考古学のおやつ おやつコラム ほえづらコラム
「ほえづら」画像2−©おがみ大五郎氏

ほえづら

−1998年8月
[7月|9月|編年表]
27/Aug/1998(Thu)

「夜食のとも」開発記

チャットがふたつになりました。「おやつどき」を継承した「夜食のとも(2004年5月31日廃止)」と、新作「おやつメイト(2004年5月31日廃止)」です。
もともと「おやつどき」を機能強化するつもりだったのですが、かなり違った雰囲気になったので、異なった性格づけをすることにしました。

「おやつメイト」で目標としたのは、次の点です。

また、次のような制約がありました。

ですから、HTML と Java Script を駆使して、これらの目標を達したわけです。まだ完全ではありませんが。
一部の人はお見通しのように、隠しフレームを駆使した作りになっています。

Netscape Navigator(NN)では、幅0のフレームでも「見える」ので、厳密には「隠しフレーム」ではありません。
境界線の消せない NN2 は諦めて、NN3 と NN4 のため、隠しフレーム用のファイルに隣接フレームのファイルと同色の背景色を設定しています。

送信したら発言を消し、発言テキストボックスにカーソル移動
発言を自動で消すために、たとえば送信(submit)のボタンに「onClick="this.form.elements[1].valur=''";」などと記述しても、送信前に記述を消されてしまうので、隠しフレームにファイルを呼び出して、そこから記述を消させます。また、Internet Explorer 3(IE3)では、送信(submit)のボタンに「focus()」(カーソルを移動させる)を書き込んでも無効なので、このスクリプトも隠しフレームの同じファイルに記述します。

HTML間で変数を引き渡す
入退室表示を出すのは簡単ですが、表示を出す以上、入室したら入室時の名前を名乗ってもらわなければなりません。
そのため、入室時の「お名前」を、発言フレームに変数として引き渡す必要がありますが、
HTMLファイルが、次に呼び出す別のHTMLファイルに変数を直接引き渡すことはできません。
cookieを使えば可能ですが、不勉強で使い方がわかりません。
そこで、隠しフレームにファイルを呼び出し、そこに見えないフォームを置いて、変数を格納します(document.forms[0].elements[1].value=parent.visibleframe.document.forms[0].elements[1].value;)。
次に、フレームに新たなHTMLファイルを読み込みます。このHTMLファイルの中で、「document.write(parent.invisibleframe.document.forms[0].elements[1].value);」のように、隠しフレームの変数を取り出します。
普通のHTML同士で、たとえば「<A href="shori.html?var">」のように変数を引き渡せたら、もっと楽なんですが。

何秒か待って処理を実行
最近 Java Script が増えた「考古学のおやつ」ですが、setTimeout()だけは使ってません。
メモリを食うらしいからです。でも、時間を扱わなければならない場面があります。
わずかな時間にいろいろな処理を行う「おやつメイト」では、処理が順番に進まないと、混乱が生ずるのです。
しかし、Java Script で時間を扱わないとすると、HTMLそのもので対処するしかありません。そこで、隠しフレームに呼び出したファイルに「<META http-equiv="refresh" content="2;URL=next.html">」を記述し、このファイルが行う処理の2秒後に「next.html」を隠しフレームに呼び、次の処理をさせるのです。
これで、ファイルの数は増えるものの、時間を使った処理が可能になります。

実は、最後のところだけは、隠しフレームを使ってません。中央の、時々色が変わったり、メッセージが流れたりするフレームが、実は処理を待たせる時間稼ぎHTMLなのです。

謝辞
今回の改良は、新たな提案をされたり実験につきあってくださったおがみさん、いけださんの協力のたまものです。
ありがとうございました。m(_ _)m


10/Aug/1998(Mon)

6世紀の前方後円墳

画像
本文とは
関係ありません

多分、もう前方後円墳なんかどうでもよくなって、内心、古臭いと思ってたんだろうなぁ。
6世紀の前方後円墳のことです。

前方後円墳はとっくに“終わって”て、身分秩序を示す機能なんて、誰もあてにしてなくて、
ただ代わりがいないから、仕方なく作っていたに過ぎないのではないですか。

前方後円墳を作り続けるムラ同士で、
「あそこはあんなでかい前方後円墳を作ってるからバカだ」とか、
「あそこは前方後円墳が小さいからバカだ」とか、
意味のない陰口をききあってたのかも。

代わりは少しずつ準備されてて、でも、新たな秩序を築くだけの力をつけてなかったから、
ある朝新秩序が登場して前方後円墳を駆逐するまでは、何となく続いていたのでしょう。
だから、6世紀の前方後円墳そのものには、その終焉の秘密は内在していないのではないでしょうか。

いえ、前回の九阪研究会の感想ですよ。ホント。


2/Aug/1998(Sun)

プルガサリ

先月、やっと日本で公開された北朝鮮の怪獣映画、「プルガサリ」を見ました(キネカ大森にて)。
この映画の製作に関わった日本人スタッフの体験を記した
薩摩剣八郎著『ゴジラが見た北朝鮮』でご存じの方も多いと思います。
10年以上前に完成していたのですが、さまざまな問題があって、公開されていませんでした。
奇しくも(・・・というより、配給側のこじつけという気もしますが)ハリウッド版「GODZILLA」と同時期の公開となったのでした。

まず思ったのは、まじめに作ってる映画だな、ということ。
一生懸命作っているし、ヒロインの女優さんは綺麗だし、内容もシリアス。
でも、なんだか妙なところがあって、シリアスなはずなのに笑ってしまいます
(こういうのは、タイの「メナムの残照」を見て以来)。

アクションとかも、がんばっているんだけど、複数でチャンバラになると、何だか繋がりが悪い(シーンの繋がりもイマイチ)。
丘陵を大軍が突き進むシーン(人民軍を使ったらしい)はいいけど、両軍が激突する部分のアップはただの“おしくらまんじゅう”みたいになっちゃう。
それぞれはいいんだけどなぁ、と惜しまれます。
(以前に見た「洪吉童」もそうでした)

ちょっとストーリーを紹介。

腕のいい鍛冶屋のタクセは、郡守から農具を武器に作り替えるよう命ぜられるが拒否し、拷問を受ける。瀕死のタクセは米粒で作ったプルガサリの人形に願いを託す。タクセの娘アミの血によって生命を得たプルガサリは、鉄を食べて大きくなり、農民一揆とともに郡守を倒す。さらに朝廷の送ったファン将軍をも破り、ついには高麗王宮に乗り込む。
農民軍の勝利・・・しかし、プルガサリはさらに鉄を食べ続け、農具をも食べ尽くす・・・。

ここで出てくるファン将軍の武器がすごい。最初、投石器みたいなのを使っているかと思ったら、
砲台の上から、なんとロケット弾をぶっ放したのです。高麗末(14世紀)じゃなかったの?
先端が矢のように尖り、おしりから火を噴きながら飛ぶ、このロケット弾は、プルガサリの頭部に着弾
致命傷は与えられなかったものの、プルガサリを苦しめました。

ファン将軍の敗北後、恐慌をきたす王に、群臣が、新兵器の使用を提案します。
ロケット弾よりすごい兵器って何?
ひょっとして、ノドン1号か?・・・っと思って見ていると、
「獅子砲」と「将軍砲」とかいう、単なる装飾過多の大砲
王様もそんなものに感心するな。

プルガサリがぶっ壊す高麗王宮のミニチュアは精巧にできていて、この辺は日本の特撮の醍醐味。

農民の味方だったプルガサリが、農民軍の勝利の後は、農具を食い尽くし、農民の敵に
・・・と、いわば善悪の転換が起こるのですが、なんかイマイチだなぁ。
それだったら、「ゴジラVSキングギドラ」の方が上だよな。
人間の勝手な都合で、怪獣間の善悪(もちろん、人間が勝手に決めた)がころころ入れ替わり、
そのたびに人間の側の絶望が深くなっていくあたり、やはり「ゴジラ」の方が・・・
ん?
「プルガサリ」の制作は1985年、「ゴジラVSキングギドラ」は1991年・・・まさかまさか

念のため申し添えますと、
「ゴジラVSキングギドラ」の、「善悪の入れ替わり」は、決して「プルガサリ」からのパクリではなく、「ゴジラ」シリーズに内在していたテーマだと思います。
「ゴジラ対へドラ」(1971年)、「ゴジラ対メガロ」(1973年)、「ゴジラ対メカゴジラ」(1974年)などは、いずれもゴジラと“ゴジラの分身のような怪獣”が戦う映画でした。
さらに、「ゴジラVSビオランテ」(1989年)では“ゴジラ細胞”を介してゴジラとホントの分身の戦いが描かれ、「ゴジラVSキングギドラ」では未来人の時間旅行という仕掛けで、このテーマが上記のような形をなしたのだと思います。

すっごく気になるのは、登場する農民たちの行動。圧政に対して反乱を起こすという設定ではあるけど、
画面で見る限りは、状況に流されて右往左往してるだけという感じ。なんか違和感あったなー。

上映前、ハリウッド版「GODZILLA」の予告編をやってました。なかなか期待させる予告編でした。
その後がいけない。
「GODZILLA」の予告編のあとに「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」の予告編を上映するなんて・・・。
「空前の特撮」とか言われてもなぁ。


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