのだな、と改めて考えました。今回の教訓です。

今、藤村問題について、現地の放送局で番組を作ろうと準備を進めています。
その過程で、何人かの学者に取材して、藤村氏を「おかしくなった人」「彼個人のとんでもない行い」と切り捨てて、自分の今までの業績を守ろうとする言動を見聞きしつつあります。
とても悲しいことです。

そうした対応は、氏の近くにいて、つながりを持っている人たちに顕著である。
それは、人間の弱さとして仕方がないことなのかもしれません。
だが、さらにそれを超えて、新聞や噂だけでしか氏を知らない人にもそうした言動が見られる。
それだけのことを氏はしたのでしょうけれども、社会の一般の人たちはさておき、
考古学に身を置く人たちにはもっと冷静な前向きな対応はないのかなと思っています。

学派の違い云々については私の失言であったのかもしれません。
しかし、具体的な例を示さない事は行けないのかもしれないけれど、
ヨーロッパのものと違うから前からおかしかったと思っていたと言った発言には
少しだけ考古学を知った記者として、とても胡散臭いものを感じたのです。
この問題の取材の合間に書き込みをしたこともあって、
それが舌足らずな表現になってしまったと言うことはありましょう。
失礼なことを申し上げたかもしれません。

今回の事件を受けて、それでも自分たちが自信を持てることについては何とか信じてもらおうと奔走している知り合いの学者の人たちの姿を見ていて、つい感情的な発言になってしまいました。
取材対象に取り込まれてしまったバカな記者の戯言です。
不快に思えばお聞き流し下さい。

追伸:今度のことで、藤村氏が自殺してしまうのではないかという不穏な噂が流れています。
万一のために、死亡の予定稿を準備するようにとデスクに言われたときにはゾッとしました。
やってしまったことの評価は別にして、何とかそのようなことが起こらないようにとだけは祈りたいと思います。

う〜〜〜Link( 9 Nov 2000 21:20:07)
白井様、ご無沙汰しております。また、newsの取りまとめご苦労様です
#閲覧者にとっては便利なのですが、やってる方は大変でしょうね

さて今回の話ですが、最近のマスコミや行政の論調で気になることがあります
藤村氏の発掘調査結果について「白黒つけろ!」ってところです
学術的に最先端分野ってのは「とりあえず今はわかりません。今後の研究によってはっきりするでしょう」って領域(グレーゾーン)が必ずあると思います
今回の一件でその領域も「灰色=黒」と判断され、今後出てくる(かもしれない)同様の発見が闇に葬られることが無いか心配です

現状出来得る検証は、徹底して行うのは当然の事ですが。。。。。

チャコ( 9 Nov 2000 20:49:51)
ご無沙汰しております。
接続の調子が悪く、なかなか、立ち寄ることができなかったのですが、今回の捏造事件に接し皆さんの意見を読んで、私も発言したくなりました。
素人さんの意見、悲しいですが、正直いって、私(行政発掘に携わっています)のまわりのほとんどの人間の意見です。「一般的なものは簡単な調査ですませ、重要な遺跡だけをしっかり調査」してほしい、そういう風潮がニュース性、話題性の大きな遺跡を出さなければという強迫観念を生み、今回のような捏造事件を生み出してしまった側面も否定できないと思います。
朝日新聞の2000年11月8日「声」欄に「ねつ造生んだ「発見」に優劣」という投稿がのりました。「珍しくない遺跡の調査に専念し、誠実に調査資料を蓄積、整理して、祖先の知恵と
精神を少しでも解明」(前述「声」欄より)するよう、自治体の発掘調査に従事する職員たちは努力しているのです。今までの議論の中でも遺跡発掘の一回性が発掘成果の検証を難しくしているという指摘があります。開発で壊されていく遺跡たちはもう一度もとの形に戻して調査することはできないのです。
今後、埋蔵文化財に関わる自治体職員の立場はますます厳しくなっていくと思いますが、もこりんさんを始め、覗いている行政発掘関係の皆さん頑張りましょう。

早傘( 9 Nov 2000 06:52:57)
梶原研究室(含む東北旧石器文化研究所)のページが閉鎖になってます

河野正文( 9 Nov 2000 04:38:48)
大変ご無沙汰いたしております。
旧石器ねつ造事件に関して、わたしのwebにリンクさせていただきました。
ご了承のほど宜しくお願いします。http://www.shikoku.ne.jp/isp/sugatari_00/0002/0002.htm

白井〜〜Link( 9 Nov 2000 02:26:34)
みなさんのご指摘,ありがとうございます。
とうてい追いつきませんが,少しずつだけコメントしておきます。

考古学会への不信感 さん
> いろいろなHPで、閉鎖のような状況が続いている
どのサイトのことでしょうか。あるいは,ご覧になっているサイトが私とは異なるのかも知れません。議論はすぐに活発になると思います。すでにいくつかの掲示板で発言がみられます。
例えばarc-net南河内考古学研究所高知の縄文探訪の掲示板やチャット,あるいはそれらのリンク集からたどれる各サイトをご覧ください。当サイトでは考古学者の意見が少ないようですが,当サイトとそれらのサイトとで閲覧者がかなり重なっているのが原因かと思います。
それらのサイトなどを通覧されてもやはり不信・不満をお持ちになるかも知れませんが,その折りはぜひ率直なご批判をいただきたいと思います。

おぐり さん
ワードショーで小倉智昭氏が同様の新華社電に対して嘆かわしい言われようだとおっしゃっていました。
しかし,韓国や中国の報道は,デフォルメされているとはいえ,間違いなのでしょうか。
宮城県では「上高森は北京原人並みに古い」と書かれた副読本をほとんど(仙台市以外)の小学生に配って教え込んでいました。「自国」を「地元」に置き換えると,実は報道がかなり当たっているような気がしますし,宮城県だけの問題でもないと思いますが。

好古学狂会非会員 さん
> 藤村氏の除名のみで事勿れを極めようとしている
> 会長のコメントのみで終わりにする
これらはまだ決まったわけではありませんが,本当にそのようになってしまったら,確かに問題です。

ORI さん
ご指摘ありがとうございます。参考になると思います。
なお,今後,考古学で(まともな研究でも)科研が取れなくなるという不安を口にする人が確かに多くいます。

chong.s さん
当然の疑問ですね。私も報道を読んでいるうちに,「え,こんな調査だったの?」と思う点がありました。この件は時間がとれたら当サイトの別のコーナーで触れようと思います。

anoguchi さん
日本考古学でも野帳や日誌を回収する調査や,それらを閲覧可能にしている機関がありますね。少数ですが。私も学生の時には「野帳は回収するものだ」と聞きましたが,あまり実践していません。人のことを言えない状態です。

素人 さん
貴重なご意見であると思います。部分部分にはコメントしたい点もありますが,一切省略して,一つだけ所感を述べさせてください。
もし,考古学者が「文化」の名に隠れて何やら勝手なことをやっていたら,いけないことです。しかし,考古学を多くの人に説明するとき,いつの間にか「文化」の名に頼り切っていました。ここで内実を整備しておかなければ,「文化」の看板がコケた瞬間に考古学もコケてしまうでしょう。
当サイトには,この点の問題意識をもつ考古学者がたくさん訪問されています。お示しいただいた疑問に答えられるよう,苦悩している考古学者も多いはずです。

tak ( 7 Nov 2000 09:25:58) さん
正直に言います。takさんの文章は,ご発言ごとに精度(当否という意味ではなく)が大きく違ってはいませんか?接続されてる場所まで違いますが,同一人物ですよね。
この( 7 Nov 2000 09:25:58)の書き込みは,その前の( 5 Nov 2000 20:16:03)に対する反応に答えたものと思われますが,( 5 Nov 2000 20:16:03)は舌足らずで,補足を必要とすると思います。それが反論の呼び水になった側面もあるのではないでしょうか。最初みたときは,「takさん,今日はどうしたんだろう?」と思いました。
> 報告書が出ていないことをもって、情報公開が出来ていないとも取れる発言が
これは,もとの「発言」が変な内容なのか,takさんの要約が変なのではないかと思いました。出典をお示しください。
> 考古学者はよくマスコミが予断を持って変なことを書いてと言うけれど、その舌の根も乾かぬうちに「何々新聞によれば」と引用していたりする。学派の対立以前の問題です。
この掲示板でのご自身の発言をお忘れですか。誤りや疑問点をお互いに指摘し,相互検証することが,考古学者と報道の関係をよくし,考古学者の発言や考古学報道をよいものにしていくというお考えだと理解していましたが,私の贔屓目だったでしょうか。
考古学者が何を言ったか,どの記事を引用したか,ではなく,それぞれの発言なり引用が,どの程度根拠のあるものなのか,検証に耐えうるものなのか,が重要ではないですか(これは「考古学者」と「記事」を入れ替えても可)。根拠も出典も示さず,いきなり「学派の対立以前の問題です。」ときますか?

お答えできなかった書き込みもあります。申し訳ありませんm(_ _)m。

考古学会への不信感( 9 Nov 2000 00:30:44)
もっと発言が活発になると思っていたのですが、今の考古学会に言いたいことはないのでしょうか。そういう発言を期待しているのです。一般市民としては。

笑う土偶( 8 Nov 2000 23:13:16)
何か昭和10年代以降の考古学研究が、すべてご破算となった感じのする事件でした。

考古学会への不信感( 8 Nov 2000 22:53:04)
いろいろなHPで、閉鎖のような状況が続いているようですが、考古学の人々の良心がどこにあるのか、はっきり示して欲しいですね。きちんとした発言をする場と、しっかりした討論を私はみたいです。

おぐり( 8 Nov 2000 22:52:40)
捏造事件は韓国でも報道されて、話題を呼んでるようです。新聞には、この事件の背景に、自国の歴史を悠久なものと美化したい日本人社会の特質があり、それが引き起こした事件だと、なんともひねくれた見かたが書かれていますが、その記事は、現在の韓国社会が日本を疑心的に見る視角を端的に表していると思います。まあ、事実はそれよりも、考古学の人気とか、すごい遺構、遺物の発見者がスターになるとか、考古学研究者の情報の発信や、報道の取り扱い方などに起因してくるような気がするのですが。まあ、捏造の経過や個人の背景が明らかになってこないことには、韓国社会に対して説明のしようがないですが・・・。今後の経過を見守りたいと思ってます。

好古学狂会非会員( 8 Nov 2000 22:16:55)
【協会は横審と同じか?】

 今回のねつ造事件で、日本の考古学、否、歴史研究におよぶまで、大変な不信感をもたらしました。国内よりも海外・アジアです。かつて神話が正史として皇国史観がはびこってたわけですが、今回の藤村氏の事件は、捏造によって事実をデッチあげ歴史とした事実が、皇国史観のそれとダブって見えるとのこと。そういう指摘があるまで、「一個人の功名心がもたらした騒ぎ」とだけ思っていましたが、大変ショックを受けてる次第です。藤村氏はたとえるならA級戦犯扱いでもかまわないと思います。日本考古学の存亡にかかわるこの期に及んで、藤村氏の除名のみで
事勿れを極めようとしている日本考古学協会員は何様ですか?件の各遺跡資料の再検討に関わることが国民の大半から求められている中で、横綱審議会(組織構成を鑑みての皮肉である!)のように賞罰のみで禊ぎを得ようとしている会長以下委員連中は何を考えているのだろうか。「日本」の名を冠したネットワークを活かして、国民の不信感が定着する以前に、先導的に調査を実施するのが筋ではないか。会長のコメントのみで終わりにするつもりか。尻を重くするな!リーダーシップを発揮しての早速の行動開始がひたすらに望まれるのである。

sugimoto( 8 Nov 2000 07:04:34)
hajimeさんほか町村担当者へ
私の所でも月曜・火曜と厄介な開発関係の会議がありましたが、こんなにスムーズに協議されたのはここ10年で初めてです。悲しいことですが、開発側では発掘担当の機嫌を損ねると道路予定地等に何か埋められるのではないかと危惧しているような気がします。

ORI( 8 Nov 2000 01:15:35)
アメリカでは、自然科学、特に生物医学分野でねつ造が大変に多いので、国の研究費をもらうときには、ORI (Office of Research Integrity) の査察を受けてもいいという一筆をとられることになってます。とくに有名大学からでたインパクト・ファクターの高い雑誌(専門誌)にウソが多いことになってます。この国家機関は、ほとんど警察と同じだそうです。http://ori.dhhs.gov/ を一度訪れてみて下さい。いろんなねつ造をした例が出てます。おそらく、ここに出ているのも氷山の一角なのでしょう。アメリカは、ノーベル賞も多いがウソも格段に多い国です。今回の事件から、どうやら、アメリカだけじゃなくて日本もアメリカ並になってきたのでしょう。欲深い嘘つきは世界中どこにでもいます。ただ、自然科学の場合には、再現性がなければ、歴史の試練に耐えられないので、ウソはすたれていきますが、考古学の場合にはそうはいきませんね。いいかげんなエセ学者がぞろぞろいるのはこまったもんです。ウソに加担した先生たちは、税金からでた科研費なんか返還する必要があるんじゃないんでしょうか?

Takeuti( 8 Nov 2000 00:40:19)
今回の事件を受けて、愉快犯や発掘を快く思わない人などが、
関係者の知らない間に発掘現場に進入して、自作やよそから持ち込んだ
石器・土器を地中に埋めるなんて事件も今後ありえるんでしょうか。
杞憂に過ぎなければいいんですけど。

chong.s( 7 Nov 2000 22:07:04)
検証?門外漢なのですが
石器埋納遺構・柱穴等の半裁・土層断面の硬度計での計測や土壌の構造等の分析がされて無かったのでしょうか?

anoguchi( 7 Nov 2000 21:38:24)
検証

難しいでしょうね。必要だと主張するのは当然、主張するだけなら簡単。では、どうすればよいのか?
自然科学の分野でも、データの改ざん、捏造は時々問題になるようですね。近いところでは、常温核融合というのがありました。
アメリカなどでは、実験データや実験ノートは担当者個人に帰属させず、研究室で保管して、問題が起きたときには公表できるようにしておくそうですね(記憶がややあいまい)
今回の件、たとえば、日誌や写真をすべて公開することが必要なのではないでしょうか?
その日、直前に掘り下げた面から検出されたものなど(掘り方には拠りますが)、原則として、「事前に埋めておく」のは難しいと思います。
もちろん、日誌などがどこまで客観性があるかという指摘もありますが。
しかし、一連の調査は、かなりオープンだったことが特色でもあったはず。様々な大学や機関から、いろいろな人が出入りしていたはずです。調査過程の検証は、可能なのではないでしょうか?

hajime( 7 Nov 2000 21:10:38)
多分?はじめてカキコします。
もこりんさん。あまりに同感で泣きそうになりました。
私も今日、原因者との打ち合わせの予定でした。

(管理人注:以下,文が続いていたようですが,エラーにより失われました)

anoguchi( 7 Nov 2000 21:08:23)
いくつか思うこと

当然のように、埋蔵文化財行政にも論が及んでいますね。
確かに、なんの役に立つのか、開発の障害、という意見もひとつの見方です。
一方で、一度壊してしまえば元に戻らないのも事実。石油や石炭と同じで、遺跡ができるのにも長い時間がかかります。発掘調査も含めて、どんどん掘ってゆけばそのうちなくなるのは目に見えている。
それでもいいじゃないかと思うかもしれませんが、あなたの次世代、次々世代にもそう断言できますか?子供たち、そのまた子供たちが必要を感じたときに、何も残っていなかったとして、誰がその責任を取るのでしょうか?
少年法改正論議に関連して筑紫哲也氏が「未来への担保がない」というような趣旨の発言をしていました。開発の有効性も確かにあるでしょうが、それは「現在」の視点ですよね。いまは道路が必要でも(だと思われても)、十数年後、数十年後には遺跡が必要なのかもしれない。
もちろんこれは、遺跡保護、保存への視点です。記録保存は次善の策、とはいっても、やはり破壊してしまうことには変わりないですから。それを、いかに有効な対策とするか、それが職業人としての考古学研究者に課せられていた義務のはずです。
今回の藤村氏の事件、なぜ問題なのか、その端緒はこのあたりにあったはずではないでしょうか?

takさんへ( 7 Nov 2000 20:47:37)
>何としてでも再検証しなければ成らないのです。
 客観的に『あいつの言うこと気に入らない』という心理は振り払ってね
    当然、再検証すべきです。でも疑わしい組織が中心になる事はありません。
    それを『気に入らないから信用しない』と受け止めるのは見当違いですし
    人の嫉妬心の醜さを楯に自分の意見を述べるのはいかがかと思いますが。

>紙の上の情報を捏造するほど簡単なものはありませんよ。
    思うのは勝手ですが、ジャ−ナリストとして公言して良い事でしょうか。
    では今回の件はすべてちゃらにして報告書を作るように進言したらいかがでしょうか。
    また、あなたが見ていた事をきちんの何かの形で記事にして下さい。
    それで多くの学生や関係者が救われる事でしょう。

>果たして、学生がついてくるでしょうか、などといっていないで、まず学問を守るため
 に具体的にどうしたらよいか考えないと学問全体が不幸になることと思います。
    若い学生が不幸になる学問にどれだけの価値があるのでしょうか。
    再調査を必要とする発掘歴しか履歴書に書けない学生もいるでしょう。
    また、これから
    研究とは呼べない『確認』調査に学生時代を費やす意義がどれだけあるか。
    その結果、無駄に終わる可能性まで考えて調査に時間や金を費やせるのか。
    それが心配なのです。その心配が『など』で済むのですか。
    氏の責任などは確かにどうでもいい事ですがね。

    今回の件で30年前に逆戻りしてしまったのです。
    何とか取り繕って、つぎはぎで再構築しても信用されません。
    なぜ、取り繕うとするのですか。『学問の不幸』を楯にして。
    具体的になんて『初めから現場をやり直す』しかないでしょう。
    あなたもぜひ参加して下さい。以上

野口( 7 Nov 2000 19:44:04)
考古学というのは、思っていたよりもいいかげんな学問らしい.
考古学は、歴史の中でも自然科学に近い要素を持っている学問だと思っていたのだがそうではない様だ.石器が見つかった地層だけでその遺跡の年代を判断している様だが、事はそう簡単ではないはずだ.例えば、後の時代の人が適当な自分達の生活品(つまり石器)をそれ以前の時代の地層に埋めたりしていたらどうなるのだろう.その石器や人骨などをはっきりとした科学的根拠による年代特定(放射性同位元素などを用いるなど)にかけて、正確な年代を求めることをしたりせず年代を特定しているとすれば子供の遊びに過ぎない.
ただでさえ、地層の年代特定は科学的に簡単な話ではない.物理などをしている人々から見れば絵空事に近いくらいあいまいな分野でる.天文学などと比べて、地質学に高度な数学、物理的手法が導入される様になってきたのはここ数十年のことである.その地質学の成果におんぶ抱っこの鑑定方法を全面的に信用している学問分野というのは異常だ.
 こんな事件が繰り返し起きている様ならば学問全体の権威が失墜する.これも、大学の数が多すぎていいかげんな学問をする人々がやっていける時代だから起きてしまうことなのだろう.理系でいえば、観測データを捏造するようなもの.まるで学生みたいなことを、その分野の第一人者がするとは!彼が、高卒で長らく民間研究者だったことが又不思議だ.そうした、いわば素人が研究グループの中で重要なポストに就け、その人のいうことを全面に検証できなかった学会全体の雰囲気が許せない.

koyugun( 7 Nov 2000 14:26:23)
民主党の赤松広隆国対委員長は、旧石器発掘ねつ造問題で、「石器を埋めても今の刑法
では刑事罰に問えない。民主党として新たな立法措置を含め検討したい」と言ったらしい。
真面目に発掘している人にとっては、痛くも痒くもありませんので、大いに結構。

でも、そんなことを考えるよりも、膨大な発掘調査経費とか、文化財保護法違反(端的に
言って破壊行為の方)の刑法による罰則規定とか、そういうことの方を議論してくれない
んだろうか。

意義と使命感だけで「お願い行政」を行うのも限界にきているのですから。

もこりん( 7 Nov 2000 13:57:39)
明日、事業者さんと協議が入ってます。
きっと、「捏造」話題になるだろうな。ちょっと手強い相手だから、いっぱつめからイヤミかましてくるに違いないよ。
「工事予定地にほんとに遺跡あったの?アンタが捏造してんじゃないの?第3者に検証してもらわないと協力できないな〜」なんてな。ジャブってやつかな。・・ですめばいいけど・・
とりあえず、今回は旧石器の調査予定はないからとかわしておくしかないかな。
偉い人たちもガチャガチャ大変みたいだけどさ、直接ツッコミ食らうのはいつだって我ら末端の
地方公務員なのさ。
仲間はみんな誠実にやってるよ。きちんと守ってくれる法も後ろ盾もないのに、情熱だけでね。
ニュースになるような発見なんて一生に一度あるかどうか。でもそんなことが目的でやってるやつなんて地方自治体にはいないよ。特に市町村にはね。
おしえて、エライひとー!
なんでそんなぼく達が疑いの目を向けられないとならないの?
鎌田さん、調査の継続よりも報告書きちんと出すのが先じゃないの?
岡村さん、「他は信じてる」なんて、アンタ個人の感想なんかどうでもいいんだよ!
甘粕さん、「検討」なんていってないで、会長権限で即刻除名せよ!
国と協会は、奴のかかわったところはみんな怪しいから、きちんと調べて欲しい。
事業者を含めて一般市民ともっとも接するのは市町村担当者なのだから、そうした人間が一番いやな目に会うんですよ。ぼくらが他人に説明できるような落とし前をつけてくれよ。
問題は、前期旧石器とか、考古学会とかのレベルだけじゃないんだ。
おいらは、もう、明日にひびいてるんだよ!

さかいひろこ( 7 Nov 2000 12:24:05)
「素人」さんの発言は、一般の人の意見としてキャッチしています。

発掘調査の作業員としてが、わたしと考古学のつきあいのスタートです。
埋蔵文化財の話はなかなかわかりづらくて、
途中から専門家の話しになってしまうのがなんか
手だしができないなあ…と思っていました。

でもやっぱり埋蔵文化財はそこに住んでいるひとの「宝物」だと思うのです。

ねつ造問題について
これまでの発掘の成果の審議は協会などの対応…で進められるのが当然と思いますが、

考古学にたいしてわきあがってしまった疑問に答えるのは…。

脈絡がなくなってしまいました。

素人( 7 Nov 2000 11:39:34)
全く素人で、このような専門的な所に書くことに戸惑いがあるのですが、
思い付きということで、書かせて貰います。
従来から、この埋蔵文化財調査(もしかして、考古学でないかも)
には疑問を持っていました。

それは、この調査と成果がどれだけ国民の生活改善に結びつくのか、全く
単純で素朴な疑問から発生するものです。
そして、その為にどれだけ多額の血税と時間が使われているのか、なんて
思いたくなることさえあります。

残念ながら、このことに対する、納得のいく答えを見た覚えがあません。
おそらく、その答えは、「文化」がキーワードとして引用されるのでしょうが・・。
文化は、国民の精神的な豊かさに結びつくもので、その価値観は人それぞれですから。

ただ、この埋蔵文化財で問題なのは(これは一般論なのですが)、
例えば道路工事や建築する時などです。
すべてに優先する最も権限の厳しい法律の規制があり、一旦これにひっかかると、
その調査に殆どの場合、税金が使われ、
人力調査が主体のため、結果が出るまで、大変時間がかかり、殆ど諦めるか、
変更を余儀なくさせられる。

文部省や文化庁が厳しく反応しているのは、教科書の記述こともありますが、
この権力と公費支出の正当性にまで発展する恐れがあるとの認識があるのではないかと
想像しています。
その根拠は詳しくは分かりませんが、文化財の保護法なんかが当てはまるのではないか
と思います。
おそらく、マスコミを含め世間では、これを見直すべしとの意見が、
しばらくの間出てくるような気がします。
私も、すべてに優先する部分で、今の制度に疑問が残ります。すべてに優先するよう
な法律に相応しくないことと思います。

今後は、一般的な物は、簡単な調査で済ませ、重要な物だけをしっかり調査し、
国民に夢とロマンを提供して欲しいです。
(何が重要なのかを見極める事が難しいのかも知れませんが。
少なくとも権威に頼ることなく。)

マスコミはニュース性を追求しますし、話題性のあるものに予算が付くのが、
世の常で、村おこしのためなのか、依頼者の過大な期待が、大発見という欲望にかられる。
今回の出来事もそうした背景があるのでは・・。
以上の意見は、すべて想像で書いたものですが、
世間一般の受け止め方に近いと思います。

tak( 7 Nov 2000 09:25:58)
「学派の対立にかこつけて問題を避けようとしてはいけない」
そんなことはあたりまえですよね。
考古学が科学であるためには学説や発見が再検証に耐えうることが必要です。
しかし現実に発掘の過程を再検証することはきわめて難しい。
自然科学の分野でもそうした事例は最近とみに多くなっていますが・・・
それでも、学問を進めるためには(意図的に封印してしまいたいなら別ですよ)
何としてでも再検証をしなければ成らないのです。
客観的に「あいつの言うこと気に入らない」なんていう心理は振り払ってね。

藤村問題で報告書が出ていないことをもって、
情報公開が出来ていないとも取れる発言が見られましたが、
紙とペンを使って日々仕事をしている記者として
紙の上の情報ほど簡単に捏造できるものはないと思いますよ。

少なくとも彼らは発掘現場をマスコミや文化財関係者に常時公開しています。
私自身も取材の過程で毎日現場に通い、
藤村氏以外の人が、氏が指定しない場所で石器を発見して来た例を
実際に見ています。

考古学者はよくマスコミが予断を持って変なことを書いてと言うけれど、
その舌の根も乾かぬうちに「何々新聞によれば」と引用していたりする。
学派の対立以前の問題です。

いずれにせよ、梶原教授も言っていましたが、このままでは
旧石器研究の学問成果全体が否定され、学史が30年逆戻りしてしまう。
この問題で・・・氏の責任はどうでしょうか?とか
果たして学生がついてくるでしょうか?などといっていないで
まず、学問を守るために具体的にどうすれば良いか考えないと
学問全体が不幸になることになります。

J.Otsuka( 7 Nov 2000 05:16:25)
誤入力訂正 藤森→藤村

J.Otsuka( 7 Nov 2000 05:10:41)
上高森事件への対応

1、まず、藤森氏が関係した発掘調査について再調査し、
どこまでが真実で、どこまでが捏造によるものかという事実関係を徹底的に調査し、
現在の状況を正しく把握しなおすことが最優先すべき第一の課題である。

2、発掘調査成果について何らかのチェック制度を設ける。
現実的には、発掘調査とは遺跡という唯一の実験材料を用いた一回限りの実験であり、
発掘調査が行われた後ではチェックすることは困難であるが、とくに学術的な意義を有する、
いわゆる「指定史跡」などの認定に当たっては、文化庁の技官などが発掘調査の成果について可能な限り不審な点はないかをチェックするシステムを設けるべきである。
発掘調査そのものの性質上、理論的には完璧なチェック制度というものは存在しないが、
監査制度が設けられることによって、現実的には不正に対する抑止力となるであろう。
理論的に不完全であっても、現実的な効果が望めるのであれば、これを設けるべきである。

3、研究者個人のモラルの向上。考古学に携わる全ての人間が、自らの研究姿勢を自省し、
これまで以上に真摯な態度で研究に取り組む。個人がなすべきことはこの一点に尽きる。
一度失われた信頼を取り戻すことは一朝一夕にできることではない。
今後、一人一人の研究者が真摯な態度で研究に臨み、一つ一つ誠実な学問成果を積み上げていくことのみが、今回の事件で失墜した考古学という学問の尊厳を取り戻す唯一の手段であろう。

白井〜〜Link( 7 Nov 2000 01:55:31)
唐津さん,ご投稿ありがとうございます。旧石器研究に疎い私に,お答えする資格があるのかどうかわかりませんが,ご投稿へのお礼を兼ねて,若干コメントしておきたいと思います。

全体について)読売新聞6日朝刊で,片岡正人記者らによる記事があります。同記者のこれまでの記事同様,かなり的確な(そして厳しい)指摘がみられますので,ご一読いただければ,ご参考になるかと思います。

(1)ここでの「止揚」というニュアンスはよくわかりませんが,藤村氏の関係資料は,A.すぐには使えない;B.使おうとする・しないにかかわらず,検証の必要がある;と思います。単なる封印や忌避では,教訓を残すことが出来ません。

(2)学術誌で疑問を表明した人もいましたから,旧石器研究者はそれを目にする機会があったはずですし,それについてウェブサイトで言及した人もいましたので,最近は旧石器研究者以外にも,かかる意見の存在は知られていました(当サイトでも,リンクしたことがあります)。読売新聞の上記記事にも触れられていますし,各紙も反対意見が存在したことを報じています。
問題は,藤村氏の「業績」も,一部の反論も,充分な検証に至らず,考古学者ならぬビデオカメラに結論をゆだねてしまった不甲斐なさにあります。

(3)補助金にもさまざまあり,一般論として答えることは難しいと思います。また,域内の遺跡発掘に助成金を出した自治体にしても,「正論を言う研究者・研究機関」がいくつもあるなかで特定の機関を選ぶ,という状況だったどうか,個別には検証が必要だと思います。

(4)厳しい問いです。「一般・近隣諸学の批判に耐え得るような説明」が出来ていなかったために今回の自体が起きたわけですから。説明方法を開発することが厳しい課題となるでしょう。

(5)一般論としては「ない」と思います。日本には考古学者があまりに多く,特定の大学や学説が多数を占めることは難しくなっています。自治体埋文体制が進んだことで,専門外の遺跡を調査することも増えているため,「学会の領袖」のような大仰な存在よりも,むしろ地縁的なつながりから地域の有力考古学者の意見に流されやすい,という現象はあるかも知れません。
しかし,研究者の人数が少ない分野,歴史の浅い分野,特定の学閥の人に偏ってしまった分野などだったら,ご指摘のようなこともあるかも知れません。

(6)ご指摘自身の中に答えが出ているようですね。

(7)(8)ご指摘は厳しく,かつ重要なものであると思います。ただ,今回の件に関しては,やや意味合いが違うのではないかと思います。(1)・(4)とも関係することですが,今回の要点は,ついに考古学者が自力で「検証」できなかった,「検証」がいつも「信頼」の壁に阻まれていた,「信頼」の壁の向こうには客観的な検証や相互点検があるのかと思ったら,壁の向こうもやはり互いの「信頼」で成り立っていて,「信頼」の皮を剥いだら何も残らず,つまりは「信頼」の根拠自体がそもそも存在しなかった,それじゃ考古学は空っぽか,という問題が考古学者の眼前に突きつけられ,同時に多くの一般人がTVでその事実を目撃した,と言うことだと思います。多くの考古学者が困惑しているのも,このためであると思います。

もちろん,考古学の現状に厳しいまなざしを向けておられることは重要であり,苦言を呈されたことに感謝いたします。
私もまだ考えがまとまりませんが,お答えになりましたでしょうか。

唐津 東男( 6 Nov 2000 18:58:24)
今回の藤村氏の件に関して、民間人として更なる疑問を覚えています。

(1)わたしは、藤村氏の関わったすべての前期・中期旧石器時代遺跡すべては、いったん止揚し、編年を新たな資料で作り上げていく中で再検証していくほか無いのではないかと思いますがいかがでしょうか。

(2)基本的な質問ではありますが、藤村氏が石器埋納遺構としたものは、縄文時代の箆状石器のように見えますが、縄文時代の研究者からはその指摘はなかったのか。また、気づいていた研究者がいたならばなぜその指摘を正面切ってしなかったのか。芹沢先生が怖いからなのか。

(3)補助金は、正論を言う研究者・研究機関に出されるよりは、学会の重鎮の息を受けた研究者・研究機関に出されやすいという傾向はないのか。

(4)これから、旧石器研究を行うに当たって、上高森・総進不動坂・馬場壇A・座散乱木をはじめとする藤村氏のあつかった遺跡を参考資料として扱う場合にその客観的な資料性は保証されるのか、また、誰が保証するのか。保証するとすれば学会なのであろうが、学会が一般・近隣諸学の批判に耐え得るような説明をなし得るのか。

(5)考古学の研究など作りばなしとして物語を研究成果のごとく発言し、それが学界の定説であるかのように言う傾向はないのか。また、それを、学会の領袖が権力を傘に認めさせていることはないのか。

(6)石器自身の年代測定は困難だと思いますが、縄文時代の研究者が自らの研究対象である縄文時代石器であることを論証できなかったり、海外の前期旧石器との比較をした上で、上高森の石器の異常さをとく研究者が黙殺されたりするのはいかがなものでしょうか。

(7)日本における考古学はもはや研究の学問ではなく、開発のための一つのルーティーンに成り下がっているのではないですか。

(8)そして、その立場(すなわち自らの家計)を守りたいがため、学会全体が萎縮してしまって一部の権威的研究者と文化庁のいいなりになってしまっているのではないですか。

anoguchi( 6 Nov 2000 16:11:45)
藤村氏の件に関して
「冷静に」とはとても言えない状況ですが、きちんと分けて考える必要があると思います。
「研究者」または「考古学関係者」個人のことと、日本の考古学界としてのこと
考古学の「研究」としてのこと、埋蔵文化財行政に関連することとしてのこと
すべての真贋が問題なのかどうか

一部の報道内容は、藤村氏の関わったすべての前期・中期旧石器時代遺跡の「真贋」問題へと向ける姿勢のように見受けられます。
公金で補助金を支出していたり、調査に直接・間接に関与していた自治体や研究機関などの立場では、当然、関わりをもった部分のチェックをしなければならないでしょう。
一方で、「科学として未成熟」といわれた旧石器研究にもそれなりの成果がありました。上高森、総進不動坂だけでなく、古く馬場壇A遺跡発掘時のエピソードを紹介する記事は、以前の発掘にも疑念を示しているようですし、実際、いったん、藤村氏の関わった資料はなかったことにするべきとのコメントを出している方もいます。
けれども、座散乱木遺跡の発掘以降約20年、まがりなりにも石器形態や組成の変遷に関する研究も進み、いくつかの論文が発表されてきたのも事実です。
「捏造」は、あらかじめ編年の枠組みを決めておいたほどの組織だった大掛かりなものだったのでしょうか?
そうではなくて、結局、考古学の研究などフィクションに過ぎないと言うことだったのでしょうか?
層位を優先する研究の問題点を各紙が指摘しています。けれども、層位なしの編年研究などあり得ないでしょう。
石器自身の年代測定が困難であることが問題であったり、さらにそこに付け込んだとする指摘もあります。
けれども、少なくとも今回の件が発覚する直前まで、一定の考古学の方法論に則って学界(旧石器研究に限っても)におおすじで受け入れられていた部分があったはずです。
今すぐに、すべてを否定する(あるいは擁護するでも同じですが)のではなく、どの部分から問題が生じたのかを慎重に検討するべきではないでしょうか?
それは、いつ、どの調査から「捏造」がはじまったか、ということではなく、どの時点から、考古学の方法論が有効性を失っていたのか、という意味でです。

唐津 東男( 6 Nov 2000 11:59:50)
 今回の藤村さんの件で思うのですが本人の責任はさることながら、彼に協力してきた、さらには利用してきた文化庁の調査官のOさんの責任はどうなるのでしょう。上高森をはじめとする様々な遺跡の発掘費用の捻出に陰に陽に関わってきたのではないでしょうか。
否、むしろ現在の文化庁の体質が今回の事件として露呈したと捉えられないかと疑問視しています。
すなわち、昨今の文化庁は、マイナスシーリングの中で発掘関係の予算の獲得のため、考古学にまつわる出来事とあれば何でもマスコミを巻き込みながら大々的にお祭り騒ぎをして取り上げ、そして予算を獲得していったのではないか。
そして、なぜそれが必要かとなると、1990年前後に大量採用されそして地方に組織された埋蔵文化財に関わる施設および事業団の運営維持のためではないか。
そして、その背後には、全国の埋蔵文化財に関わる施設および事業団に多数の卒業生を送り込んで、その圧倒的な数の上に、O氏と同じ文化庁出身で学会の権力を握っている某大学の某教授の、組織維持・権力維持のための圧力があるのではないか。(某教授のストーンサークルがらみの一連の研究もマスコミうけし予算獲得につながるから吹聴しているとの疑念もある。)
今回の件について、文部大臣は文化庁に再調査させると行ったことを言っているが、その調査担当が、もしかりにOさんであるとするならばその調査はなれ合いになりかねないのではないか。
O氏自身、T歴史資料館出身で当時鎌田理事長と席を並べた旧知の間であるから。
行き過ぎた、官民あげてのマスコミうけする考古学の現出の今回の結果として捉えると、民からも考古学が見放され、官でも予算がとれないという事態に陥ったときの全国の埋文調査員将来に対して空恐ろしい懸念が広がる。

koyugun( 6 Nov 2000 02:46:31)
11日に秩父で行事があるとか。
長友先生も杉山さんも早田さんも出会される予定とか。
お三方とも存じ上げている(非常にお世話になっています)のですが、年代測定、
古環境復元、火山灰・・・
どなたも一生懸命努力される方ですので、それぞれの分野での成果は、ほぼ間違いない
と思うのですが、本来の議論の対象となるべきものが、×になってしまった、または
疑いの目で見られてしまうと言うことについては、非常に口惜しい限りです。

最近、私たち末端の調査員は、小中学校に「総合的な学習」の臨時講師として呼ばれる
ことが多くなっています。当方でも、中期旧石器の遺跡の紹介をする際に、必ず上高森
には触れておりました。しかし、少なくとも真実が明らかになるまでは、触れられなく
なってしまいました。
「ふーん、すごいんだ。」と、素直に聞いていた子供たちの顔を思い出すと、とても
情けない気持ちになります。

当方の中期旧石器(年代測定値がまだ不安定ですが)に関しても、当初はあるはずがな
いとも言われましたし(当時、M県の調査は、ATが見えたら終わりでした)、心無い
人(素人)からは、お前が埋めたんだろうとか、ただの石を適当に石器と言っていると
も言われました。明日からまた同じようなことを言われるのかと思うと、ぞっとします。

今日は本当に眠れそうもありません。

言い過ぎかもしれませんが。( 6 Nov 2000 00:37:33)
>takさん
今回の結果を
『学派』や『個人的対立』で非難されたくないという逃げはやめて下さい。
快く思わないから非難されるのではないのです。
一研究機関として共に発掘調査をしていて、なぜ気付かなかったのかと思うのです。
『やましい事はしていない』とは『気付かなかった』という事でしょうか。
その一言がその機関や研究者の能力の限界を自分で肯定している事ではないのですか。
再検証するとしても、
結果、『やっぱり駄目』と終わるかもしれない研究を何年もかけて行えるでしょうか。
どこの機関が行うのでしょうか。学生がついてくるでしょうか。疑問です。
どうお考えですか?

具体的な影響や問題は今後出てくると思いますが
今はどう考えてよいやら分かりません。では

koyugun( 6 Nov 2000 00:35:58)
了解です。私は毎日はメールサービスとNETで見ているものですから^^;

白井〜〜Link( 6 Nov 2000 00:00:07)
koyugunさんの指摘について,1カ所だけ訂正。毎日新聞でも地方版では触れています。
記事中,鎌田理事長の
「埋納の方向、埋納石器の多彩な色バランスも原人の知性をうかがわせる」
という発言(この部分は捏造された埋納石器に基づいている)も載っています。
ただ,全国版では確かに手控えていたようですね。
私もそこまでは読み切れていませんでした。

koyugun( 5 Nov 2000 23:16:05)
9月5日、総進不動坂で既に不審な行動が確認されていたとか(毎日より)
こないだの上高森を、毎日は(少なくともNET&mail news)で全く触れていなかったので、
現場担当者と喧嘩したとか、取材の過程で対立したとか、「何かあるのかな?」とは思って
いたんですが。

とんでもない話ですが、考古学の他の分野でも、とっても偉い(と言われている)先生
しか遺跡内で検出していない某物質があるそうです。同分野のかなりハイレベルの方が
追試したら、全く出てこなかったとか。研究会か何かで「?」を投げかけたら、議論
するどころか、「なんちゃら先生の言うことに間違いはない」とのことだったらしい。
言われなく罵倒された方から直接聞いたことです。

こんなことが結構あって、理科系の学者からは、「『考古学は科学・学問ではない』と
批判されることがある。」、と某大学のセンセー(あえてセンセーと言える方)が嘆いて
おられたのを思い出します。

koyugun( 5 Nov 2000 21:36:11)
しかし問題は大きすぎる。
大多数の調査技師は本当に真面目に調査を行い、寝ないで、休まないで、
ボロボロになっていると言うのに。
程度の差こそあれ、必ず矛先は私たちに向けられるだろう。
残念ながら、魔女狩りも始まるだろう。
極めて深刻な問題です。

tak( 5 Nov 2000 20:16:03)
先ほど、東北福祉大の梶原教授と電話で話しました。

「私たち自身にはやましいことはないが、疑われるのは覚悟している。
 学会でも私たちの事を良く思っていない人はいるのだし・・・」と言った話でした。

考古学の世界に学派や個人の対立が抜きがたくあり、
客観的な真実を検証するスタンスにまれに疑問符が付くような事があるのを
これまでの取材で見聞きしてきました。

遺跡の真に客観的な検証は発掘が終わった後は難しい場合も多く、
考古学者のモラルには非常に高いレベルが要求されると思います。

今回の事件が学閥の争いに利用されたり、また、検証が不十分なままで
封印されたりすることがないようにしなければならないと強く思っています。

さかいひろこ( 5 Nov 2000 18:56:15)
「最古」級報道の影響がいちばんあるのは旧石器報道なのかもしれないですね。
また、行政発掘でないと、何らかの成果がもとめられる…のかもしれません。
私も個人攻撃に終わるのではなく、客観的にチェックする体制づくりのようなものの
必要性を感じます。

tak( 5 Nov 2000 18:10:22)
追伸:

上高森遺跡の92年の発掘調査の報道で、毎日新聞は新聞協会賞をとったはずです。
今回の報道も新聞協会賞の受賞対象として評価される可能性は十分あります。

自分で自分の尻を拭いたと言うことになるのでしょうか。

tak( 5 Nov 2000 18:06:33)
8月に総進不動坂遺跡で藤村さんにお会いしたとき、
(旧石器の発見が発表される2、3日前)
「仙台からもうすぐ応援がくる。それまでに何とか成果出さなきゃ」と
言い聞かせるようにつぶやいていた事を思い出しました。
不動坂は旧石器の現場としてはずいぶん広い範囲を掘っていて、
確かにこれだけ掘って出なかったらどうするかなあと思った事を覚えています。

藤村氏が関わった前期旧石器時代の主要な遺跡が全て「ガセ」であったとは
私は考えてはいません。
(偽作は真作に学ぶのであり、
彼の作為の前には必ず彼が参考にした真実があったはずです)

今回の事件は、これまでに見つかった遺跡が本当に真実の遺跡であることを
客観的に証明すると言う重いけれどもチャレンジングなテーマを
考古学に与えたのだと考えるしかありません。

J.Otsuka( 5 Nov 2000 16:34:25)
上高森の事件は、残念です。
藤森氏は社会的重圧による強迫観念が引き起こした神経症状態にあったのだと思います。
人の手によって発掘がなされ、発掘調査によって出土したものは
何の疑いもなく「事実」と見なされて来た現在までの状態では、
起こるべくして起きた事件と言えるかもしれません。
この事件を単なる個人のスキャンダルとして扱うのではなく、
考古学を取り巻く様々な環境の在り方と考古学者のモラルを問い直すきっかけになれば、
と願います。

さかいひろこ( 5 Nov 2000 15:34:00)
今度は毎日新聞の朝刊を見てきました。1、2、3面と25、26、27面にわたって大々的に特集が組まれていて、ビデオ映像が克明に載っていました。扱いが何かものすごい…と思ってしまったのですが。マスコミの関係の方もこのページにはだいぶ立ち寄られると思うのですが(毎日の方もみえてるのかな)、なんか正直いってすごい書き方だなあ…という印象が強いです。

さかいひろこ( 5 Nov 2000 12:31:45)
毎日新聞の情報を見てきました(ネットで)。なぜ毎日は上高森にビデオを設置することになったんでしょう??

さかいひろこ( 5 Nov 2000 12:16:28)
お昼のニュースで藤村さんの上高森の石器埋納と総進不動坂の石器はねつ造したものと
宮城県庁で発表、謝罪している映像が流れました。
びっくりしています。
なぜ、今、なぜ、ここで?
ほんとうに前期旧石器研究はどうなっちゃうんでしょうか?

白井〜〜Link( 2 Nov 2000 01:03:33)
こうじんさん
お久しぶりです。ご指摘ありがとうございます。
その通り,記事原文の「弓」は「弖」の誤りだと思います。要約の時,気づいて注記しておくべきでした。
阿弖流為は東北では有名人ですね(最近はこの名の出てくるコミックもあったでしょうか)。
このほかにも,稲荷山鉄剣の金象嵌銘文では「乎獲居(おわけ)」の先祖の名に「弖已加利獲居(てよかりわけ)」と「半弖比(はてひ)」が,江田船山鉄刀の銀象嵌銘文では典曹人の名に「无利弖(むりて)」が登場します。日本語の固有名詞を音訳する際,古くから用いられてきた文字ですね。

こうじん( 2 Nov 2000 00:47:12)
 追記
 なお、下の意見はあくまでも私見です。
 読売新聞の記事が正しいかもしれません。
 出土文字資料の釈読は、微妙な問題をはらんでいるので、付け加えます。
 この書き込みをお読みになった方は、読売新聞山口版の10月31日付けの
記事とともに掲載されている写真をご覧になって下さい。

こうじん( 2 Nov 2000 00:34:03)
 お久しぶりです。覚えていらっしゃいますか?こうじんです。
昨年は、山口に住んでいましたが、4月から復学しました。
きまぐれNEWSはほとんど毎日のぞいています。
 今回は、その件で書きこみます。
 10月31日(月)の項目で、
  「防府市・周防国府跡の8世紀後半国司館庭園跡から「達良君猪弓」
  (たたらのきみいて)の人名木簡。」
とありますが、「弓」は「弖」の間違いだと思います。
 ただ、これは白井さんの打ち間違いではなく、読売新聞の原文に
「達良(たたらの)君(きみ)猪弓(いて)」とあることによるものと思われます。
読売新聞のHPで写真版が載せられており、それによる限りでは「弓」の下に「_」が
見えます。恐らく、記者発表資料では正しく「弖」としていたと思いますが、記者さんは
見慣れない文字なので、「弓」と見間違えて、そのまま入力したものと推測されます。
なお、「弖」を「て」と読む例は、坂上田村麻呂と交戦した「蝦夷」(古代国家側の表記
です。念のため)に、「阿弖流為(あてるい)」があります。
 些細なことですが、この記事で、「弓」を「て」と読むことがあると誤解される方が
いらっしゃるかもしれないので、書き込みました。
 では、失礼します。

めぐみ〜〜Link( 1 Nov 2000 18:00:28)
 はじめまして、現地説明会情報と展覧会を探して彷徨ってきました。
ここは情報がたくさんあっていいですね。私も地元で催される展覧会情報
書き込ませていただきました。

ps事後承諾で済みませんが、私のHPにリンクさせていただきました。

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